発表時から、その独特過ぎるグラフィックが大きな話題を呼んでいたサードパーソン・シューター『ドローン・トゥ・デス』のプレイインプレッションをお届けする。

●独特なビジュアルのTPSがついに配信開始

 発表時から、その独特過ぎるグラフィックが大きな話題を呼んでいたサードパーソン・シューター『ドローン・トゥ・デス』が2017年4月5日、ついに配信開始された。販売形態はダウンロード専用で、価格は2460円[税込]※。PlayStation Plus会員は、2017年4月5日(水)~2017年5月9日(火)の期間、フリープレイで遊べる。本稿では、さっそく本作のインプレッションをお届けしよう。

※『ドローン・トゥ・デス』はオンライン専用タイトルのため、プレイするにはインターネットに接続できる環境とPlayStation Plusへの加入が必要です。

 まずは、本作の概要を簡単に紹介したい。
 『GOD OF WAR』シリーズのデイビット・ジャッフィー氏が手掛ける本作は、紹介記事にもあるように、中二病の子どもが授業中に妄想を爆発させて描いたラクガキのようなデザインのキャラクターが大きな特徴だ。

 キャラクターデザインはぜひスクリーンショットを確認してほしいのだが、“ラクガキ”という表現は非常に正しく、思わず「本当に子どもが描いたのか?」と勘違いしてしまうような破天荒っぷりだ。この、ペンで殴り描きしたようなデザインを見ていると「こんなキャラクターたちが本当に動くの!?」と信じられない気持ちになってくるのだが、実際にラクガキっぽいキャラクターが派手なアクションを披露している姿を見ていると、なんとも言えない妙な気持ちになってくる。まるで子どものころの自分が描いた絵が、ノートの中で生きているかのような感覚なのだ。「これは新しい表現方法だ」と、素直に思えたのである。

 加えて、キャラクターのネーミングも絶句の一言。“荒野のセニョリータ”ディアブラ・ティファーナ、“連続殺人クマ”アラン、“吸血サイボーグ”サイボーギュラ、“アメリカの良心“ブロンコ、“パンク☆キッド”ジョニー・サベージ、“爆乳サメ忍者”ニンジョーズなどなど、痛い二つ名付きの名前は、まさしく本作のコンセプトである中二病と合致。まるで、自分の黒歴史をほじくり返されているようで、思わずこちらが恥ずかしくなってしまう。
 個人的には、“爆乳サメ忍者”に笑った。“爆乳”と“サメ”と“忍者”のすべてが相反するイメージのため、噛み合わないピースを無理矢理くっつけたような統一感のなさが最高だ。配信開始時点では6人だが、今後追加されるかもしれないキャラクターにも大いに期待したいところである。どんなキャラクターが出てくるのか少々恐ろしい気持ちもあるが……。

■JRPG? ジャンルの名前? いえ、武器のことです!

 ぶっ壊れているのはキャラクターだけではない。ステージのネーミングもなかなかのイカれ具合を誇っている。“夢の城”、“キルモア山”などはノーマルだが、“血みどろプール”と“触手タウン”で眉を潜め、子どもが少ない下ネタ知識で考えたような“インポ戦士の墓場”にはもはや笑うしかないだろう。製作者自身のキッズ時代を反映したのかどうかは分からないが、かつての子どもたちが「あったあったw」と思わず爆笑してしまうような世界共通のネタには共感を覚えずにはいられない。

 武器のデザインとネーミングも最高だ。“RPG”などの定番武器はもちろん登場するのだが、もうひとつ、“JRPG”なる武器も登場する。「それ、ゲームのジャンルだろ」と思うだろうが、その通り。JRPGを発動するとドラゴンが出現して、敵にダメージを与えてくれるのだ(ノーマルタイプのドラゴンも登場する)。そのデザインはまさに古きよきJRPGそのもの。もはや「何のゲームだ!?」とツッコミを入れたくなってしまうが、子どものころにドラゴンやモンスターの絵をラクガキしていた筆者は妙に納得してしまった。

 この時点で、何でもありな模様を呈してきたが、グロ方面でも本作は期待を裏切らない。
 武器のひとつである“ドッジボール・ダン”は、なんと下半身が千切れているドッチボール選手をそのまま武器にしてしまった、ブラックジョーク全開のシロモノ。発動すると、ダン(?)がドッジボールをぶつけてダメージを与えてくれるのだが、果たしてこんなことが許されるのかと思ってしまうほどぶっ飛んでいて、いろいろとヤバイ。そのほか、棺桶に挟まっている“ジョーおじさん”なる人間タイプの武器も存在している。
 すべての武器をアンロックしたわけではないので全貌が分からないが、思わず目が点になってしまうような驚愕の武器が、もっともっと控えているのだろう。あ、もちろんマシンガンやグレネードといった、オーソドックスな武器もあるので安心してほしい。イロモノばかりじゃないよ!
 ちなみにグロ表現に関して言えば、人体(?)がバラバラに吹き飛ぶ描写もあるので、なかなか上級の部類だと筆者は思った。ブラックユーモアだと思えばいいかもしれないが、あまりグロ表現に耐性がない方にはオススメできないかもしれない。

■シューターとしては高水準の出来

 ぶっ飛び過ぎているデザインのため、ゲーム内容もさぞ規格外かと思いきや、そこは、ジャッフィー氏の仕事。シューターとしてはスタンダードであり、洗練されたプレイフィールになっているのだ。操作形態はオーソッドクスで、いわゆるTPSのフォーマットを踏襲している。この手の作品に慣れている人ならば、操作につまづくことはまずないだろう。チュートリアルも、演出こそ“らしさ”を感じさせる壊れ具合だが、説明そのものは丁寧で分かりやすいため、初心者にもオススメできる。

▲テキストがステージに溶け込んでいる独特すぎるチュートリアル。

 システム面におけるフィーチャーとして、固有のスキルを説明しておきたい。本作にはキャラクターひとりにつきふたつの固有スキルが用意されているのだが、このスキルがじつに個性的であり、演出もさることながら、戦略にも大いに絡んでくるため重要度は高い。
 ディアブラのスキル“闇の疾風”は、コウモリたちをけしかけ大ダメージを与える有用性の高い技。アランの“飛ぶんDEATH”は、チェーンソーをぶん回す接近技。ブロンコの“攻撃用ドローンM.A.D MO”は、名前の通りドローンを敵のもとに送り込む奇襲に使える技。ニンジョーズの“忍術海神之碇”は、碇で敵を固定できるなど、キャラクターの個性を多分に反映させたユニークなスキルの数々は一見の価値ありだ。自分のスタイルにマッチしたスキルを使いこなせれば、キャラクターへの愛着も深まってくること請け合いである。
 ちなみにスプラッター好きな筆者はアランを使用。チェーンソーをブンブン振り回して切りまくっている……つもりだが、なかなか当たらず。当然ながらチェーンソーでの攻撃は範囲が狭いため、タイミングを狙って当てにいかないとなかなかダメージを与えることはできないのである(そりゃそうだ)。

▲戦略を左右する固有スキル。
▲チェーンソー装備で疾走するアラン。怖すぎです

 ステージギミックも戦略性に直結する要素として機能している。遮蔽物を利用した攻防はシューターの基本だが、そこにワープゾーンや大ジャンプができるトランポリンといったギミックが絡み合う。さらに固有スキルを駆使したり、建物に登るなどの“高さ”を利用すれば、高低差を伴うバトルへと発展。
 また、本作ではプレイヤーの体力が豊富に与えられていることが特徴として挙げられる。つまり、攻撃を食らってもなかなか死なないのだ。対戦が始まった瞬間、何もできないうちに死角からキルされ、何がなんだか分からないままリスポーンといった経験を持つシューター初心者の方も多いと思うが、本作ではそういった事態が起こりにくい。筆者はどちらかというとキルされる側の人間なのだが、本作では、かなりの割合で十分な時間生き残ることができた。もちろん、勝利するためにはそれなりの戦略を立てなければならないのだが、それでも、シューターに漠然と抱いている“初心者には敷居が高い”というイメージが多少は払拭された。

▲ステージのギミックや作り込みにも注目。

■怖すぎるネーミング 臓器摘出マッチって?

 ゲームモードはシンプルデスマッチ(最大4人でのバトルロイヤル)、シンプルチームデスマッチ(2人 VS 2人のチーム戦)、ハードコアデスマッチ(最大4人でのバトルロイヤル)、ハードコアチームデスマッチ(2人 VS 2人のチーム戦)、タイマンマッチ(1人 VS 1人のタイマン戦)、臓器摘出マッチ(最大4人でのバトルロイヤル)、臓器摘出タイマンマッチ(1人 VS 1人のタイマン戦)の7種類。
 ちなみに、物騒な名前が目を引く臓器摘出マッチとは、倒した相手から臓器(心臓)を奪い、拠点に運んで一定時間経つとポイントを獲得できるという狂ったルール。なおシンプルとハードコアの違いは、それぞれ勝利条件が異なる点だ。
 筆者は臓器摘出マッチをメインで遊んでみたのだが、心臓を運んでいる最中のドキドキ感が半端じゃない。拠点まで後一歩のところでキルされてしまった時の悔しさは筆舌に尽くしがたいものがある。しかしそれゆえに熱が入るし、「つぎこそは!」と気持ちを奮い立たせてくれるのだ。

▲臓器摘出って、なんて怖いネーミング……。

 ここまで『ドローン・トゥ・デス』の魅力をお伝えしてきたが、いかがだっただろうか。筆者が数時間プレイして感じたのは、本作がシューターとして非常に丁寧に作られているということ。インパクトの強いビジュアルは確かに大きなトピックと言えるが、根底の部分にあるものは、プレイヤーを夢中にさせられるだけの、シューターとしての奥深さである。
 そこがしっかりしていなくては、どんなにビジュアルがよかろうとゲーマーは納得しない。そういう意味でいうと、本作は十分に楽しめたし、もっとやり込んで武器やキャラクタースキンを開放していきたいと思った。本稿を読んで感じるものがあったなら、ぜひともダウンロードしてみてほしい。