アメリカのカリフォルニア州サンノゼで、VRヘッドマウントディスプレイを展開するOculus VRの開発者向けイベント“Oculus Connect 4”が開催中。会場で『Blade Runner 2049: Memory Lab』を体験してきたので、プレイ映像とともにご紹介しよう。
『Blade Runner 2049: Memory Lab』は、初日の基調講演で発表された提供予定コンテンツのひとつ。PC用VRヘッドマウントディスプレイのRiftで10月19日に、モバイルVR機のGear VRで10月26日に配信予定だ。
その内容は、主人公はとある事件に関連し、ホログラフィックの女性AIの助けとともに、自身の電子記憶の検証に協力するというもの。映画「ブレードランナー2049」の世界を体験できる。
プレイ要素としてはちょっとしたミニゲーム程度で、本格的な推理アドベンチャー的な要素はなく、全体は20分程度。記憶から再構成されたシーンをスキャンして捏造された部分を暴いたり、後半ではいかにもブレードランナー的なアジアンジャンク街に出て、事件の現場にいたと思われる目撃者の情報を集めたりしながら、背後に潜む黒幕に迫っていく。
オープニングのスピナー(ホバーカー)で説明を受けるシーン以外、話の9割は(記憶検証を行うための)仮想空間で展開されるのだが、その映像表現がちょっと面白い。
恐らく俳優をさまざまな角度から撮影して、テクスチャーとして3Dモデルに貼り合わせるという手法を取っていて、基本的には実写風のキャラクターとCGの背景という組み合わせ。でも両者のブレンドはあんまり考慮されておらず、実在感が異なるふたつの絵が一画面の中に同居しているのだ。
昔で言えば90年代の実写ビデオを使ったアドベンチャーゲームや、TPS『マックス・ペイン』の初期作品のような違和感のある表現なのだが、そもそもこれが本物と偽物が入り交じるブレードランナー世界の作品であり、さらに(改ざんの疑いがある)電子記憶を後から再検証するという話なので、その“本物らしい嘘くささ”が逆にハマっている(身も蓋もないことを言えば、それがオーケーな設定であることが、恐らくGear VRにも対応するための処理軽減や製作工程の効率化にもなっていると思う)。
とまぁそんな感じに、あくまでプロモーション用の小品ではありつつも、ブレードランナー的な世界を味わえる本作。個人的にはこういった感じを拡張してフルゲームを作ってくれないかなぁというところ。なお映画“ブレードランナー2049”の日本公開は10月27日からとなっている。