『WWE』シリーズや新プロジェクト“AR performers”で時代をリードするユークスを訪問【ファミキャリ!会社探訪(50)】_09

“ファミキャリ!会社探訪”第50回は、ユークス!

 ファミ通ドットコム内にある、ゲーム業界専門の求人サイト“ファミキャリ!”。その“ファミキャリ!”が、ゲーム業界の最前線で活躍している、各ゲームメーカーの経営陣やクリエイターの方々からお話をうかがうこのコーナー。第50回となる今回はユークスを訪問した。
 1993年に設立されたユークスは、とくにアクションゲームの開発に定評があるデベロッパー。なかでも『WWE』シリーズは、世界中のWWEユニバースから熱い支持を受けており、最新作『WWE2K17』も大ヒットを記録。同社を代表する看板シリーズだ。一方で、2016年10月に入社した内田明理氏による“ウチダラボ”では、AR(拡張現実)を巧みに使ったプロジェクト“AR performers”を展開。いままでになかった新時代のライブエンターテインメントが人気を集めている。今回は、その内田明理氏に話を聞いた。


必然だった内田明理氏のユークスへの入社

『WWE』シリーズや新プロジェクト“AR performers”で時代をリードするユークスを訪問【ファミキャリ!会社探訪(50)】_02
ユークス
プロデューサー
内田 明理氏

――まず、内田さんの経歴から教えてください。ゲーム業界に入るきっかけや志望動機、そして現在に至るまで、簡単にお答えください。
内田明理氏(以下、内田) 大学時代は、ほとんどゲーム業界とは関係のない経済学部に在籍していました。ただプログラマーのアルバイトをやっていたこともあり、技術系の就職情報誌で会社を探したところ、縁あって前職に就職することになりました。

――プログラマーとしてですか?
内田 はい。ただ、ゲーム関連のプログラマーではなく、テレビにパッドを使って絵を描くような、知育玩具を開発する部署に配属されました。その後、プレイステーションなどの新しいゲーム機が発売されるタイミングで、全社を上げてゲーム開発に力を入れることになり、ゲーム開発に携わることになりました。ゲーム開発の知識や経験はゼロだったのですが(笑)。

――ゲームはお好きだったのですか?
内田 もちろん嫌いではなかったのですが、熱烈にではなく、一般的な“好き”と言うレベルでした。『ドラゴンクエスト』シリーズの新作が出たら興味を持つし、『ストリートファイターII』もふつうにプレイしていた……という感じですね。

――経験のなかったゲーム開発という仕事は、いかがでしたか?
内田 子どものころから、オリジナルの遊びを考えるのが好きでした。ですから、全然自分の肌に合わないということはありませんでした。エンターテインメントというジャンルは自分に向いていると思っていました。ただ、自分がそれまでやってきたPCベースのグラフィックのプログラミングとはまったく違うものでしたから、最初はやはり苦労しました。しかし、プレイステーションは、ほかのプログラマーも新しいハードについてイチから勉強していたので、同じ条件でしたね。

――ユークスに転職することになった理由をお聞かせください。
内田 ユークスとは、前職時代に“女子プロレスを題材にしたゲーム”(※編集部注:『ランブルローズ』)の開発でごいっしょした縁がありました。前職では、外部のデベロッパーさんと仕事をすることが多かったのですが、中でもユークスはとても印象に残っていました。ほかにあまりない会社というか、アメリカのような会社という印象で、働くときは猛烈に働くし、休むときは長期で休むという。社員もロードレースやダンスバトルなど、いろいろな趣味を持っています。そしてプロ意識がとても高く、勉強させてもらうことが多かったです。いっしょに開発をした人たちとは、その後も飲みに行くなど、付き合いは続いていました。

――そう考えると、長い付き合いですね。
内田 ユークスに転職することにした決め手は、そんな長い付き合いがあり、社風がわかっていたということ。それから前職を辞めたときに、フリーでプロジェクトを組んでいろいろなことをやろうと思っていて、いま手掛けている“AR performers”もそのひとつでした。ただ、ゲームとはまた違ったものなので、なかなか理解が得難いものでした。しかし、ユークスに話を持ってきたとき、「それはおもしろそうだから、ウチでやっていいよ」と言ってもらえたんです。「目立つことやおもしろそうなことをやってほしい」という話になり、「じゃあ、ぜひ」とお世話になることにしました。生活も不安でしたから(笑)、お給料をいただいて、こんな実験的なプロジェクトをやれるなら願ってもないチャンスだと思いました。

――そういう意味では、理想的ですね。
内田 そうですね。おかげさまで、理想的な環境で働くことができていると思います。