“マスコン”とは何か、知っているだろうか。これは“マスター・コントローラー”の略で、電車の運転席に設置されているもの。つまり電車を運転するためのコントローラーである。このマスコンを模した専用コントローラーを、HDMIケーブルでテレビに直接つないでプレイできるのが『電車でGO! PLUG & PLAY』。ゲームソフトがマスコン型コントローラーに内蔵されているため、ほかにハードを必要としない。いわゆる“プラグアンドプレイゲーム機”だ。

『電車でGO! PLUG & PLAY』を鉄分多めの子供(と大人)が遊んでみた_10

 本機に内蔵されているソフトは、2004年にプレイステーション2で発売された『電車でGO! FINAL』を高解像度化、ワイド化(アスペクト比16:9)したもの。
 収録されているおもな路線・車両は以下の通り。

登場する主な路線
JR山手線
JR大阪環状線
JR中央線(東京~高尾間)
JR京都線・JR神戸線(京都~大阪~神戸間)

登場する主な車両
103系 山手線
103系 大阪環状線
201系 中央線快速
205系 山手線
205系 横浜線
205系 埼京線
207系 京都線・神戸線
209系 京浜東北線
209系 南武線
223系 京都線
E231系 山手線
E231系 湘南新宿ライン
E231系 中央線・総武線
E231系 常磐線
E257系 中央線
NEX253系
281系 特急はるか
485系 特急雷鳥
681系 特急びわこエクスプレス
E2 やまびこ
E4Max やまびこ
EF66形 寝台特急あかつき・彗星号

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 家庭で遊べる『電車でGO!』としては、オリジナル版の『電車でGO! FINAL』以来となる本機。完全新作というわけではないが、ファンにとっては見逃せない作品であることは間違いのないところだ。ところで、電車は好きだけれども、本シリーズをリアルタイムで遊んだことのない世代は、本機『電車でGO! PLUG & PLAY』を、どのくらい楽しめるのだろうか?
 というわけで、電車好きな5歳の男の子に協力してもらい、ゲームを遊んでもらった。ついでに、30歳ほど年上のファミ通編集者もプレイ。大人として、そして本気の“鉄”としてコメントを書いてもらった。

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タクくん。5歳。
電車が大好き。シュークリームも大好き。髪を伸ばしている最中のオシャレさんだ。

5歳男児、初めての『電車でGO!』

 まずは収録路線の中でも、比較的お気に入りの山手線を選択してプレイ。初めてコントローラーを握るはずのタクくんだが、ふだん乗っている電車で運転手さんの操作を見慣れているからか、コントローラーのどこを動かせば電車が進むのか、なんとなく理解できている様子。左手で操作する電車の加速を制御するレバー(マスコン)と、右手で操作するブレーキハンドルを器用に使いこなし、反対方面の電車とすれ違う際には警笛も鳴らしていた。

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まるでベテランの落ち着き。2~3日練習したら、本物の電車も運転できるのではなかろうか。史上最年少運転士を目指してほしいところだ。

 とはいえ、やはり初めての『電車でGO!』。速度オーバーをしてしまったり、うまく停車できない場面もあり、そのたび「ブッブー」と警告音が鳴る。するとタクくん、この警告音が嫌いなようで、「もう運転しない! 代わって~」となってしまった。うーん、かわいい。仕事的には若干困るが、これはかわいいから問題ないと思う。
 しかし、本機が子供目線ではどのように映るのか、もうちょっと見てみたいところ。タイトーの広報さんも、ほほ笑みながらも戸惑いの表情を見せている。そこで運転を場に居合わせていた弊社広告部・中村に交代。中村が運転手となり、タクくんは車掌さん役としてアドバイスを送ることになった。

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中村は諸事情によりオリジナル版となるプレイステーション2版をプレイ。親子の仲むつまじい様子に見えるが、血はつながっていない。

 5歳児が車掌として何をアドバイスできるのか? と思うなかれ。画面表示を見て、「ここは80kmまで上げていいから」など、まるで教官ばりに、驚くほど的確な指示を出すタクくん。漢字はまだ読めないとのことだが、本作のインターフェースがわかりやすいこともあり、画面に表示されている情報をかなり理解できているようだった。
 さらに中村は『電車でGO!』経験者のため、非常にスムーズなプレイを見せる。画面上で理想的な運行が実現されているせいか、タクくん、車掌さんとして見ている(=自分ではプレイしていない)状態でも、十分に本作を楽しめているようだ。よかった、よかった。写真のふたりは親子ではないが、親子で交代しながら本機をプレイすると、よりいっそう楽しめることがわかってもらえると思う。

 なお、一度は「もう運転しない」と現場が凍りつく発言をくり出したタクくんだが、車掌さんプレイが思いのほか楽しかったせいか、最終的には「もっと遊びたい~!」、「帰りたくない~」と、こちらがホッと胸をなでおろす方向でぐずってくれたことを書き添えておく。

鉄をこじらせたファミ通編集者もついでにプレイ

 もう十分に本機の魅力は伝わったかと思うが、いちおう大人の立場で本機を遊んだ人間の感想も以下に記しておく。どうやら『電車でGO! PLUG & PLAY』は、編集者かつ鉄という、かなり細かい部分まで気にしそうな(めんどくさい)タイプの人にとっても、納得のデキに仕上がっているようだ。

川島KGプレイインプレッション

 どうも、鉄道ファン兼ファミ通編集者の川島KGです。

 『電車でGO!』といえば、高校受験が終わるまでゲームを封印していた僕が、すべての受験を終えて帰ってきたその日に第1作を遊び始めた、思い出深いゲーム。今回の『電車でGO! PLUG & PLAY』は、第1作のときに使ったマスコン型専用コントローラとほぼ同じ形状なので、それだけでもマストバイです。実際にソッコーで予約しました。ただ、じつはプレイステーション2版の『電車でGO! FINAL』を遊んだことはなくて、今回初めて試遊させてもらいましたが、挙動とか音とか、すれ違う&並走する電車とか、リアルでバラエティーに富んでいてイイですね! 昔は、画面に表示される速度とか、停止位置までの距離とかを凝視しながら運転していたけれど、大人になって前面展望(先頭車両からの景色)をさんざん見まくってきた成果か、いまは画面の“数字”を見なくても、“感覚”で運転して好成績を狙えるようになりました。これは楽しい。すなわち、『電車でGO! PLUG & PLAY』がそれだけ実車の感覚に近いということです。

 ただ褒めちぎるのもアレなので、ひとつだけ難癖(?)をつけるとしたら、E231系山手線の実車のマスコンはワンハンドルタイプなので、『電車でGO! PLUG & PLAY』のツーハンドルタイプとは異なります。そこだけは違和感があるけれど、逆に言えば、E231系をツーハンドルタイプで運転できるのは本作だけ! と考えることもできる。どうしてもワンハンドルタイプで遊びたいなら、2017年11月から稼動開始するアーケード版『電車でGO!!』も楽しめばいいよ!

 それから、エビテンで販売中の鉄道時計は、実際に運転士が使用している鉄道時計をベースにした商品ですが、これを『電車でGO! PLUG & PLAY』のくぼみにスッポリと収めることが可能。実際の運転台にもこういうスペースがあるので、そこまで再現したいガチな方は、購入を検討してみてはいかがでしょうか。いいお値段ですけれど!

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ファミ通編集者、川島KG。鉄分はかなり多いほう。

手軽なプラグ&プレイ機は親子で遊ぶのに最適

 今回遊んでみて、子供から大人まで、電車が好きな人なら誰もが楽しめる『電車でGO!』シリーズの魅力を再確認することができた。とくに本機『電車でGO! PLUG & PLAY』は、テレビに直結してすぐに遊べるという手軽さの面からも、シリーズでもっとも家族向けと言えるのではないだろうか。かつて『電車GO!』シリーズを遊んでいたけれど、最近はご無沙汰気味というお父さん世代にとっても、子供といっしょに楽しく遊べるという点で、財布の紐を握るお母さんを説得しやすいと思われる。まさに一家に一台、親子で遊べる『電車でGO!』と言えよう。

 ややホメ過ぎの感はあるが、日ごろ我が子と遊ぶ機会のあまりないお父さんにとっては、子供といっしょに遊べる商品というだけで評価が跳ね上がるものなので、これでよしとしたい。

【製品情報】
製品名:電車でGO! PLUG & PLAY
発売予定日:2018年2月8日
 ※Amazon ならびにエビテン[ebten]での限定販売
メーカー希望小売価格:14,800円(税別)

【ソフトウェア仕様】
解像度:720p
テクスチャ:高解像度化に合わせて多色化
画面比:16:9

【ハードウェア仕様】
サイズ:W250mm×D148mm×H125.5mm
映像出力:HDMI(TYPE-A)
音声出力:HDMI(リニアPCM)
電源端子:USB(Micro B)
※HDMIケーブルならびにUSB電源ケーブルは付属しておりません。

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『電車でGO! PLUG & PLAY』を鉄分多めの子供(と大人)が遊んでみた_08
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