2017年は『ノーモアヒーローズ』10周年のパーフェクトイヤーに
“Nintendo Switch プレゼンテーション 2017”に登壇したグラスホッパー・マニファクチュアの須田剛一氏。Nintendo Switch向け『ノーモア★ヒーローズ』について、須田氏に話を聞いた。
◆『ノーモア★ヒーローズ』とは?
2007年12月6日に発売されたWii用ソフト。ジャンルは殺し屋アクションアドベンチャー。グラスホッパー・マニファクチュアが開発を担当し、マーベラスエンターテイメント(当時)がプロデュース・発売を手掛けた。主人公トラヴィス・タッチダウンが10人の(殺し屋)ランカーを始末し、殺し屋ランキングトップを目指すスリリングな物語が描かれる。
――『ノーモア★ヒーローズ』の主人公、トラヴィス・タッチダウンを復活させるとの発表、驚きました。詳細は語られませんでしたが、『ノーモア★ヒーローズ』をNintendo Switch向けに移植されるということなのでしょうか?
須田剛一氏(以下、須田) いや、移植ではありません。完全新作となります。
――えっ!?
須田 登壇してスポットライトを浴びた瞬間に興奮して言い忘れてしまいました(笑)。『ノーモア★ヒーローズ』、そして主人公であるトラヴィス・タッチダウンは、任天堂プラットフォームで育ってきたタイトルであり、キャラクターです。『ノーモア★ヒーローズ』はWii Uでは発売していませんので、ひとつハードを越えてしまいますが、Nintendo Switchでトラヴィスが復活する、とイメージしている中で任天堂さんといいお話ができて、今日の登壇となりました。
――登壇中に公開したトラヴィスのイラストは新規のものですよね?
須田 そうです。それも言い忘れてました(笑)。今回のために用意した、コザキ(『ノーモア★ヒーローズ』キャラクターデザインを手掛けたコザキユースケ氏)さんの書き下ろしイラストとなります。
――忘れちゃダメなことを忘れ過ぎです(笑)。
須田 (笑)。いろいろとアドリブで言おうとしていたんですね。プロレスの引用ばかり考えていて……(笑)。Nintendo Switch向け『ノーモア★ヒーローズ』は、僕がディレクションを務め、脚本も手掛けます。10年ぶりの須田剛一ディレクション作品として、Nintendo Switch向けに『ノーモア★ヒーローズ』新作を作ります。
――それ、すごく大事な情報だと思います(笑)。
須田 ファミ通.comさんのスクープということで(笑)。僕の登壇、スベッていませんでしたか? 『スプラトゥーン2』のポーズか、オカダカズチカのレインメーカーポーズか、武藤の“プロレスLOVE”ポーズか迷ったすえに、“プロレスLOVE”ポーズ改め“Switch LOVE”ポーズにしたんですが……。
――“Switch LOVE”ポーズ(笑)。
須田 でも、任天堂の皆さんにもよろこんでいただけたようでほっとしています。
――Nintendo Switch向け『ノーモア★ヒーローズ』の販売は任天堂となるのですか?
須田 調整中です。基本的にはマーベラスさんとの協力体制で進め、任天堂さんにサポートしていただくという形となります。
――『ノーモア★ヒーローズ』はWiiならではの操作が印象的でしたが、Nintendo Switch向け『ノーモア★ヒーローズ』でも、Nintendo Switchならではの操作方法となるのでしょうか?
須田 任天堂ハードを使わせたらたぶんウチは世界でいちばんだと思いますので、ご期待ください。(トラヴィスの武器を)どう充電させるか、いまから楽しみにしていてください。
――HD振動についてはいかがですか?
須田 もちろん取り入れます。初めて触らせていただいたときには、振動だけで感覚を伝えるということに僕も驚きました。予想を超えるものでしたので、そこはしっかりとゲーム中に取り入れたいと思います。視覚がリッチになるのとは異なり、ゲーマーが大事とする“手触り”、“手の感触”を通じて新しい体験を提供したいですね。没入感、一体感、ドラマへの深みといった部分も含め、いろいろと考えながら作りたいと思っています。コントローラーをどう使って、どう遊びを生み出すのか。任天堂さんが生み出した発明に対して、自分たちがどんなデザインを行うのか。任天堂ハードだからこその独特の遊び、体験を生み出すことを考えながら、開発を行いたいと思っています。
――単刀直入にお聞きしますが、『ノーモア★ヒーローズ』、『ノーモアヒーローズ2 デスパレートストラグル』のあとの物語となるのですか?
須田 いまはまだ秘密で。今後の発表を楽しみにしていてください。
――では質問を変えます。“トラヴィスの物語をまだ書きたい”という欲求が須田さんの中にくすぶり続けていたのでしょうか?
須田 うまく言えないのですが……トラヴィスは「また会いたいキャラクター」なんですね。「また書ける」というよりも「また会える」。僕が物語を考えるのではなくて、トラヴィスを探す旅になるというか……。脚本を書き上げる作業を通じ、トラヴィスを見つけにいきたいと思います。
――物語の骨子は決まっていらっしゃると?
須田 僕の頭の中では完成しています。あとは形にするだけですね。
――物語のテーマに関してヒントをいただけませんか。
須田 昨年、ちょうど『シルバー事件』のHDリマスターを発売させていただいたのですが、『シルバー事件』のテーマは“過去を殺せ”なんです。Nintendo Switch向け『ノーモア★ヒーローズ』でトラヴィスに課すテーマは、“過去を殺しにいく”。来年、グラスホッパー・マニファクチュアが20周年を迎えるというのもあるのですが、僕の中に過去を清算するという想いがあり、トラヴィスにもそれを投影させているのかもしれません。
――なるほど。続報を楽しみにさせていただきます。
須田 ゲーム詳細はなるべく早くお伝えしたいと思います。おかげさまで『ノーモア★ヒーローズ』はファンにとても愛されるタイトルになっていると思いますので、ビジネス的なイベントはもちろんですが、ユーザーとの距離が近いイベントでぜひ出展したいですね。
――どんな殺し屋たちが登場するのか楽しみです。
須田 デザインはいくつかできていますが、ヤバイですよ。どいつもハンパないです。ファミ通さんに独占で情報を出せるようにがんばります(笑)。2017年は『ノーモア★ヒーローズ』10周年。スペシャルイヤーですので、パーフェクトイヤーにしたいと思っています。2017年は、『ノーモア★ヒーローズ』ファン、そして任天堂ファンの皆さんが盛り上がれるように情報を出していきますので、応援してもらえればうれしいですね。Nintendo Switch向け『ノーモア★ヒーローズ』の今後の情報を楽しみにしていてください。