先週、アメリカのカリフォルニア州サンノゼで行われたVR開発者向けイベント“Oculus Connect 4”。その会場で、VRアクション『MARVEL Powers United VR』を遊んだ。
本作は、PC用VRヘッドマウントディスプレイ“Rift”向けに開発中の、ソロプレイからオンライン4人協力プレイまで対応したアクションゲーム。数々のアメコミヒーローが属するマーベルの世界から20キャラクター以上が登場し、RiftとモーションコントローラーのTouchを使って、VR世界でそれぞれのヒーローになりきって戦うことができる。発売は2018年を予定しており、Oculus VR公式サイト上に日本語ページも存在する。
Oculus Connect 4では“マイティ・ソー”の参戦が発表されたということもあって、デモブースでは新作映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』に出てくるサカールの闘技場と思わしきステージで、4人協力プレイでのミッションに挑んだ。
本作では各マーベルヒーローによって使用スキルが異なっており、例えばハルクならブン殴ったり敵を掴んでぶん回したりのVRアクション寄りとなり、遠距離スキルや銃を持ったキャラならばVRFPS的なプレイとなる。
俺・イズ・俺ちゃん(=デッドプール)
今回記者が選んだのは、現実とフィクションの壁を気にしない自由過ぎる男デッドプール。彼の場合はサブマシンガンなどがメイン武器なのでVRFPS寄りだが、背中に手をやればカタナを取り出せて、シールドを構えて寄ってくる近接系の敵などをぶった斬ることができる。
Touchコントローラーのスティックを使って任意の前後左右移動が可能なほか、デッドプールには一気に移動したい時のスキルとして、指定した場所にジャンプする“テレポーテーション・デバイス”が存在。ハルクがロングジャンプからスマッシュ攻撃をしているシーンにも遭遇したので、移動系スキルは他のキャラにもあるようだ。
デップーは現実とVRの壁も気にしない
そしてコミック版では読者に、映画版では観客に語りかけてくるようなデッドプールなので、VRゲームでも“自分=俺ちゃん”として戦うプレイヤーに対して語りかけまくり。デッドプールは現実とバーチャルの壁も気にしないのだ!
人が懸命に戦っている最中に「You got the touch, You got the power!!」とスタン・ブッシュの曲『ザ・タッチ』(1986年のアニメ映画『トランスフォーマー ザ・ムービー』の挿入歌として有名)の一節を引用したジョークをかましてきたり(もちろんコントローラーのTouchと元の歌詞がかかっている)、「よぉ、一応言っとくけど俺ちゃん意外と死なないからな」と周知のことを助言してくださったり、正直ちょっとウザいのだが、それでこそデップーである。
『マイティ・ソー』のロキと『GotG』のロナンが出現
今回プレイしたミッションは3フェーズに分かれており、まずは中央のジェネレーターを攻撃してくる敵を倒していき、次にそのジェネレーターを始動させるための燃料をマップ外周から回収してセット。そしてラストはジェネレーターが動くまで耐える……という内容。
そして最終フェーズでは、ボスが2体登場。もちろんマーベルユニバースからの参戦で、今回は『マイティ・ソー』のロキと、映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』に出てきたロナンが出現。これがまぁめちゃくちゃ強力で、広範囲スキルを使ってきたりもするので、ヒーローたちは続々ダウン。
ヴィラン(悪役)にボコボコにされまくり、ボイスチャットでともにプレイした海外記者から「シ●ト」、「ファ●ク」といった言葉が飛び交う惨状ではあったが、最後はギリギリ逃げ切ってなんとかクリアー。最後はVR記念撮影もできた。
とまぁそんな感じに、(悲惨な終盤はともかく)ヒーローになりきって暴れまくって楽しんだわけだが、懸念点を挙げるならば、VRゲームで複数人が揃うのはまだなかなかキツいと思うので、ソロプレイ可能な部分の内容を充実して欲しい。また、どうしても常時動き回らずに足を止めての戦いになりがちで、ややスピード感に欠けていたのも気になるところ。まずは今後の参戦ヒーローやモードの発表などに注目といったところだろうか。