テクノがガンガン鳴り響くなか、音と光の洪水に没入!
Atari Jaguarなどで発売されたシューティングゲーム『テンペスト2000』や、Xbox 360などで発売された『Space Giraffe』など、知る人ぞ知るゲームをリリースしてきた、イギリスが誇る奇才ゲームデザイナー、ジェフ・ミンター氏。同氏が率いるラマソフトから、新作『Polybius』が海外でプレイステーション4向けにリリースされた。
『Polybius』の内容は、簡単に言ってしまえば『テンペスト2000』と同系統の奥スクロールシューティングゲーム。……と言ってもピンと来ない人が大半だと思うので説明すると、要はドラッギーなCGに囲まれた空間を敵を撃ちながら爆走し、プレイに応じてエフェクトがビュンビュン飛びまくり、ギラギラしたテクノBGMに合わせてサンプリングボイスがエフェクト付きで鳴り響くという内容。「ダメ、ゼッタイ」というキャッチフレーズが脳裏に浮かぶ。
しかも今回はPlayStation VRに対応しており、視聴覚をフルに没入して遊べる。実際トライしてみると、シラフで遊んでいるのに、音と光の洪水になかなかクるものがある(ちなみに光の点滅が激しいので起動直後には警告が出るし、実際点滅に弱い人にはまったくオススメできない)。BGMのテクノもCGも、昔VHSなどで販売されていた90年代の“ビデオドラッグ”のような、現代の最先端からするとチープで古めかしいものなのだが、VRと合体することで逆に新しいというか、危険度を増しているような気さえするのは、さすが奇才といったところか。
実は『テンペスト2000』は『テンペスト』という往年のアーケードゲームのリメイク作で、オリジナルの方はミンター氏によるものではないのだが、『Polybius』では『テンペスト』リメイクの際に足された“ジェフ・ミンター色”を超絶進化させており、VRとの組み合わせは抜群。『Rez』がVR対応の『Rez Infinite』になったことでようやく真の姿を得たように、むしろ同氏の頭の中にあった理想像は、最初からVRのためにあったのではないかと思わせる。
なお非VRモードもあるので、海外アカウントがある人はPS VRを持っていなくてもプレイ自体はできる。通常のPS4で120フレーム/秒の描画に対応しているほか、3Dテレビでのプレイも可能だ。さらにPS4 Proでは4K出力にも対応する。PS4版の国内配信の有無は不明だが、ラマソフトによるとPC版の開発も進めているとのことなので、Oculus RiftかHTC Viveなどに対応した形でグローバルにリリースされるかもしれない。