アメリカのカリフォルニア州ロサンゼルスで、現地10月6日から8日にかけて行われたインディーゲームイベント、“IndieCade”。そこで出展されていた、Studio Beanによる音楽ゲーム『Overpass』を紹介しよう。
『Overpass』の基本は、音楽ゲームのよくある例に漏れず、音楽に合わせて(ただし下から上に)動いてくるシンボルに合わせてボタンを押せばオーケー。ステージが進むに連れて、ボタンの長押しとか、左右の入力も組み合わせることになったりするのも、よくある感じだと思う。
本作がユニークなのは、本作が3Dグラフィックで構成される、仰向けに見て流れていく“景色”をキーにしていることだ。次々とくぐっていく門や橋などにシンボルが描かれていて、それに合わせてボタンを押す内に、音楽+入力に加えて、景色にまでシンクロ感を感じるようになる。
ケミカル・ブラザーズ“Star Guitar”的効果
2000年代のテクノや変わったミュージックビデオが好きな人なら、ケミカル・ブラザーズの“Star Guitar”のミュージックビデオを見たことがあるかもしれない。
ミシェル・ゴンドリー監督によるこのミュージックビデオでは、実写映像を巧妙に加工することで、田舎を走る特急列車の車窓から見える建物や信号機などが、(普通そんな都合よく建ち並んでいるわけないのに)曲のドラムやシンセとシンクロして現れるという視覚効果を生み出していた。
『Overpass』は、まさに“Star Guitar”的な視覚効果によるシンクロ感や浮遊感をうまく活かしたゲームだ。サウンド面を手掛けているMakeup and Vanity SetとPower Up Audioの仕事もかなり効いていて、シンセウェーブあり、テクノありで質も高い。
こういう設計である以上、高難度ステージを求める音ゲーマーが好む高速&連符が続いたりする展開を作るのは難しいかもしれないが、その分シンクロ感の気持ちよさ優先で作っていくのだと思われる。
まだIndieCadeに合わせて発表されたばかりで、対応プラットフォームや発売時期などは未定だが、気になる人は公式サイトからメーリングリストの登録などを行ってみてはいかがだろうか。