国内初の大規模オープン大会がついにフィナーレ! 決勝戦は必見!!
2017年5月14日、『ハースストーン』大型オープン大会“Hearthstone Japan Major”決勝大会が東京テレビセンターで開催された。本稿では、準決勝、決勝の模様をお届けする。
“Hearthstone Japan Major”は、世界中から集まった256名の選手が“最強”の称号と賞金総額100万円をかけて激闘をくり広げる『ハースストーン』の大型大会。決勝では、4月15日、16日、21日、23日の4日間にわたるオンライン予選を勝ち抜いた8名の選手が一堂に会し、しのぎを削った。
まずは決勝大会のルールをおさらい。各プレイヤーは、準決勝までは異なるヒーローのデッキを4つ用意して臨み、対戦相手のデッキをひとつBAN(使えないようにすること)できる。1度勝利したデッキは同じ相手には使用できずBANされていないすべてのデッキで勝利を収めたプレイヤーが勝ち抜けとなる。デッキを使う順番は自由なうえ、デッキはすべて公開されているので、対戦相手が決まった時点で「どのデッキをBANするか」、「どの順にデッキを使うか」という戦術の組み立ても勝敗に大きく影響する。決勝では、用意するデッキは5つ(BANはひとつ)となり、4つのデッキで勝利したほうが優勝だ。
プレイヤーの多くは日本、韓国、台湾からの参加だったが、ブラジル、イギリスやニュージーランドからの参加者も見られた。決勝大会に残った8名と順々決勝の組み合わせは以下の通り。各プレイヤーが使用したデッキはこちらで公開されている。
・準々決勝の組み合わせ
wing(日本)
MATSURI(日本) ★勝ち
Tansoku(日本) ★勝ち
Wainingmoon(フィリピン)
jjangnara(韓国)
Pinpingho(台湾) ★勝ち
tacici(日本)
BGIOU(台湾) ★勝ち
準決勝 pinpingho 対 BGIOU
使用デッキ
pinpingho:ドルイド、シャーマン、パラディン、ローグ(BAN)
BGIOU:ドルイド、メイジ、パラディン、ローグ(BAN)
・1ゲーム目:pinpingho(ドルイド)、BGIOU(パラディン)
台湾のプレイヤーどうしの対決、しかも昔からの友だちということでお互いの手の内を知り尽くしたカード(戦績はpinpingho選手の全勝とのこと)。序盤から攻めていきたいBGIOU選手だが、運に恵まれず静かな立ち上がりに。順調に翡翠のゴーレムを強くしていくpinpingho選手の攻めに耐え、BGIOU選手が2枚のマーロックの戦隊長を起点にして反撃に転じ、試合はシーソーゲームの様相に。しかし、盤面を制圧することを優先し続けたpinpingho選手がつぎつぎにくり出す翡翠のゴーレムの勢いが止まらず、pinpingho選手が勝利。
・2ゲーム目:pinpingho(シャーマン)、BGIOU(ドルイド)
翡翠デッキどうしの対決ということで、序盤からお互いに翡翠のゴーレムがメキメキと成長。しかし、スペルでミニオンを処理しつつ翡翠のゴーレムを展開できたpinpingho選手がハイペースでBGIOU選手を圧倒。しかし、pinpingho選手のミスプレイやBGIOU選手の希望の終焉 ヨグ=サロンの効果が重なり、あわや……という場面があったがなんとかpinpingho選手が勝利を収めた。
・3ゲーム目:pinpingho(パラディン)、BGIOU(ドルイド)
徐々に翡翠のゴーレムを育てていくBGIOU選手に対し、武器やスペルを積極的に使用して盤面の制圧を試みるpinpingho選手。中盤までは苦しい展開が続いたが、ガジェッツァンの競売人を惜しみなく使う積極さが功を奏し、形勢は徐々に逆転。猛攻を耐え続けたBGIOU選手が勝負を制した。
・4ゲーム目:pinpingho(パラディン)、BGIOU(パラディン)
長期戦になることを見据え、スローペースな試合運びを続ける両者。そんな中、先に盤面を有利にしたのはpinpingho選手。着々と頽廃させしものン=ゾスを出す準備を進めていたが、BGIOU選手が飢えたカニでpinpingho選手の秘策(救済)を暴くファインプレーを見せて五分の展開に。しかし、頽廃させしものン=ゾスの決定力はすさまじく、pinpingho選手が決勝の舞台へ。
試合を終えての感想として、第一声は「正直に疲れました」と率直なコメントが。「ミスプレイを巻き返す秘訣は?」との質問に対して、「致命的なミスでしたが相手のミスのおかげで生き延びました」と述べている。
準決勝 MATSURI 対 Tansoku
使用デッキ
MATSURI:ドルイド(BAN)、メイジ、パラディン、プリースト
Tansoku:ドルイド、メイジ、パラディン、ローグ(BAN)
・1ゲーム目:MATSURI(プリースト)、Tansoku(ドルイド)
Tansoku選手が3ターン目にガジェッツァンの競売人をくり出すも、MATSURI選手が冷静に処理し、太陽の破片 ライラから一気に仕掛けていく。窮地に立たされたTansoku選手は希望の終焉 ヨグ=サロンを出して形勢は逆転。そのままTansoku選手が勝利を収めた。
・2ゲーム目:MATSURI(パラディン)、Tansoku(メイジ)
序盤のTansoku選手の猛攻をしのいだMATSURI選手がペースをつかむ。……と思いきや、渾身の動物変身で厄介なケーアン・ブラッドフーフを処理したTansoku選手。しかし、
ストーンヒルの守護者でティリオン・フォードリングを引いたMATSURI選手が盤面を制圧。禁じられし癒しや光の王ラグナロスで体力を回復して勝利。
・3ゲーム目:MATSURI(プリースト)、Tansoku(メイジ)
両者とも慎重な立ち上がりながら、パイロスを利用してプレッシャーをかけつつ強力なカードを揃えていくのはTansoku選手。しかし、ガーディアン・メディヴを起点に一気に攻勢に出たMATSURI選手が勝利。
・4ゲーム目:MATSURI(メイジ)、Tansoku(メイジ)
先に盤面を制圧し、スペルを積極的にヒーローに使って攻め立てていくのはTansoku選手。そんな中、豊富な手札を利用し耐え続けたMATSURI選手は、9ターン目のアレクストラーザで反撃ののろしを上げるも、お互いのアイスブロックによって勝負は膠着状態に。ギリギリの勝負を制したのは、運命のドローを掴んだTansoku選手。
・5ゲーム目:MATSURI(メイジ)、Tansoku(パラディン)
序盤からTansoku選手が有利な展開が続き、MATSURI選手にとっては苦しい展開に。大魔術師アントニダスからの反撃を試みるも、禁じられし癒しによってTansoku選手の有利は動かず、そのままTansoku選手が決勝の舞台へ。
オープンベータから『ハースストーン』をプレイしているというTansoku選手。好きなデッキはアグロ(序盤から攻めまくること)で、ヒーローはやはりハンターが好み。勝利者インタビューでは「プレイミスをしないようにがんばります」と謙虚に答えていた。
決勝 Tansoku 対 pinpingho
使用デッキ
Tansoku:ドルイド、メイジ、パラディン、ローグ(BAN)、シャーマン
pinpingho:ドルイド、シャーマン(BAN)、パラディン、ローグ、メイジ
・1ゲーム目 Tansoku(メイジ)、pinpingho(シャーマン)
マナの潮のトーテムでたっぷりとカードを蓄え、翡翠の稲妻で攻め立てるpinpingho選手に対し、Tansoku選手は9ターン目にアレクストラーザで反撃。しかし、pinpingho選手はジンユーの水話士や温泉の守護者で体力を回復。Tansoku選手はガーディアン・メディヴで対抗するも、ハリソン・ジョーンズによってアティシュによって無力化。なんとか体力を削りきろうとスペルで攻め立てるTansoku選手をpinpingho選手の回復力が上回り、からくもpinpingho選手が勝利。
・2ゲーム目 Tansoku(パラディン)、pinpingho(メイジ)
早々にマナ・ワームを2体出し、積極的に攻め続けるTansoku選手に対し、体力を削られ続けながらも冷静に対処するpinpingho選手。有利を取るために、ミニオンが復活しない状態で頽廃させしものン=ゾスを出すというプレイを見せるも、つぎつぎと放たれるスペルに耐えきれず、押し切ったTansoku選手の勝利となった。
・3ゲーム目 Tansoku(ドルイド)、pinpingho(ローグ)
大会を通してBANされ続けてきたローグがついに登場。擬態の卵で段取りを2枚入手したpinpingho選手が5ターン目にクエスト達成、クリスタルコア使用の流れを決め、ローグの強さをまざまざと見せつけて勝利を収めた。
・4ゲーム目 Tansoku(ドルイド)、pinpingho(パラディン)
ペースを取られないように注意しつつ、翡翠のゴーレムを育てていくTansoku選手に対し、pinpingho選手はじっくりと立ち回る。そんな中、準備が整ったTansoku選手がガジェッツァンの競売人から一気に畳みかける。2枚の平等で巻き返しを図るpinpingho選手だったが、波に乗ったドルイドは止められずTansoku選手が勝利。
・5ゲーム目 Tansoku(パラディン)、pinpingho(メイジ)
終末預言者によって遅めの展開を強いられるのを嫌ったpinpingho選手は、惜しみなくスペルを使ってペースを握ろうとするも、Tansoku選手は武器や暴走コドーで対抗。その後も断末魔のミニオンを動物変身で処理し、カバールの飛脚でカザカスを確保して順調に見えたpinpingho選手だったが、炎の大地のポータルからビタータイド・ヒドラが出てしまい流れは一変。じわじわとダメージを受け、残り体力は15まで減少。スペルでのフィニッシュを試みるが、光の王ラグナロスで安全を確保したTansoku選手が優勝に王手。
・6ゲーム目 Tansoku(シャーマン)、pinpingho(メイジ)
決勝で初お目見えとなるTansoku選手のシャーマン。対するpinpingho選手は、序盤からマナ・ワームを2体出して攻めまくり、一気に体力を減らしてTansoku選手に何もさせることなく6ターン目で勝利。ゲームカウントは3-3となった。
・7ゲーム目 Tansoku(シャーマン)、pinpingho(パラディン)
序盤はお互いヒーローパワーを使うゆっくりとした立ち上がり。中盤は、ライトニングストームでpinpingho選手のくり出すミニオンを処理していったTansoku選手がペースを握り続ける。しかし、pinpingho選手は2枚の平等を立て続けに使用してTansoku選手の頽廃させしものン=ゾスを絡めた攻めをやり過ごす。さらに、pinpingho選手は先遣隊長エリーズのウンゴロパックで優秀なカードを引き入れ、ティリオン・フォードリングを盤面に出して流れを掴む。しかし、Tansoku選手にもしっかりと備えがあり、退化でティリオン・フォードリングを別ミニオンに変えようと試みる。ここでティリオン・フォードリングが断末魔を持つ満腹のスレッシャドンになってしまうというトラブルが発生。慌ててもう一度退化を使うも、今度もやはり断末魔を持つ魔獣が場に現れてしまう。ひとまずTansoku選手は火山噴火を使ってミニオンをすべて倒すことはできたものの、撤退した断末魔持ちミニオンが増えてきてpinpingho選手が頽廃させしものン=ゾスをくり出す準備が着々と整っていく。ここでTansoku選手は、ストーンヒルの守護者から持ってきた風の王アラキアで反撃。この時点でpinpingho選手の体力は6、Tansoku選手の体力は9と残りわずかだったが、禁じられし癒やしや光の王ラグナロス、超越者ハラジール、ジンユーの水話士などでまたたくまに体力は安全圏に。その後も一歩も引かずに盤面を取り合う両者だったが、十分に断末魔ミニオンを蓄えたpinpingho選手がくり出した頽廃させしものン=ゾスが決め手となり、長期戦を制した。
優勝直後のpinpingho選手を直撃インタビュー
――優勝おめでとうございます。いまの率直な感想をお聞かせください。
pinpingho選手(文中はpinpingho) どんどん上を目指していくきっかけになればうれしいと思っています。
――最後の試合はすごくエキサイティングな展開でしたが、勝ちを確信したタイミングはどこですか?
pinpingho じつは疲れていて最初からヘトヘトだったのであいまいなのですが、断末魔のカードが多く出せたのでひっくり返せそうだと思っていました。
――準決勝、決勝の両方でミスがあったとコメントしていましたが、今日のプレイに点数をつけるなら何点くらいですか?
pinpingho 10点満点で6点くらいですね。
――いちばんまずいとおもったミスは?
pinpingho 準決勝のときに体力回復する対象を間違えてしまったところですね。
――今回の大会でいちばん印象に残っている試合はどれですか?
pinpingho やはり最後のTansoku選手との試合ですね。
――Tansoku選手以外で注目していた選手などはいますか?
pinpingho ……。いません!
――今日に向けてどのような練習をしていましたか?
pinpingho たっぷりと時間を掛けて調査や研究を行っていました。そのおかげで、何とかミスをカバーすることができました。
――拡張パックが発売されて1ヵ月ですが、どのようなところが気に入っていますか?
pinpingho クエストや適応が追加され、遊びのバリエーションが増えているところです。
――相性などもあると思いますが、いまの環境でいちばん強いと思うデッキはなんですか?
pinpingho クエストローグです。
――いちばん好きなデッキやカードはなんですか?
pinpingho とくに好きなカードっていうのはないですね。どのカードもいいところがあるので。ヒーローはシャーマンが好きですね。
――初めて日本を訪れたそうですが、日本の印象はいかがでしたか?
pinpingho 最高です! 日本の食べ物やアニメが大好きなので。
――これから台湾に凱旋して何がしたいですか?
pinpingho やはり大会のためにたっぷりと準備してヘトヘトなので、帰ったら休みたいですね。
――最後にアピールなどあれば。
pinpingho これからも上からを目指してがんばります!
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