2016年12月26日、秋葉原UDXシアターにて行われた“『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』20周年記念特別番組「この世の果て調査団 YouKnow?」”の模様をリポート。

●『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』を、豪華ゲストが2時間たっぷり語り尽す!

 2016年12月26日、秋葉原UDXシアターにて、“『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』20周年記念特別番組「この世の果て調査団 YouKnow?」”が行われた。『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』のBGMについてや、1996年当時を振り返るトーク、本作の最新情報紹介など、2時間に渡って実施された盛りだくさんの内容をリポートしよう。

▲会場前に飾られた、巨大タペストリー。

 本イベントは、5pb.より2017年3月16日にプレイステーション Vitaとプレイステーション4でリリースされるリメイク作品『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』(以下、『YU-NO』)の公開イベント。1996年12月26日にPCゲーム業界を震撼させたPC-9800シリーズ版『YU-NO』の発売から、20周年を記念して行われた。

 司会はお笑いコンビ・アメリカザリガニの柳原哲也さんが務め、キャストの林勇さん(有馬たくや役)、小林ゆうさん(武田絵里子役)、小澤亜李さん(ユーノ役)が出演したほか、開発陣である浅田誠氏(プロデューサー)、ヨナオケイシ氏(作曲家)、高見龍氏(作曲家)も登場。加えて、石井ぜんじ氏(ゲームライター)、田渕健康氏(ゲームライター)も参加した。

▲左から、高見龍氏、ヨナオケイシ氏、浅田誠氏、林勇さん、小林ゆうさん、小澤亜李さん、石井ぜんじ氏、田渕健康氏、柳原哲也さん。

 イベントが始まると、まずは林さん、小林さん、小澤さんが登壇し、それぞれご挨拶。20周年ということもあり、出演陣が観客の年齢層などを尋ねていく。カナダから来た(!!)というファンもおり、本作がいかに熱心なファンたちに愛されているのかが改めて認識できた。

▲本イベントのラインアップはこちら。
▲トークに移る前に、島津 澪(声:釘宮理恵さん)、波多乃神奈(声:内田真礼さん)、有馬亜由美(声:名塚佳織さん)、一条美月(声:大西沙織さん)、朝倉香織(声:前田玲奈さん)などのキャラクターたちの、公開されていなかったゲーム中のボイスを初公開。音声が流れるたびに、会場からは「おおっ」というような、驚きや納得の声があがっていた。

 最初のコーナーでは、浅田Pと、リメイク版のBGM作曲&アレンジを担当したヨナオケイシ氏(セガサターン版のBGMも担当)、高見龍氏(PC-9800シリーズ版のBGMも担当)が登壇。話題は、今年11月25日に発売された、梅本竜氏(PC-9800シリーズ版『YU-NO』のメインコンポーザー。2011年8月16日に他界)をトリビュートしたアレンジアルバム『TRIBUTE TO RYU UMEMOTO ~ Music From YU-NO』について。このアルバムは梅本竜氏と交流があったコンポーザーたちが集結したアルバムとなっており、今回のリメイク版発売を記念して制作されたことを、ヨナオケイシ氏と高見龍氏が語る。

 なお、リメイク版『YU-NO』の限定版には、ヨナオケイシ氏による新曲を含む、アレンジ楽曲を全て高音質のハイレゾ音源で収録された楽曲や、NEC PC-9800シリーズ版のサウンドトラックなどが入った、豪華5枚組の『YU-NO ハイレゾサウンドトラックDVD』が封入されている。なぜ“サウンドトラックDVD”なのかというと、膨大な曲数のため、CDの容量には収まりきらなかったそうだ。

 リメイク楽曲については、ヨナオケイシ氏は「たっぷりの自信があります」とみずから太鼓判を押す。楽曲のよさを内包しつつ、より豪華にアレンジしていくことを心掛けていたそうだ。また、セガサターン版のアレンジについては、ガラリと変えてほしいという要望だったが、やはりもとの楽曲の良さを残すことに苦労したという思い出が、ヨナオケイシ氏から語られた。オリジナル版に関わっていた高見龍氏は、「20年前を思い出すと、つらい思い出しかないです(笑)」と冗談を飛ばしつつ、当時のエピソードを語っていた。

▲NEC PC-9800シリーズ版での楽曲データが、文字として書かれているMusic Macro Language(ミュージック・マクロ・ランゲージ)データの一部も公開。よ、読めない……!

 また、『YU-NO ハイレゾサウンドトラックDVD』に収録されたハイレゾ音源を、いかにしてハイレゾ化したかのディープな過程も披露。最初は、音源を再現したもので収録に臨んだが、やはりファンの方は本物の音源ではないと納得してくれないのでは? と考え、実際の音源でも収録をしたという。しかしそれではPC-9800シリーズから鳴る音源とはまた違った音になってしまうと踏み、なんと実機を改造し、実機からデジタル音源へと出力したのだとか。しかしそれでも納得の収録ができず……と、とにかくこだわりのハイレゾ音源となっていることをじっくりと、高見龍氏がスライドで深く解説!

▲こ、これが要約……!? 高見龍氏は「つまり、超がんばったってことです(笑)」とさらに要約(笑)。

 そんなこだわりのハイレゾサウンドを、イベントでは本作の実機映像と、初回特典に封入されたPC-9800シリーズ移植版『YU-NO』の実機映像とともに、PC-9800シリーズ版から『オープニング』、『有馬亜由美』、リメイク版から『運命2(因果律Version.B)』、『始動(危機)』の楽曲を披露。有馬亜由美のテーマ曲である『有馬亜由美』を作曲した高見龍氏は、「じつはこの曲は『YU-NO』のために作曲した曲ではなかったんです」と、その経緯を明かし、シナリオを担当した剣乃ゆきひろ氏(菅野ひろゆき氏)に、「高見龍氏の作る違う曲が聞きたい」と言われた高見龍氏が、たまたまサンプルとして提出した楽曲だったという。そして音沙汰がなくなったころ、いつのまにか『YU-NO』使われていたという驚きのエピソードを披露し、会場からも大きな笑いが起きていた。

▲PC-9800シリーズ移植版実機映像。パソコンの起動画面をも再現した、こだわりのオープニング画面も披露された。

 また、リメイク版楽曲を披露した際には、浅田Pがコントローラーを握り、タイトルメニュー、オプション画面など、詳細な部分をさらっと初公開! さらに浅田Pは「スタッフに怒られちゃう(笑)」と言いつつ暴走し、ルート分岐とゲームが合体した、本作の特徴的なシステムである“A.D.M.S(アダムス)”の画面や、探索画面に新搭載された“プルーフターゲットシステム”まで大公開!!

▲タイトルメニュー画面。
▲オプションでは、BGMをアレンジとオリジナルから自由にいつでも選べることが判明。また、謎解き要素のヒント機能のオンオフなども可能なようだ。
▲探索画面では、探索や移動に使用するポイントが表示される“プルーフターゲットシステム”を確認することができた。
▲リメイク版“A.D.M.S(アダムス)”は、なんとクォータービュー! オリジナル版、セガサターン版では横画面でした。

 続いてのコーナーでは、石井ぜんじ氏、田渕健康氏を迎えて『YU-NO』が発売された1996年をフィーチャーしたトークを展開。当時のゲーム業界や、インターネットが普及し始めたトークをくり広げ、観客たちからも「あぁ~」というような、懐かしさを感じる歓声が大きく上がる。また、好きなゲームの話題になると、林さんは『ときめきメモリアル2』、小澤さんは『牧場物語』を挙げたりと、懐かしい話題に花を咲かせていた。

 さらに、超独特のイラストを描き、“画伯”のふたつ名をもつ小林さんが、小澤さん、林さんの約20年前のエピソードを聞き、イラストにするコーナーも展開された。

▲小澤さんは子どものころ、友だちと忍者ごっこをして遊ぶのが好きだったとか。真ん中が池で、水の上で忍者ごっこをしているイラスト……らしいですよ!
▲林さんは、高校時代はいわゆる“ギャル男”だったそうで、よく日焼けサロンに行って肌を焼いており、暗闇で見えないくらいの黒さだったとか。棺桶ではなく、日焼けマシンです。

 さらにトークは『YU-NO』の歴史を振り返りつつ、剣乃ゆきひろ氏の歴史についても触れられた。18禁描写の色濃い成人向けPCゲーム業界の中でも、『DESIRE ~背徳の螺旋~』、『EVE burst error』といった、作り込まれた異色のシナリオ&システムが話題を集めていたところ、満を持して発売されたのが『YU-NO』だと田渕氏は語る。また、田渕氏は「1996年の成人向けPCゲーム業界は黄金の年だった」と評し、当時話題を集めていた作品の紹介を行った。

 続いては、『YU-NO』関連のレアアイテム3つについて、林さん、小林さん、小澤さんが、そのレア度を鑑定し、レア、激レア、ウルトラ激レアアイテムの順に答えるというクイズコーナーへ突入。3人は紆余曲折ありながらもみごとに正解。

 では答えをお伝えすると……ひとつ目はPC-9800シリーズ版『YU-NO』のフロッピーディスク版の、開封済みのものと未開封のものがそろった激レアアイテム。こちらはなんと浅田Pの私物なのだとか!

 ふたつ目は、『YU-NO』の攻略ガイドなどが掲載されている書籍『YU-NO完全ガイド―この世の果てで恋を唄う少女』がレアアイテム。18禁イラストなども掲載されており、小林さん&小澤さんはキャーキャー言いながらも、ページをめくる(笑)。

 そして最後が、PC-9800シリーズ版『YU-NO』のキャラクターデザインを担当した長岡康史氏による、描き下ろしポスター用の原画!!(もちろんウルトラ激レア!!) ちなみにこちらのイラストは、会場にて本作の予約者対象に配布されたポスターに描かれていた。

▲こちらが長岡康史氏による描き下ろしポスター。

 いよいよイベントの終わりも近づき、出演者がそれぞれ再登場。本作の最新情報や、コミカライズ化の情報が再告知される中、なんとここでアニメプロジェクトの始動が発表! これには会場からも大きな喜びの歓声が上がったが、『YU-NO』と言えば緻密なルート選択が特徴であるため、「えっ、どんなアニメなるの!?」というような、どよめきの声も混じっていた。それに対し浅田Pは「皆さんが気になるのは、ルートがどうなっているの? などですよね。そこも決まっているのですが……まだ言えないです(笑)」とコメントした。

 最後に、出演者全員でお別れの挨拶をし、イベントは終了。リメイク作品『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』の発売日は2017年3月16日と少し先だが、リリースされる日を楽しみに待とう。