アーケードには久々の登場! ”モータースポーツ”ベースのレースゲーム

 『SWDC』は日本最高峰のモータースポーツ、SUPER GTをフィーチャーしたレースゲーム。プレイヤーは実在するGT300、GT500の車両に乗り込み、レースに参戦。これまでのアーケードのレースゲームに比べて同時に対戦できるプレイヤーが多いのも特徴で、店舗内とオンラインでのマッチング、あわせて最大10人が同時に出走するレースが楽しめる。

SUPER GTのドライバー気分を味わえる完全新作、『SEGA World Drivers Championship』プレイインプレッション_10
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▲今回のロケテストではGT300クラスの3車両、“TOYOTA 86”、“TOYOTA PRIUS”、“SUBARU BRZ”が運転でき、Aimeカードを使って全3コースをひと通り走り終えると、GT500クラスのテスト車両3種がアンロックされるという形式だった。

 『SWDC』をプレイして、というより筐体を見てまず目を引くのが、このゲームのために作られた専用のハンドル。実際のレースマシンで採用されているハンドルを模した形状と重量感、そして機能が搭載されており、ハンドルまわりを触るだけでも“レーサーっぽさ”を感じさせてくれる作りになっている。

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▲ハンドルは、裏側にパドルシフトがついているのが最大の特徴。正面のボタンは、自車後方の確認や視点変更の際に使用する。
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▲シフトチェンジはパドルシフトだけでなく、従来のレバータイプでも行える。
▲運転中に、視線をほぼ動かすことなく目に入る位置に置かれたインジケーター。

 実在のレースを題材にしているということもあって、クルマの操作はグリップ走行がメイン。コーナリングではドリフトではなく、ブレーキでの減速とハンドルを切るタイミングが重要なタイプのレースゲームになっている。
 一方でゲーム的なギミックも用意されており、うまくコーナーを曲がれたり、適切なシフトチェンジができたりすると、“DRIVERS’SKILL”というゲージが増加し、レース終了後の評価が上がるというスコア要素に近いシステムや、いいプレイが決まるたびにドライバーを褒めてくれるチームスタッフの無線ボイスなど、プレイヤーを気持ちよく走らせてくれるための演出も随所に入れられている。

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▲自分のドライビングテクニックを磨くという、順位争いとは別のベクトルでの指標に役立ちそうなDRIVERS’SKILLゲージ。

 また、レースゲームをそれほど深くやりこんでいない(家庭用のハイスペックなハンドルコントローラーを持っていない)自分のようなプレイヤーにとっては、パドルシフトを使った運転も新鮮だった。パドルシフトだと、手を離さずボタンを押すような感覚でシフトを変えられるので、マニュアル操作が非常に楽。さらに、『SWDC』はインジケーターのタコメーターが光ってくれるため、シフトを上げるタイミングがわかりやすいのも助かった。いままではオートマ限定でレースゲームを遊んでいたプレイヤーも、『SWDC』をプレイする際にはパドルシフトでのマニュアル操作で、レーシングドライバーっぽさを体感してみることをオススメしたい。

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▲グラフィックと専用ハンドルの相乗効果で、ゲームへの没入感はかなり高い。とくにキツいカーブへ入る際などにハンドルを大きく切るときにかかる負荷や振動は、実際に高馬力のクルマを運転しているのに近い感覚だった。
▲テスト走行会はセガ秋葉原1号館(6台)、セガ池袋GIGO(4台)で、7月30日まで実施される。

『SWDC』プロデューサーミニインタビュー

――まずは『SWDC』が制作された経緯、そして題材をSUPER GTにした理由について教えてください。
P セガ内でモータースポーツのレースゲームを作ろうという声があって、そこからSUPER GTに決まったという流れですね。SUPER GTに決まったのは、私が好きだったからだった(笑)というのもありますけど、実際のSUPER GTのゲーム性も大きいですね。SUPER GTはGT300とGT500、パワーの違うふたつのクラスのクルマが混じって走る点が混戦を生んでおもしろいので、そこを再現したいなと。

――プレイヤーの参加人数を10人にしたのは?
P とにかく多人数で遊べる、つなげられるだけつなげた結果が10人だったという形です。基本的にマッチングは店内プレイヤーどうしを優先しているので、いっしょに来た友だちと同じタイミングでゲームを始めれば、必ず同じレースを走れるようにしています。店内対戦と全国対戦のおもしろさをミックスしている感じですね。

――最大10人での対戦が成立した場合、CPUが操作するクルマの扱いはどうなりますか?
P レースを走るクルマは全部で35台(ロケテスト版。正式稼働時には45台になる予定)と決まっていて、その中の10台がプレイヤーの操るクルマになるという形です。また実際のSUPER GTに近い仕組みになるように、35台のうちGT500は15台、GT300は20台がエントリーされるようになっています。

――レースゲームは、クルマの挙動をリアルに再現するシミュレーター寄りにするのか、それとも、たとえばドリフトを多用するようなゲームらしい動きに振るのかという割合が難しいように思うのですが。
P グラフィックはアンリアルエンジンを使っていて、いままでのアーケードレースゲームにはないレベルのリアルさになっていますが、ゲーム性は完全にシミュレーター寄りにならないように、すごく気をつけています。フラっとゲームセンターに遊びに来て、10人でワーイと楽しめるという点も重視しているので、後ろ(順位の低い)のクルマにはスピードアップ等のアシストが入ります。その辺はかなり“ゲーム”にさせてもらっていますね。5位、6位でも楽しかったレース展開になるように調整をしていくつもりです。

――ほかのレースに比べてハンドルに重厚感があり、ハンドルを切るのにパワーがいるように感じましたが、これは題材のSUPER GTを意識してのことですか?
P ある程度レーシングマシンを意識はしているのですが、あまり重くしすぎてもお子さんが運転できなくなってしまうので(笑)、そこはいいバランスで調整していきたいですね。

――レース中にいいコーナリングやシフトチェンジをすると褒めてくれるボイスが流れますよね。あれは実在のレースチームの監督だったりスタッフの方の声なのですか?
P チーム名やクルマは実在のものですが、声は違います(笑)。『SWDC』のプレイヤーはレースチームの一員、ドライバーとしてクルマに載せてもらっているというスタンスなので、チームメンバーが無線で話しかけてくる演出を入れました。それから、特定の状況になると声が流れるだけでなく、ハンドル部分の赤いボタンを押してもらうことで、アドリブでいろいろ言ってくれます。その辺でもレーサー気分を味わえるようにしています。

――シフト操作が2種類ありますけど、効果そのものは同じですよね?
P はい。パドルとレバー、どちらを使っていただいても大丈夫ですし、レース中に切り替えたり、さらにオートマに戻すこともできます。

――今回ロケテストに収録されている3コースは架空のコースですか?
P そうです。製品版ではオリジナルコースのバリエーションを増やすと同時に、実在のコースが入る“かも”しれません(笑)。クルマは、2017年度のSUPER GTに登場した全車両を入れたいなと思っています。ですので、今回黒いテスト仕様で出ていたGT500の3台も、実際と同じペイントがされた状態で登場する予定です。

――現実のペイントが反映されるということは、たとえば初音ミクのペイントのクルマ(グッドスマイル 初音ミク AMG)も出てきたり……?
P どこまでできるかはまだわかりませんけど(笑)、できるだけGTのチームは入れたいと思っています。

――本稼働の時期はいつごろになりそうでしょうか? また稼働後の展開、たとえばSUPER GTとのコラボ企画などの予定はあったりしますか?
P 稼働は2018年中を目指して……という形です。コラボに関しては、まだ具体的には何も決まってませんが、SUPER GTを運営する母体とは密にやり取りはさせていただいているので、何かいっしょにできればいいなとは思っています。

――では最後に今回のロケテスト、また稼働に向けてひとことお願いします。
P 久々にアーケードでモータースポーツが題材のゲームが出るということで、いまのレースゲームを遊んでいる方とあわせて、過去にこういったゲームを遊んでいた人にも楽しんでほしいなと思います。