国産インディーゲームの注目作を紹介
2017年5月14日(日)に東京・UDXアキバ・スクエアにて開催された“TOKYO SANDBOX 2017”内イベント“東京インディーフェス 2017”。今回は、担当記者が独断で選んだ“これをチェックしておけばちょっと“通”ぶれそうな、国内デベロッパータイトル”を紹介する。
【関連記事】
担当記者の独断リポート(1) 押さえておきたい定番インディータイトル編【東京インディーフェス 2017】
Armchair Detective/ADVangelist
10代の個人ゲーム開発者・ぜろあや氏が制作している尋問ザッピングアドベンチャーゲーム。プレイヤーは私立探偵の立場で、ひとつの事件に関する複数の参考人の証言を聴取し、内容の矛盾を発見し突きつけることで、解決に導いていく。独特のタッチが魅力的なキャラクターデザイン、矛盾を指摘する時のベタながら痛快な画面演出など、キャッチーな要素が詰まっている。
今回出展されていたのは、完成間近という第1話(※想定プレイ時間1~2時間)の体験版。順をおってプレイすることで、基本的なシステムを把握できるようになっている。本作はフリーゲームダウンロードサイト”ふりーむ!”で、近日公開予定。
UNREAL LIFE/hako 生活
日本国内ではマイナーなゲームエンジン“Love2D”を使用してゲームを開発している個人デベロッパー。すでにiOS/Android版がリリースされているパズルゲーム『COLOR FINDER』と、現在制作中の新作『UNREAL LIFE』の体験版が出展されていた。後者は、記憶喪失の少女を操作して、フィールドで見かけたさまざまなモノの記憶をたどりながら、“失われた真実”を取り戻してくアドベンチャーゲーム。完成はまだまだ先のようだが、無機物とコミュニケーションをとれる不思議な物語世界や、一枚絵風に作成された背景のドットグラフィックなど、注目すべき点は多い。
フィンガーバトルサモナー/Wizard Tortoise Games
スワイプ操作による直接攻撃をメインとした、Android用タワーディフェンスアクションRPG。ひとひねり効いたゲーム性もさることながら、わらわら出てくる敵のグラフィックに、単にシンプルなドット絵以上の魅力を感じる。ブースにいたWizard Tortoise Games代表のプログラマーに尋ねてみたところ、ゲームボーイ時代からコンシューマゲーム制作に携わっているベテランのデザイナーが、ピクセルアートを担当しているとのことで、納得。世代の異なるクリエイター同士のつながりが作品からほのかに感じられる点もまた、インディーゲームの醍醐味だ。
ノナプルナイン 被験体:999999999/ノナプルナイン開発チーム
当初は成人向けゲームとして開発されていたが、ユーザーの要望に応える形で全年齢版中心の開発体制にシフトしたという変わった経緯をもつ作品。ゲーム内容は、ドローンカメラから送られてくる被験体少女の様子を監視しながら、自身が監禁されている部屋からの脱出を試みる……という、一風変わったスタイルの探索アドベンチャーゲーム。被検体少女とのゆるいコミュニケーションを楽しみつつ、人体実験をテーマにしたホラーテイストのシナリオを堪能できる。シナリオはすでに完成しているものの、システム組み込みなどにまだまだ時間がかかるとのことで、リリース時期は未定。
フォボス・チルドレン/Mirai-Labo
スペイン人男性と日本人女性の夫婦を中心とした4人のメンバーが、ゲーム制作経験ゼロの状態から4年近くかけて開発したタップアクションゲーム(基本プレイ無料)。同色のボールを3つ連続でタップして消していけばオーケー……というシンプルルールながら、ステージが進むごとに、かなり本気の指さばきと攻略が要求される。メインのストーリーモードは、ステージの合間に、人間とメカ、そして“神”が次々と登場するSFストーリーが展開する。