イベント直後の3名に直撃

 シリーズ15周年を祝い、ファンや作品出演者を集めて2017年1月22日に開催された“逆転裁判 15周年 特別法廷”。イベント終了後、その会場内で、江城元秀プロデューサー巧舟ディレクター、山崎剛ディレクターにインタビューを行った。イベントの熱気冷めやらぬ興奮状態のまま、あれやこれや聞いてみました!  (※山崎剛氏の“崎”の漢字は、 正しくは山+立+可です)

(イベントの詳細はこちら→『大逆転裁判2』の実機画面もチラ見せ! 『逆転裁判』15周年記念イベントにゲーム、舞台の豪華キャストが集結

「『大逆転裁判2』は、絶賛制作佳境中です!」。『逆転裁判』15周年特別法廷で江城元秀氏、巧舟氏、山崎剛氏の3名に直撃インタビュー!_06
▲イベント(昼の部)を終えた直後の山崎剛氏(左)、巧舟氏(中央)、江城元秀氏(右)。この日の衣装は、皆さん自前の服装とのこと。

――まずは、『逆転裁判』15周年おめでとうございます! 本日のイベント、最高でした! 出演されていた皆さんにも、ファンの熱気が伝わったかと思うのですが、いかがでしたか?

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▲『逆転裁判』生みの親であり、現在は脚本・ディレクターとして『大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟-』の制作を行う巧舟氏。

 ありがとうございます。すごい人数でしたね。

江城 僕たちは、出演しているとき以外はウラのモニターで見ていたんですけど、バラエティーコーナーや、キャストの方々が出演されたコーナーはすごく盛り上がっていましたね。もともと15周年をお祭りにしたいなと思い、10周年の特別法廷を上回る内容と規模にしようと準備をしてきたので、きちんと実行でき、盛り上がってよかったです。

――チームに分かれて、提示された場面をもとに答えを言い合う大喜利のような“場面写イマジネーションクイズ”も、すごく盛り上がっていましたよね。個人的には、ナルホドくんとマヨイちゃんが向かい合っているシリアスな場面につけるセリフでの検事チーム(舞台『逆転検事~逆転のテレポーテーション~』に出演する、和田琢磨さん(御剣怜侍役)、磯貝龍虎さん(糸鋸圭介役)、林明寛さん(矢張政志役))や、『逆転裁判』チームの近藤孝行さんの、ゲーム中のナルホドくんは絶対に言わないような回答には思わず笑ってしまいました。

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▲『逆転裁判6』ディレクターの山崎剛氏。「『大逆転裁判2』はいちファンとして楽しみです」。

山崎 ありえないようなセリフでも、近藤さんが言うと、「本物の声じゃないか!」となってしまいますよね(笑)。

江城 検事チームも暴れすぎでしたね(笑)。でも、本イベントはDVD等での販売もしない、生ならではのイベントですから、ファンの皆さんに笑ってもらえたのなら、いいのかなと。いろいろと仕込みは大変でしたが、15周年にふさわしい大きなイベントにはできたかなと思います。開発チームには、忙しい中、かなり無理を言いましたが……。

――イベントではおなじみの“特別法廷(ゲームシステムを利用し、キャラクターたちによる会話劇が描かれる寸劇映像)”も、それぞれ10分くらいの書き下ろしシナリオで、2本もありましたよね。

江城 『大逆転裁判』チームにもお願いして。だいぶ無茶振りをしていました。それでも協力してくれて。それがなかったら、特別法廷という形にはできなかったと思います。

――特別法廷は、こういった『逆転裁判』のイベントには欠かせないものになっていますね。ファンの方も楽しみにしていると思います。

山崎 つねに作らなければならないものですね(笑)。

――ところで、イベントの最後に公開された『大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟-』のPVでは、観客席から「おおー!」という歓声や、「ええ!?」というどよめきがあがりましたが、こちらの『大逆転裁判2』の作業は現在いかがですか?

江城 絶賛、“大”佳境中です(笑)。

――“大”がつくのですね(笑)。

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▲江城元秀プロデューサー。この日は、APEとコラボした『逆転裁判』Tシャツと、おしりにくまもんがプリントされたジーンズで登場。

江城 このまますぐ大阪に帰って作りたいほどです(笑)。さっきのステージで巧が「時間をください」と言っていたのは魂の叫びなんです(笑)。毎回、巧にしても山﨑にしても、時間=命というか。クリエーターの方はみんなそうだと思うんですけど、それを命を削って作っているので。そこの原動力はやっぱり今日のようなイベントなどでユーザーさんの反応を見ることなんですよね。それがつぎのエネルギーというか、モチベーションにつながって、またがんばることができますし。逆に、来ていただいたユーザーさん、お客さんには予想を上回る楽しさを渡したい、おもてなしをしたいなと思っています。

――イベントならではのおもしろさってありますよね。訪れている方も、“生の楽しさ”みたいなことを期待していると思います。

江城 そうなんですよね、だから僕たちもあんまり堅苦しくするんじゃなくて、比較的砕けた感じにしていたんです。いろいろコーナーも設けたりして。その分、開発チームはたいへんになりましたが。そして最後はライブで。バンド演奏で『追求』だけのメドレーというのもなかったですから。それに、オーケストラはありましたが、バンド形式でやったたのは今回が初めてなんです。だから、いい形でできたんじゃないかと思います。

――生の場ならではといえば、『大逆転裁判2』の実機プレイ映像を流しているあいだに、下野紘さんが収録のウラ話などをしゃべりかけたとき、巧さんがヒヤヒヤした表情を浮かべていらしたのも印象的でした。

 あれは本当にドキドキしていたんですよ。何を言い出すのだろうと思って(笑)。もちろん、ネタバレになることは最後まで何も触れずに済ませていただけましたが。

江城 僕も途中まで「オイオイオイ」と思いながら見ていましたね(笑)。