ホスト役の女性が鳴り止まない拍手に対して銃を発砲するところからスタート
『Hotline Miami(ホットライン・マイアミ)』、『Enter the Gungeon(エンター・ザ・ガンジョン)』などのタイトルで知られるインディーゲームパブリッシャーDevolver Digital。2017年6月12日(日本時間)、同社初のE3プレスカンファレンス“Big Fancy Press Conference 2017”が開催された。その模様がYouTubeにアップロードされたので紹介していきたい……のだが、その前に諸注意を。一般的なゲームメーカーのカンファレンスだと思って観ると度肝を抜かれること間違いなしなので注意されたし。笑いあり、流血(?)あり、グロテスクありと、Devolver Digitalらしい狂気に満ちた衝撃的な内容となっているので、残酷な表現が苦手な方や18歳未満の方は閲覧を控えてもらいたい。
●Devolver Digital - E3 2017 Press Conference
カンファレンスは“チーフ・シナジー・オフィサー”という怪しい役職の女性、Nina Struthers氏(女優Mahria Zookが演じる)が登場し、鳴り止まない拍手に対して銃を発砲するところからスタート。1秒に1回「Very」と言いながら中身のないトークでカンファレンスを進行し、「今夜お伝えするのは、皆さんが稼いだ金を差し出してもらうために考えた巧妙な手口」と述べ、会場からの歓声を得る。そして、カンファレンスらしく『Ruiner』の新たなトレーラー映像が流された。『Ruiner』がどんなゲームなのかは、下のトレーラーを参考にしていただきたい。
●RUINER - Announcement Trailer
さて、トレーラーが流れ終わるとNina氏に代わり、激しく情熱的なジェスチャーでスピーチを行うMilo Lowrie氏が壇上に登場。ゲームプレイ中、画面に向かって紙幣を投げ込むと入金が行えるという“Devolver Digital Screen Pay”なるシステムを紹介するMilo氏。ステージ上で実演を行うものの、モニターに近付きすぎた男性の腕が札束とともに飲み込まれてしまうというハプニングが……。惨状を目にした観客からはまさかの大歓声。客席からの熱狂的な拍手を受け、スクリーンには『Serious Sam's Bogus Detour』のトレーラー映像が流れる。
●Serious Sam's Bogus Detour - Gameplay Trailer
続いて、ゲーム開発者の頭の中にアイデアが浮かびさえすればそのゲームが入手できるという“Devolver Digital’s Earliest Access”が紹介された。すでに本プロジェクトはスタートしているということで、グラスホッパー・マニファクチュア須田剛一氏からのビデオメッセージが流れる。
「えーと今日なにしゃべるんだっけ? え? Devolver Digital? 知らない知らない。聞いてないよそんな話。なにそれ、ぜんぜん知らない。こっちは忙しいから。ダメだよ、勝手に映さないで」とまったくコミュニケーションが取れないまま映像は終了。だが、Nina氏は「ワンダフル!」を連呼しながら何事もなかったように新たなシステムを発表する。それは、ゲームに対する苦情や思いつきが実際のゲームに反映されるという驚きの発明“Devolver Comment Created Content”。声を荒げながら激しくスピーチを行うNina氏。だんだんとエキサイトするNina氏に反応するかのように、鼻からは血が流れ始め「ゲーム業界の未来は未来は未来は未来は……」と壊れたレコード針のように「Future」と叫び続けるNina氏。このあと衝撃的な結末を迎えるのだが、明言は避けよう。デヴィッド・クローネンバーグ監督の映画『スキャナーズ』を彷彿とさせるラスト、と言えば理解していただけるかもしれない。
新発表はなにもなく、Devolver Digitalらしさが詰まりに詰まった突き抜けた内容の“Big Fancy Press Conference 2017”。モキュメンタリーならぬ“フェイクカンファレンス”と形容すべきものだが、楽しんでいただけただろうか? 筆者もそうだが、このカンファレンスに共感できる人は、Devolver Digitalが送り出すタイトルを心の底から存分に楽しめるはずだ。