『キングダム ハーツIII』D23 Expo 2017発表内容についての野村哲也氏のインタビューを全公開

2017年7月14~16日(現地時間)にアメリカ・アナハイムで開催されたディズニーのイベント“D23 Expo 2017”で、最新情報を公開した『キングダム ハーツIII』。ディレクターを務める野村哲也氏に、その発表内容についてや、同氏が携わるそのほかのタイトルについて直撃した。

■週刊ファミ通掲載のインタビューを公開

 2017年7月14~16日(現地時間)にアメリカ・アナハイムで開催されたディズニーのイベント“D23 Expo 2017”で、2018年発売のアナウンスや、『トイ・ストーリー』のワールド実装などの最新情報を公開した『キングダム ハーツIII』(以下、『KHIII』)。ディレクターを務める野村哲也氏に、それらの発表内容や、シリーズ15周年を記念して開催されたオーケストラコンサートにてお披露目されたPV(以下、オケコンPV)についてうかがった。さらに、同氏が携わるそのほかのタイトルについても直撃!

※本インタビューは週刊ファミ通2017年8月3日号(2017年7月20日発売)に掲載されたものです。

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▲野村哲也氏(インタビュー文中は野村)。

■絶対に必要だった『トイ・ストーリー』

――ついに発売時期がアナウンスされました! 2018年とのことですが……いつごろになりそうでしょうか?

野村 さすがに続報をお待ちください(苦笑)。

――わかりました(笑)。では、D23でお披露目されたPVや、オケコンPVの内容についてお聞きしていきます。両PVとも、同じ文言が印象的に使われていましたが、あれにはどんな意図が?

野村 あのコピーは両方のPVを編集してから入れたのですが、ソラが勢いよくダイブしたり、滑ったりするアクションから始まるので、“飛び込め”という言葉で締めたかったというのがあります。それを踏まえ、『KH』のもともとのコンセプトに立ち返った、原点的なコピーを考えました。

――今回のPVのとくに大きなトピックは、やはり『トイ・ストーリー』のワールドの公開です。待ち望まれていただけに、「ついに来た!」という感じですね。

野村 自分としても、それこそ『KHII』のころから入れたかったワールドなので、今回ようやく実現できて、感慨深いものがあります。『KHIII』には絶対に『トイ・ストーリー』のワールドが必要だと、交渉を重ねてきたんです。『KH』1作目を立ち上げたときのように、関係各所に話をしてまわって……長かったですね(笑)。ジョン・ラセター監督とも、来日されているときにお会いできて、どんなワールドの仕様を考えているのか聞かれ、入れたい要素などを伝えたりしました。

――時間軸としては、『トイ・ストーリー』の1作目にあたるのでしょうか。

野村 『トイ・ストーリー』のワールドは、オリジナルのストーリーのどこかを切り取って、そこにソラたちが絡む形ではなく、2作目の後が舞台となります。設定としてはパラレルではありません。『トイ・ストーリー』シリーズの時間軸上に、『KHIII』での出来事も含まれることになります。

――ある意味、『トイ・ストーリー』の新作と言えるかもしれませんね。ここではどんな物語が展開するのでしょうか。

野村 冒頭部分では、ソラがこの世界で発売される最新のゲームのキャラクターに間違われてしまいます。PVには入っていないのですが、恐竜のおもちゃであるレックスがソラを見て、そのゲームキャラクターと勘違いするんです。

――ソラが、そのキャラクターのおもちゃだと思われるんですね。ソラたちのデザインもおもちゃ風で新鮮です。

野村 『KH』チームのアートディレクターがデザインし、先方とのやり取りを重ねて、いまの形になりました。最初は、もっとアクションフィギュアに近いデザインを希望していたのですが、先方から、より『トイ・ストーリー』の世界観にマッチしたデザインになるように、いろいろアドバイスをいただいて、現在のデザインが落としどころになりました。このワールドが形になるまで、ストーリーや設定、キャラクターなど、『トイ・ストーリー』の各分野を担当する方々から、たくさんのご提案をいただきました。こちらも先方もこだわりが強いので、お互いに納得のいくところに落ち着くまで、きちんと時間をかけてディスカッションしています。

――そのためか、ウッディとバズを始めとする『トイ・ストーリー』のキャラクターたちも、オリジナルのアニメ作品そのままの印象です。

野村 サンプルとなるデータはいただいていたのですが、ゲームの中でここまで再現されるとは思わなかったようで、あちらのスタッフも相当驚かれていましたよ。このように、これまでの『KH』より表現力がかなりアップしたことで、それぞれのワールドでは独自のビジュアル表現を行っていて、ギミックなども異なります。ゲームを何本も同時に作っているようなもので、たいへんなんです(苦笑)。

――それは確かに手間が掛かりますね。ちなみに今回、『トイ・ストーリー』をD23で公開したのには、何か理由があったのでしょうか。

野村 このワールドは、わりとできあがっていて、前々からお見せできる状態ではあったのですが、ディズニーさん側の意向や宣伝プランもありますので、ここまで伏せていました。人気の高い作品ですし、どこで発表するのがベストかを協議して、D23がふさわしいだろうと。前回のD23で『ベイマックス』のワールドを公開しましたが、あのときは急なリクエストでイラスト1枚しかお出しできなかったので、今回は映像でご覧いただきたいと思っていました。

――その『ベイマックス』のワールドも、気になっているファンは多いと思います。近いうちに続報はありそうでしょうか?

野村 順調に進んでいますが、最後に決まったワールドということもあり、ほかと比べるとまだ先になりますね。

■変形は開発スタッフのアイデア

――バトルシーンでは、戦いかたに応じて、フォームやフィニッシュ技のコマンドが複数表示される様子を確認できました。『KH0.2』(『KH0.2 バース バイ スリープ -フラグメンタリー パッセージ-』)に近しいシステムになっていますが、選択肢が5個同時に出てきたりと、取れる戦術がさらに広がっているようです。

野村 今回のバトルでは、あれをやりたかったんです。つねに選択肢があり、それを取捨選択しながらバトルを進めていく。どういう順序でコンビネーションを組み立てていくかという、戦術的な楽しさがあります。一見すると難しく思えるかもしれませんが、従来通り簡単な操作で派手な技が出ますし、適当にボタンを押しているだけでもどんどん技が変化していくので、そこは安心してほしいですね。

▲『KH0.2』と同様、『KHIII』では、コンボに使用した技や魔法の属性などに応じて強力なフィニッシュ技のコマンドが出現する。この画面では“ファイガン”の表示のみ確認できるが、立ち回りかたによっては複数のコマンドが並ぶことに。

――キーブレードの変形が派手ですし、変形と同時に衣装(フォーム)も変わるので、画面が華やかなのも印象的です。

野村 各キーブレードの特徴によって、いくつかのフォームに分類されています。キーブレードは、これまでのように入手できるワールドごとにテイスト変えていて、もちろん特定のワールドでのみ使えるというものではなく、フォーム含め、ほかのワールドでも自由に使えます。

――トイ・ストーリー』のキーブレードはハンマーとドリルに変形していましたが、とくにドリルのインパクトが大きかったです。

野村 オケコンPVの最後にシルエットのみで見せていたのが、このドリルの変形でした。キーブレードがどう変形するかは、すべてスタッフから出たアイデアなのですが、ドリルはまだいいほうで……。変形のパターンはどのキーブレードもカブっておらず、突拍子のないものになったりします(笑)。

――ヘラクレスのワールドのキーブレードは盾に変形しますが、以前の情報を踏まえると、ソラはこのとき“ガードフォーム”になっているんですよね。そのわりに、ガードしないで盾で殴っているような?

野村 あれは、正式にはガードフォームではなく、“ガーディアンフォーム”になりました。“守護者”のフォームということで、盾は攻撃にも用います。グーフィーが盾で戦うのと同じです(笑)。巨大な腕が出現してパンチを見舞う攻撃があったと思うんですが、あれは盾ならではと言えるカウンター技になっています。もちろんカウンターとは別に、迫力のあるフィニッシュ技も用意していますよ。

――キーブレードは、形態によってアクションがかなり違うので、ボス戦などでは相性によって攻略のしやすさが変わりそうです。

野村 ある程度の相性のよし悪しは出てくると思いますが、これでなければ倒せないとか、攻略法を限定するようなことにはなりません。プレイヤーの好むバトルスタイルや、使いやすさで選んでいってもらえれば大丈夫です。