先週、アメリカのカリフォルニア州サンノゼで行われたVR開発者向けイベント“Oculus Connect 4”。そこでモバイルVRヘッドセット“Gear VR”向けに発表された『Republique VR』を遊んできたので、その内容をご紹介しよう。

 本作はCamouflajによるステルスアドベンチャー『Republique』のVR対応版。ガンホー・オンライン・エンターテイメントよりプレイステーション4版が発売されているほかiOS/AndroidやPCなどでも配信されている同作のエピソード5までを完全収録し、今冬に配信予定となっている。

 実は本作は公式に出展されていたわけではなく、会場の片隅で開発元Camouflajのスタッフにこっそり遊ばせてもらったのだが、そんなことができたのも、本当にGear VRで動作していたから。

 記者は同作のモバイル版にはじまり、PC版やPS4版なども触っているが、グラフィックなども申し分なく、フレームレートも悪くない。動作を安定化させるためには、シングルパスレンダリングの採用などが大きく寄与しているという。

Gear VR対応のステルスアドベンチャー『Republique VR』は、10時間以上相当の本編をフル収録。日本語対応も予定【Oculus Connect 4】_01

 今回のデモは疑似モーションコントロールができるGear VR コントローラーを使って遊んだが、Gear VR本体脇についているタッチパッドや、Bluetooth接続のゲームコントローラーなどでプレイすることも可能とのこと。
 これは本作がもともとタッチディスプレイで遊べるステルスアドベンチャーを目指していて、アクション要素などはあくまで主人公に指示を出して実行してもらう形となっている、操作面をシンプルにまとめた設計になっているのも大きいだろう。

 またGear VRはプレイヤーの顔の位置のトラッキングがなく、顔の向きの動きだけ追従する限定的な作りだが(3DoF)、そもそも“プレイヤーは監視カメラを通じてゲーム世界を覗いている”という設定の本作では、それでまったく問題ないどころか(普通の監視カメラはあまり上下左右前後に移動したりしないものだ)、むしろVR対応で世界を覗いている感じが出てパワーアップしているというのも面白いところ。

Gear VR対応のステルスアドベンチャー『Republique VR』は、10時間以上相当の本編をフル収録。日本語対応も予定【Oculus Connect 4】_02

 とはいえモバイル版と完全に同一というわけではなく、一部ローディングが入って一度区切るようになっていたり、一部ユーザーインターフェースや、VRでは成立しないパズルミニゲームなどが作り直されたりはしている。しかし基本のゲームデザインなどはまったく同じで、PCゲームやPS4タイトルとして成立する、10時間~15時間分に相当するコンテンツ量は、モバイルVRゲームとしては反則級のボリュームだ。

 発売時期は2017年末から2018年初頭の間になる予定で、現在も鋭意開発進行中。既に日本語版が存在することもあって、本バージョンも日本語ローカライズを収録するそうなので、対応機器をお持ちの人は、リリース時にチェックしてみてはどうだろうか(Gear VR対応スマートフォンでも、Galaxy S7とS8で動作する予定)。

 ちなみに、発表時のトレイラーに「Coming first to Gear VR(まずGear VR向けに配信)」と書かれていたので、「他のVRプラットフォームへの対応予定は?」と聞いてみたところ、確定している計画はないものの、何やらいろいろと研究・調査をしている様子。当初モバイル版のみだった『Republique』がリマスター版として拡大展開されたようなことが本作でもありえるかも、とのことだった。