過去最大規模のLJLオフライン決勝戦が開催
2017年4月1日、PC用オンライン対戦ゲーム『League of Legends』(以下、LoL)公式プロリーグ“League of Legends Japan League 2017”(以下、LJL 2017)の春季シーズン決勝戦“LJL 2017 Spring Split Final”が開催された。会場は東京ビッグサイト・西4ホール。前売りのチケットはほぼ完売という盛況ぶりだった。
決勝戦では、Spring Splitを1位で通過した“DetonatioN FocusMe”(DFM)と、リーグを2位で通過し、先日行われたプレイオフを勝ち上がった“Rampage”(RPG)が激突。この2チームは、LJL発足以来から何度も大激戦をくり広げてきた、言わばライバル関係だ。
長い間、DFMが王者の座を守ってきたが、昨シーズンのSummer Splitの決勝戦では、激戦の末にRPGが念願の初優勝を飾っている。RPGが2連覇を達成して真の王者になるか、DFMが昨シーズンの雪辱を果たすか。勝負の行方に注目が集まっていた。
決勝戦は5試合中3勝先取で優勝となるBO5(Best of 5)で実施。優勝チームには、4月末からブラジルで行なわれる世界大会“Mid-Season Invitational”(MSI)への参加権が与えられる。
“因縁のライバル対決”を制したのは……?
第1試合は、序盤からDFMが仕掛けるものの、YutoriMoyashi選手の見事な切り返しによってRPGがアドバンテージを握る形となった。DFMも負けじとキルを取り返すものの、RPGがオブジェクトを獲得していき、ジリジリと有利を広げていく。
しかし、チーム全体に強力なバフを付与するバロンを巡っての集団戦では、DFMが一歩上回る展開に。チーム全体のゴールド差は不利にも関わらず、食い下がり続けるDFMだったが、最後の集団戦ではRPGが勝利。そのままRPGが1試合目を制した。
第2試合は先ほどと打って変わり、DFMが序盤のアドバンテージを獲得。そのリードを広げようと積極的に仕掛けるが、RPGがうまく人数差を作って集団戦をものにした。その後は、お互い一歩も引かない状態が続いたが、25分頃に発生した集団戦をきっかけに試合が動いた。ペースを握ったRPGがそのまま勝利し、2連勝で王手をかけた。
第3試合は、またもやRPGが序盤からペースを握る展開。RPGは序盤の有利を活かし、積極的に集団戦を起こしてチーム全体の差を広げていく。DFMも必死に食い下がるものの、RPGもしっかりと対応。終始主導権を握り続けた。勢いに乗ったRPGが圧倒的な強さを見せ、そのままDFMの本拠地を破壊。3連勝でライバルを下したRPGの頭上にSpring Splitの栄冠が輝いた。
昨シーズンのSummer Splitでは激戦の末に優勝を勝ち取り、今回の決勝戦では3連勝という形で優勝を飾ったRPG。これはもう真の王者と言ってもいいだろう。見事な優勝を果たした彼らが、4月末から行われる世界大会のMSIでどのような活躍を見せてくれるのか、ぜひ期待したいところだ。
チームブースはプロ選手たちとの交流の場に
会場内には、LJL 2017 Spring Splitに参戦した全6チームのブースも用意。チームのオリジナルグッズ販売やサイン会などが実施され、選手とファンが和やかに交流。開場直後から多くのファンで賑わっていた。
LJL 2017 Spring Split Finalを取材していて、試合ではRPGの強さに驚かされたが、それ以上に印象的だったのが、チームのブースに立ち寄るファンの姿だった。選手を見かけて「うわ、○○だ! 写真撮ってもらお」などと興奮気味の人も少なくない。せっかくなので、話を聞いてみることに。
1組目は、RPGブースに設置されていたメッセージボードに応援メッセージを書いていた女の子ふたり組。ふたりとも『LoL』を始めてまだそれほど経っていないという。RPGファンになったきっかけを尋ねると「試合の配信を見てたら、すごく仲がよさそうで。応援したくなっちゃいますよね」と、楽しそうに答えてくれた。
たしかに、試合前にRPGのメンバーがハイタッチをしている姿などはよく見る気がする。雰囲気がいい様子を見ると、どこか応援したくなる気持ちもわかる。
続いて、男性3人組。そのうちふたりはもともと友だち同士で、日本サーバーが始まって間もなく『LoL』のプレイを開始。もうひとりは海外サーバーで約4年間プレイしていて、ふたりとは『LoL』を通じて知り合ったのだとか。ちなみに、この日が初対面。大型イベントをオフ会として活用していた。
実際にプロ選手たちと触れ合える場についてどう思うか尋ねてみると、「ずっと(ネット配信で)見ていた憧れの選手と会えてうれしい」。さらに、「どのチームが好きというより、選手が好き。自分がTopをやってるので、Topの選手を応援しています」という声も。
このような声が聞けたのは、選手にフォーカスさせるための施策が実を結んだ結果だろう。今シーズンからLJLの試合はすべてオフラインで実施され、配信で選手の表情も見られるようになった。プロ選手が身近に感じられれば親近感が湧く。
また、大会の演出の中には、選手を全面的に押し出していると感じられる部分が多々あった。選手入場の際に多くのファンが花道を作られるようになっていたり、試合間のインターバル中に他チームの選手に試合の感想を聞いたりと、随所で工夫が感じられた。
憧れの選手と交流したり、『LoL』のコミュニティーの出会いのきっかけの場として活用したりと、ただ単純に“試合を観戦する場所”ではなく、ともに“『LoL』というゲームを楽しむ空間”として、着実に進化を遂げているLJL。今後のさらなる盛り上がりに期待が高まるばかりだ。
最後に、『LoL』イベントでは恒例となっているコスプレイヤーさんたちの写真で、本記事を締めさせていただく。撮影協力ありがとうございました!