『レインボーシックス シージ』シーズン3アジア太平洋地域プロリーグファイナル DAY2リポート eiNsは韓国チームに圧勝【インタビュー追加】

2017年10月22日(日)、オーストラリアにて“レインボーシックスシージ プロリーグ APAC Finals”の最終日・DAY2が開催された。DAY1を勝ち抜いた日本のチーム“eiNs”の奮闘を中心に、その激戦の模様をお伝えしていく。

APACの王者の座と、世界大会への切符をかけた最終フェーズ

※ShiN選手のインタビューを追記しました。(10月24日15時30分)

 ユービーアイソフトよりプレイステーション 4、Xbox One、PCにて発売中の、タクティカルシューター『レインボーシックス シージ』のアジア太平洋地域(APAC)プロリーグのファイナルが、2017年10月21日(土)と22日(日)の2日間に渡って開催された。

 日本、韓国、東南アジア、オーストラリアの4地域、8チームが激突する、このファイナルステージ。決勝戦まで進出した2チームには、11月にブラジルで開催される“ワールドファイナル”の出場権が与えられる。さらにそれだけではなく、優勝した1チームは、次シーズンの国際大会“シックス インビテーショナル”に招待される。

 21日(土)のDAY1では、日本から進出した“野良連合”と“eiNs”が、見事な奮闘を見せてくれた。野良連合は惜しくも所詮で敗れてしまったものの、eiNsはAPAC最強とも称される強豪チーム“Cryptik”に対し、追い詰められたところから1-2の逆転勝利。その粘り強いチームの強みを存分に見せつけ、DAY2の準決勝に進出した。

 今回の記事では、DAY2に進出したeiNsの試合を追いつつ、APAC最強の座を決める大会の顛末をお伝えしていく。
 なお、本大会の試合ルールは一貫してBO3(2マップ先取勝利)、爆弾採用のTDMルールなど、ESLの公式ルールに則ったものとなっている。

▲日本語での実況解説を務めてくれたのは、ふり~だ氏(下写真、左)ときんち氏(下写真、右)。

セミファイナル eiNs vs Corvidae

 “Corvidae”はオーストラリアの予選を1位で突破し、その予選では、DAY1で野良連合を破った“Mindfreak”をも倒している強豪チームだ。新オペレーター(プレイヤーキャラクター)も積極的に採用していく、柔軟なプレイスタイルが特徴となっている。

・第1マップ オレゴン

 第1ラウンド、防御側のeiNsは地下を選択。eiNsは開幕からドローンの排除に成功し、教室へと速攻でなだれ込んだCorvidaeにもうまく対応してみせる。そのままポイントにたどり着かせることもなく、余裕で制圧してみせた。
 続く第2ラウンドは、防御側のCorvidaeも同じく地下を選択。今度はCorvidaeが遊撃によってファーストキルを取り優勢を得て、会議室までたどり着かせずに守り切ってみせた。

 第3ラウンド、ここからeiNsの面々が加速していく。防御側、2階防衛を選択したeiNsは、序盤からバンディットの特殊ガジェットで、テルミットのヒートチャージ妨害に成功! さらに1z選手の細窓を射抜いてのヘッドショット、Aroer1na選手の裏取りからの2キルと、ファインプレーを連発し勝利。
 さらに第4ラウンドでは、開始直後に敵の位置を予想してからの壁抜きでファーストキルを取り、そのあとも本作ならではの、壁や床に穴を開けてからの階下、階上からの立体的なカバーを展開。Corvidaeの攻めを完封していった。

この細窓を通して、飛び出し撃ちでヘッドショットを決めた1z選手。エイム力の高さに加え、次ラウンドの壁抜きといい、相手の動きを完全に読み切っていた感もあった。

 第5ラウンドは、防衛側eiNsが地下を選択。eiNsのラインを上げた守りを見抜き、Corvidaeがファーストキルを取ったものの、ここでeiNsは守りから一気に攻めに転じ、次々とキルを重ねて勝利。昨日とは打って変わっての、強気のプレイが冴え始めた。
 続く第6ラウンド、攻撃側となったeiNsは果敢にガレージ攻めから裏取りの陣形も確保できたものの、Corvidaeは時間を使わせる堅実な守りを展開していく。最後は無理をせず、逃げ切ることで勝利してみせた。

 だが続く第7ラウンドでもeiNsの勢いは止まらず、1z選手のファーストキルとAroer1na選手の止まらない攻めで、相手側を圧倒。ShiN選手がカメラで視界を確保するなど、チーム全体のアシストも生き、裏取りをつぎつぎと成功させて勝利。5本先取で、eiNsが第1マップを制した。

カメラでのサポートなど、チーム全体の連携も非常にうまくとれていたeiNs。オフライン大会で声が聞こえにくくなるなどといった環境への対策を徹底したとのことで、その成果が出たのかも知れない。

・第2マップ 領事館
 
 第1ラウンド、防衛側のCorvidaeはオフィスをかなり警戒した布陣を取る。対してeiNsは、偵察のブラックアイを丁寧に壊してから、3方向からの同時侵攻を展開した。ShiN選手が休憩室窓からの大胆なブリーチングチャージを決め、混乱がCorvidaeに広がった隙を突いての強気なラッシュが決まり、ファーストラウンドをeiNsが取る。

 さらに続く第2ラウンドでは、防衛側のeiNsが開幕直後、Corvidae側のヒバナの排除に成功。補強壁を壊す役であるヒバナを失ったCorvidaeは、突破力を大きく削がれてしまったため、防衛側のeiNsが余裕をもって勝利した。
 続く第3ラウンドでは、防衛側のCorvidaeはオフィス側でカメラをふたつ展開し、ひとつ壊される前提で立ち回る。対してeiNsは、相手の位置を偵察、ならびに予想しての置きエイムをすべからく決め、ラペリングをしっかりと生かして室内を制圧。eiNsは第1ラウンドからの、3連勝を決めた。

ここまでタイミングをきっちり合わせた置きエイムをされていては、カバーなしではどうしようもない。置きエイム、味方との連携、相手のカバーの疎外と、eiNsはすべてでCorvidae側を完封していった。

 第4ラウンド、巻き返したい攻撃側のCorvidaeは、開幕から大胆なラッシュを展開。一気にディフューザーの設置まで完了したものの、無理をせず退いてから囲い込んでいった防衛側のeiNsに、逆に巻き返されてしまう。

 第5ラウンドでは防衛側となったCorvidaeが、1階の防衛に切り替える。さらにリスキルを狙うかのような博打めいた配置も取ったが、eiNsは2階バルコニーから堅実に制圧を進め、最後は有利なトイレを占拠して粘ったWildman選手も連携で完封し、勝利。2マップ目を5本先取で勝利し、2-0でのストレート勝利でグランドファイナル進出を決めた。

●グランドファイナル eiNz vs mantis FPS

 上記のeiNsの試合の前に行なわれた、DAY2最初のセミファイナルでは、韓国のチーム“mantis FPS”が見事な2-0ストレート勝利を収めていた。奇しくもグランドファイナルは、セミファイナルでストレート勝ちを決めて勢いづいたチームどうしの対決となった。

 mantis FPSは、元は“UFF”というチーム名だった古株の強豪。日本のPC版『レインボーシックス シージ』プレイヤーには、クラン戦などにも積極的に参加してきたことからおなじみのチームだ。積極的に撃ち合いに行くプレイスタイル、決め撃ちの精度のすさまじさ、ドローンでの音の聞き分けなど、さまざまな技術がトップレベルのチームとなっている。

・第1マップ 山荘

 第1ラウンド、防衛側のeiNsは地下を選択し、足の速いオペレーターをピック。対して攻撃側のmantis FPSはブリーチャーひとりというキッチン・記念品室攻め用の構成でありながら、ワインセラーを狙いに行く。構成の食い違いはあるものの、強力な武器を持つオペレーターばかりをピックしているmantis FPSは強烈なラッシュを仕掛けるが、eiNsはまともには付き合わず、別階からの立体的なカバーでこれをいなし、最初のラウンドを制した。

 第2ラウンド、攻撃側となったeiNsはFUZEを投入しての、偏った編成で2階とキッチンから制圧を進める。ディフューザーの設置まで成功したものの、今度はmantis FPSのゴリ押しに対応しきれなかった。まずはお互い1本ずつ、奇策を完封しての勝利を収めることとなった。

 第3ラウンド、防衛側となったeiNzは図書室とリビングに攻め込まれるも、なんとか粘ってmantis FPS側に時間を使わせることに成功。さらにShiN選手が窓から屋外に出てのオフィスへの裏回りを決め、気付いていないmantis FPS側がShiN選手が室内に残した残像を追いかけるような展開となる。そのままShiN選手の裏取りが決まり、eiNsがラウンドを奪取した。

メインベッドルームに「いる」と相手に思いこませ、敵を見事引き付けつつ、窓の外からの裏取りを決めたShiN選手。お手本のような奇襲だった。

 第4ラウンド、防衛側となったmantis FPSは、先ほどのお返しとばかりに、初動を読んでのヴァルキリーでのファーストキルと、Neilyo選手の相手に気付かれない裏回りを決める。動き回ることを許さない、完封勝利を見せつけた。

 さらに続く第5ラウンド、攻撃側となり強力な武器を持つオペレーターをそろえているmantis FPSの火力がついに炸裂。開幕から速い展開でShiN選手を囲い込んで倒し、さらにOnichan選手が裏取りからの連続キルを成功させる。eiNs側もSuzuC選手が2連続カットを決めるなど善戦するも、この勢いは止まらなかった。第1マップでの試合開始後、mantis FPSがここで初めて、攻撃側でのラウンド奪取を決める。

 だが、続く第6ラウンドでは、攻撃側eiNsの1z選手が、TWITCHのM2でバリケードもろともふたりをカット。そのまま勢いづき、1on5の状況に追い込んでの圧勝を収めた。この辺りから両チームとも、相手に防衛を成功させられ続けたことで、対策をしっかりと用意してきていた印象だ。

両チームとも、強力なM2を有するTWITCHを攻撃時の要としていた。バリケード破壊と対人、両方を高水準でこなせるのは大きい。

 3-3で迎えた、第7ラウンド。防衛側となったeiNsは、先ほども堅実に守り切れたキッチン・記念品室を、mantis FPS側のヒバナを早めに倒すことでふたたび守り切って制する。mantis FPS側は先の試合から防衛ポイントを見抜いて対策していたが、それをさらにeiNsが対策で上回った形となった。

 eiNsがマッチポイントで迎えた、第8ラウンド。防衛側のmantis FPSは、ここのところ攻撃側が突破できていない地下防衛を選択し、やや退いての堅実な防御を試みる。攻撃側eiNsはShiN選手のアッシュがフラッシュバンを使用しないという意外な構成で挑み、そのShiN選手が縦横無尽に走り回って、堅い守りへの裏取りを決めた。この一手が決定打となってeiNsがこのラウンドも制し、第1マップでの勝利を収めた。

・第2マップ 国境

 第1ラウンド、防衛側となったeiNsはまさかの奇策、税関守りを展開。eiNsはトラップ系オペレーターを入れない構成でありがなら、セキュリティールームで粘り、さらにShiN選手の壁抜きキルなどで攻撃側のmantis FPSの攻撃リソースを削っていく。モニター越しの斬るまで決められたmantis FPS側は攻めきれず、第1ラウンドを取ったのはeiNsとなった。

キャッスルが武器庫側を監視して、セキュリティールームへの侵攻路をひとつ封じるなど、よく練られた奇策となっていた。ShiN選手の壁抜きは、なぜそこに敵がいると分かったのか、解説陣もまったく分からない神業だった。

 第2ラウンド、防衛側のmantis FPSは2階防衛には行かず、1階防衛にシフトする。武器庫に3人配置しての堅牢な守りに対し、eiNsはカンデラの効果範囲の広さに助けられたこともあり、きわどいところで武器庫を制圧。1z選手の、カバーとクロスファイアへの位置取りの速さも際立っていた。

 第3ラウンドでは攻撃側のmantis FPSが、セキュリティールームへの苛烈なクロスファイアを展開。これをeiNsのShiN選手が粘って引き付け、さらに裏取りまで決めて時間を稼ぐ。最後には、mantis FPSが時間切れの前に突入準備をしていたところに一瞬の隙が生まれ、そこにeiNsのAroer1na選手が駆け込み、ディフューザーの設置カットに成功して勝利をもぎ取った。

 第4ラウンド、防衛側となったmantis FPSは、まだ武器庫防衛にはシフトしない。mantis FPSはOnichan選手が心拍センサーで位置を掴み、見事なファーストキルを決め、壁抜き射撃にも耐えて生還してみせる。時間が残り20秒となったところで、今度はeiNs側がすさまじいラッシュを展開。ShiN選手のアッシュがすさまじい走り回りを見せ、エイムやカバーを乱されたことで撃ち合いの強みを奪われたmantis FPS側は、ラッシュを止めきれずラウンドを譲ることとなった。

 こうしてeiNsがマッチポイントで迎えた、第5ラウンド。防衛側となったeiNsは、税関守りをふたたび展開。mantis FPS側に対し、先ほどの1戦のみを参考に、この守りへの対策構築を強いていく。
 だが、mantis FPSの対応力は想像以上に高かった。mantis FPSは武器庫のOdeNMiso選手をキルしたところから、SweetBlack選手が大胆な走り込みを見せ、セキュリティールームも制圧し、ここで1本取り返す。

 4-1で迎えた、第6ラウンド。防衛側のmantis FPSは、ここでついに2階防衛にシフト。対して攻撃側のeiNsは、セキュリティールームをドローンで慎重にクリアリングし、資料室攻めにシフトするも、HIBANAを早い段階で失う。その穴を埋めるようにAroer1na選手や1z選手の要所でのロックが冴え渡り、つぎつぎとキルを重ね、ラウンドを制する。結果、第2マップも勝利したeiNsが、グランドファイナルの勝者となった。

オフィス方面に対するAroer1na選手のロックは、もはや嗅覚で敵がそちらにいると察知しているのでは、と思えるほどに的中していった。

 DAY1で見せてくれた追い込まれてからの粘り強さと、DAY2で見せてくれた連携力と大胆さ、勝負強さ。eiNsがいま、その両極端な強さをどちらも高レベルで身に付けていると、このファイナルで実感させられる結果となった。オフラインの舞台への慣れも十分に身に付いているようで、今度の活躍にも大いに期待できる。

 見事決勝に進出したeiNsとmantis FPSは、11月のブラジルでのワールドファイナルに出場が決定。さらに優勝したeiNsは、2018年2月に開催される“シックスインビテーショナル”に出場が確定した。世界の舞台での戦いが続くeiNs、その躍進と成長を、ぜひこれからも見届けさせていただきたい。

 なお、後日eiNsチームのインタビューを掲載予定。こちらもぜひチェックしていただきた。

ShiN選手へインタビュー

――優勝、本当におめでとうございます。いまのお気持ちを教えてください。

ShiN選手 もちろん目指してはいましたが、まさかアジアチャンピョンになれるとは思っていませんでした。

――対戦相手の印象はいかがでしょう。

ShiN選手 Corvidae、mantis FPSどちらもエイムが上手いですし、作戦も連携もすばらしく、両チームともに気の抜けないラウンドがずっと続いてみんな大変でした。ですがうまく切り抜けれられたと思います。

――本日のMVPは?

ShiN選手 ひとりには限定できませんね。全員です‼

――試合の見どころはどこでしょうか?

ShiN選手 山荘は僕らの戦いができなかったのですが、国境の防衛では、完成された戦術を見せれたと思いますので、ぜひ見ていただきたいです。

――ブラジルで開催することに、メリットとデメリットを感じられますか?

ShiN選手 世界各国の強豪チームと戦えることは楽しみですし、そこでさまざまなチームとコミュニケーションを取れる機械があるのは、とても楽しみです。ちょっと移動距離が長いのは、デメリットですが……。

――チーム内では、戦術を決めたりプレイ中の指示だしは、どなたか行っているのでしょうか?

ShiN選手 どちらとも、僕が行っています。

――チーム内での役割は決まっているのでしょうか?

ShiN選手 アタッカーとサポーターは決まっていますが、ラウンド毎ごとに「つぎはここをポイントにしよう、こうやって戦っていこう」とチーム内で話し合い、そのプラン通りにオペレーターをピックしています。もしイレギュラーなことが発生したら、逐一報告しあい、それに対する対応策を即座に出す。これが僕らのやり方です。

――今回、賞金を受け取れなかったのですが、それについてはどう思いますか?

ShiN選手 もちろん賞金を受け取れたらとてもよかったのですが、いまのところ「仕方がない」と思っています。それよりも、アジアチャンピョンになれたことがうれしいことと、なによりもオーストラリア大会に出場できたことは、これまでの努力が報われた結果だと思います。ですから、賞金を受け取れないということよりも、アジアチャンピョンになれたことが僕らにとって大事です。

――今後の目標は?

ShiN選手 11月に行われるブラジル大会でも、優勝目指して練習していきます。僕らのように日本のチームでもアジアでチャンピョンになれることを証明できましたし、ファンの皆様といっしょに、『レインボーシックス シージ』を楽しんで、成長できたらいいなと思います。

――つぎは、さすがにユニフォームを作る予定ですか?

ShiN選手 そうですね(笑)。UBI DAYから続いて、今回もスタッフTシャツを着ていましたが、さすがにヤバいかなと(笑)。ちゃんと、eiNsユニフォームを作ります!

※画像は配信をキャプチャーしたものです。