『バイオハザード:ヴェンデッタ』スペシャル鼎談 制作陣が映画を語り合う!

2017年5月27日公開予定のフルCG長編映画『バイオハザード:ヴェンデッタ』の製作陣に、作品への想いを語っていただいた。

●『バイオハザード』シリーズ最新作はフルCG長編映画!

 2017年5月27日公開予定の『バイオハザード:ヴェンデッタ』は、人気サバイバルホラー『バイオハザード』(以下、『バイオ』)シリーズをモチーフにしたフルCG長編映画の第3弾。ゲームでもおなじみのレオンに、フルCG映画では初登場となるクリスやレベッカが加わり、世界規模でのバイオテロとの戦いが展開していく。本記事では、その劇場公開に先駆けて行われた制作陣3人によるスペシャル鼎談の模様をお届け。本作に込められた思いや意気込み、次回作へ意欲、裏話などを忌憚なく語っていただいた。


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【写真左】
エグゼクティブプロデューサー
清水崇氏(文中は清水
(代表作:『呪怨』シリーズ、『魔女の宅急便』など)

【写真中央】
監督
辻本貴則氏(文中は辻本。“辻”の字は一しんにょう)
(代表作:『THE NEXT GENERATION パトレイバー』シリーズ、『High & Low Season2』など)

【写真右】
脚本
深見 真氏(文中は深見
(代表作:『PSYCHO-PASS サイコパス』、『ゆるゆりさん☆ハイ!』など)


●恐怖演出のために一度ひっくり返った物語

――まずは、お三方が本作に関わることになった経緯をお聞かせください。

辻本 自分が参加したのが最後で、最初は清水さんです。ということで、その経緯を、言えることと言えないこ とを全部含めてどうぞ。

清水 カプコンのプロデューサー(本作の原作監修を務める小林裕幸氏)と共通の知り合いがいまして、彼から「カプコンで小林さんと話して、こういう企画があるんだけど興味はないか?」と話をいただきました。で、原点回帰のホラー描写に関するアドバイスを含め、脚本のドラマ部分の補強など、プロデューサーとして携わることになりました。

――『バイオ』のフルCG映画の1、2作目を見た印象はいかがでしたか?

清水 アクションはもちろんですけど、銃器関係にこだわりを感じたんですよね。『バイオ』ってどうしてもゲームのイメージとして、まず怖いものだと思っていたので、「あ、“こっち”にシフトしているんだ」と思いました。そこはそこでファンもいますし、大切な要素ですが、自分としては「怖さやドラマをもっと見たいな」という思いもあったんです。なので、プロデューサーから「原点回帰で怖くしたい」という意見をいただいたとき、そういうことであれば自分が参加する意義があるかもしれないと思いました。

深見 清水さんのつぎに参加したのが僕で、マーザの方たち(CG製作を務めるマーザ・アニメーションプラネット)が自分が前に手掛けていたアニメを見てくださって、たぶんサスペンスやアクションに強い脚本を書けるんじゃないかという感じで声をかけていただきました。あと、僕はゲームが好きで『バイオハザード』シリーズはナンバリングタイトルは全部プレイしてますし、『アンブレラ・クロニクルズ』などの外伝系も一応プレイしていましたので、ぜひにとお引受けしました。

辻本 深見さんがこの中でいちばん『バイオ』に詳しいんですよ。

深見 いまも『バイオ7』を遊んでいます。ちょうどこのお話をいただいたときは『リべレーションズ2』をやっていました。そのあとに参加されたのが、辻本監督ですよね。

辻本 小林プロデューサーやマーザさんは、今回の『バイオ』は原点回帰と言いつつもアクション要素も多くなるだろうと、アクション系に強い監督を探されていました。そこでちょうど深見さんと僕は昔からの知り合いで、深見さんが僕の名前を出してくれてオファーがあったという形です。

清水 映画が形になっていって、自分にはできないアクションを目の当たりにして「すげえな」と思いましたね。原点回帰と言っていたわりに、後半はけっこうアクションだなとも(笑)。

辻本 いつもの『バイオ』というか(笑)。

清水 脚本の時点で、その臭いはあったんです(笑)。ただ、入り口はじんわりと怖くしたいと。

辻本 そう、そうです。最終的には、いつも皆さんが見られている映像化された『バイオ』っぽい感じにはなったのかなという感じですけどね。

清水 途中で、「怖さはもういいの? 俺の出番はもうないのかな?」くらいに感じたことがあったんで(笑)。「怖くするならもっとこうしたら」と、話をひっくり返すようなことも言ったりしたんですけど、そこはこうしたいという構想が第一段階ですでにあった。なので、僕も辻本監督と同じく実写畑の人間ですけど、CGのキャラクターとはいえ、心情やドラマの部分でどう役に立てるか、という方向にシフトしていったんです。

辻本 そうか、原点回帰やホラー演出で、「もっとパーソナルな部分」って言ってたのは、それだったんですね。

深見 そうです、1回ひっくり返ろうとして(笑)。

清水 1回ひっくり返して、けっきょく元に戻ったみたいな(笑)。

辻本 その時期、僕は入りたてだったのでおとなしくしてたんです。こいつはなんか違うなって弾かれたので、周りを見ていた時期ですね。清水さんはこう言ってるんだ、深見さんはこういう感じなんだっていうのを見てました。

清水 僕も監督としての立場だったら違っていたかもしれません。実写畑から、CGでの演出に挑む不安や、人気シリーズに新参で入る辻本監督の気持ちはわかります。あんなに好き勝手は言えなかったかも(笑)。「レオンの幼少期を出そう」とか、「大都市が出ないまま終わる話でもいいんじゃないか」とか。

――1月に発売された『バイオ7』に近い話ですね。

辻本 『バイオ7』といっしょとは言わないですけど、それくらいパーソナルな、半径20メートルくらいの物語でもいいんじゃないかという話もあったんです。たしかに、それは清水監督っぽいなとは思っていたんですけど……。

清水 周囲から「えっ!?」っていう雰囲気を感じたんです(笑)。

辻本 僕は出してないですよ(笑)。

清水 それで、マーザさんから諭されて……。

深見 クリスとレオンでいきたい、実在の都市をパニックに陥れたいという構想が、自分に話が来たときにはすでにマーザさんにはありましたね。

辻本 そうだったんですね。

深見 いま明かされる事実(笑)。

辻本 清水さんが提案された方向だったら、ぜんぜん違う作品になってましたね。

清水 でもアクションもあっての『バイオ』だというのは、今回関わってみてよくわかりました。敵との対決に ドラマを加えられた気はしているので、そこは「辻本監督、ありがとう」という感じです

辻本 脚本打ち合わせで毎日会っていたわけじゃないですけど、ドラマはちゃんとしないとマズイよねという話は初期の段階から共通認識としてあったので、そっちの方向に持っていけたなって気はしましたよね。

清水 アクションは僕の想像もつかないすごいことをやってくれるだろうという期待があったので、心配はして いませんでした。

辻本 それは、脚本にすっごい描写が書いてあるんですよ。深見さんはもともと小説家だし、小説の中でアクション描写を延々書いてなかなか話が進まないみたいな……怒られるでしょうけど、そのノリで書かれてるから、やりたいことがものすごく詰まっている。僕は実写映画をやってるといっても、そこまで大作をやっていなかったんですが、ふつうは大作じゃないとできないようなことが書いてあるんです。

深見 せっかくの『バイオ』の脚本だったので、とりあえずたくさん書いておこうと思って。そうしたら、書きすぎちゃって(笑)。

清水 それで、がっつり削らされて(笑)。

深見 監督が自分の脚本の初稿を読んだときに「このままやったら2時間半になります」と(笑)。

辻本 深見さんの脚本の書式は、僕たちがいつも使ってるいつものフォーマットじゃないんですよ。なんか怪しいなと思って、いつものフォーマットにしてみたんです。

清水 そしたら2時間半(笑)。

辻本 「これはヤバい、騙されてる!」と思って(笑)。それで、ふつうはト書きに書かないことなども含めていろいろと整理していきました。もちろん、ちゃんとすべてのキャラクターをフォローしてくれているから、いちばん正しい脚本だと思うんですけどね。


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