競馬ファンなら誰もが夢見るプロジェクトが始動
ドワンゴは、本日2016年12月13日に<競馬×ゲーム×ネット>に関する記者発表会を開催。2017年の新プロジェクトとして、『リアルダービースタリオン』を発表した。
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冒頭では、天童なこ(タレント/競馬予想家)、村上卓史氏(放送作家・馬主)、大和屋暁氏(脚本家/作詞家/馬主)という、競馬を愛する3名が登場する本プロジェクトのイメージ映像が流された。キャッチコピーは、“ニコニコ史上最大の大河ドラマをあなたに”! 繁殖牝馬を購入し、種付け、出産、さらに馬名をつけ、調教し、2020年大井競馬場所属でデビューを目指すという一大プロジェクトとなる。
発表会には、本プロジェクトの企画担当であるドワンゴ・石崎崇大氏を筆頭に、澤佳宏氏(東京都トレーナー倶楽部副会長/調教師)、村上卓史氏(放送作家・馬主)に加え、『ダビスタ』生みの親である薗部博之氏(パリティビット 代表取締役)が登壇した。
今年からニコニコ生放送では、大井、船橋、川崎、浦和という4つの南関東地方競馬を生放送しており、その視聴者数は300万人に上るという。また、視聴者の約70%を10~30代の若年層が占めている。『リアルダービースタリオン』の目指すところ、それは、“『ダービースタリオン』をニコニコで、おおよそ再現”。ユーザーが競走馬を育てる……繁殖牝馬の購入や競走馬の馬名などを、ユーザーの投票によって決定することになる。
ここで、実際に『ダービースタリオン』(1997年発売のPS版)をプレイして、シミュレートする冒頭のイメージ映像の続きが流された。天童さんの名前にちなんで名付けられた“ナコパンチ”号だが、なんと、新馬戦で故障が発生し、予後不良という結果に……。つぎの競走馬でもなかなか勝てず、競馬の難しさを味合うことに……。
薗部氏は今回の企画を初めて聞いた時、「ムチャなことをすると思いました」と振り返る。
繁殖牝馬の購入から実際にレースに出走できるまで、相当の時間がかかることになるのだが、続いて、今後のプロジェクトスケジュールが示された。2017年1月からスタートし、少なくとも3年はかかるという、壮大なプロジェクトとなっている。
繁殖牝馬、種牡馬を選ぶ
競走馬が産まれないことには話にならないので、まずは2017年2月の繁殖牝馬の購入から。これは、セリに登場する候補となる繁殖牝馬から、ユーザーが投票で選ぶ。さらに、お相手の種牡馬についてもユーザー投票で決定されるのだ。
種牡馬を選ぶポイントとして、澤氏は「大井はダートですから、ダート向けの血統を選ぶことになります。なかでも、パイロやサウスヴィグラスなどは、結果が早く出るので人気です」と語った。また、繁殖牝馬もサンデーサイレンス系が多いため、血が濃くなり過ぎないように、種牡馬を選ぶ際には注意する必要があるとアドバイスをしてくれた。
繁殖牝馬の受胎期間~出産
種付けが成功し、受胎期間になると、その繁殖牝馬の模様を見守ることになる。生放送では、繁殖牝馬への餌やり企画のほか、うまくいけば、感動の出産の瞬間を見ることができるかもしれない。村上氏によると、じつは繁殖牝馬を持っている馬主自体少ないので、こういった企画はおもしろいとし、“自分たちの馬”として愛着が湧きそうだ。馬主でもある薗部氏らでさえも、実際に出産に立ち会ったことはないそうだが、競馬の仕事に携わって30年になる鈴木さんは、昨年初めて出産に立ち会う機会があったとのこと。第二の母のような気分で非常に感動したそうで、牡馬が生まれると「ダービー馬です」、牝馬が生まれると「オークス馬です」と声が上がるという、牧場ならではの逸話も教えてくれた。
仔馬の成長を生放送
ニコ生では、牧場ですくすくと育っていく仔馬の様子が見られる。やがて成長し、入厩が近くなると、いよいよ競走馬としての馬名をユーザー投票で決めることになる。
馬名をつけるコツについて薗部氏は、「新聞の見出しになった時の印象が大事」といい、また、語感や長い馬名は省略された時にどうなるかも考えるのだそうだ。一方の村上氏だが、競馬を知らない人にも興味を持ってもらうために、懇意にしているタレントに名付け親になってもらったのは有名な話。実際に、安田美沙子さん(ハンナリト)や麒麟・川島明さん(キリンチャン)に名前を付けてもらったというエピソードを語ってくれた。
いよいよレースに出走!
2歳になり、厩舎に入厩できる状態になると、いよいよ競走馬として調教がスタート。その際も、出走レースや騎乗騎手を選ぶような企画が予定されている。調教の様子も、タイミングがあえばニコ生で放送されるという。ちなみに大井の場合、調教が行われるのは深夜や早朝が多いそうだ。
薗部氏は最初のレース当時を振り返り、子どもの入学式のような感覚で、舞い上がってよく覚えていないらしい。村上氏もデビュー戦にこそ特別な思いがあり、レースが終わって初めて現実に引き戻されるような感覚だそうだ。そうした思いを、『リアルダビスタ』では、全国のユーザーで共有できるわけだ。
繁殖牝馬をセリで購入してから、実際にレースに出走するまで、じつに約3年かかることになるわけだが、それと並行して、2017年にデビューする2歳馬を購入することも発表された。購入する2歳馬についても、ユーザー投票にて決定され、順調にデビューできれば、新馬戦等のレースが生中継されることになる。
そのほかにも、レース勝利後の記念撮影やメンコなどの馬具デザインに参加できる企画が考えられているそうだ。ちなみに、大井競馬所属ということで、騎手がレース中に着用する勝負服のデザインはできないとのこと。
2017年に入ってすぐ、『リアルダビスタ』プロジェクトがスタートする。現在決まっている生放送はふたつあり、繁殖牝馬を選ぶための番組と、その母馬を実際にセリで購入するセリ会場からの生放送。スケジュールは、以下を参照してほしい。
<直近のニコニコ生放送番組スケジュール>
■放送日:2017年1月上旬(予定)
■番組名:母馬をみんなで選ぼう リアルダビスタ#1
■視聴URL:こちら
■放送日:2017年2月1日(水)
■番組名:母馬を買いに行こう リアルダビスタ#2
■視聴URL:こちら
ぶっちゃけ、参加するにはいくら必要なの?
発表会の最後は質疑応答が行われた。
おそらくいちばん気になるのは、「実際に参加するにはいくら必要なのか?」だが、これに対し石崎氏は、「予算はドワンゴ社内で調整する」と説明。つまり、ユーザーは基本的にお金を払うことなく、この『リアルダビスタ』に参加できるというわけだ。
また、繁殖牝馬や競走馬の購入も、最初の一頭ずつの予定で、所属厩舎については、この企画に賛同してくれる厩舎を現在調整中だという。
最後に出席者からコメント。
澤氏「より多くの人が競馬に興味を持ってくれるとうれしい。レースに勝つことが仕事だが、一頭の競走馬がレースに勝つまでには本当にいろいろなことが起こることを、このゲームで感じてほしい。つぎの世代の人が、また新しく競馬のオーナーになってほしいです」
薗部氏「本当に壮大な企画で、僕も楽しみにしています。ひとつ勝ったら奇跡のようなものだと思うので、皆さんといっしょに見守っていきたいと思います」
村上氏「デビューが2020年という、先の長い話ですが、(自分も)競馬ファンから馬主になって、デビューするまでのたいへんさや楽しさを体感できたので、ユーザーの皆さんにも楽しんでほしいと思います。オリンピックイヤーまで楽しめるな、と思っています」
石崎氏「競馬関係の仕事をして12年ほどになりますが、一頭の馬を通じて、ユーザーの皆さんとともに熱や思いを共有していければと思います。大切にこの企画を進めていきたいと思います」
3年後の出走を目指してスタートする壮大な『リアルダービースタリオン』。馬券を買う以外にも、気軽に参加できるプロジェクトとして、今後各方面から注目を集めそうだ。ユーザーが育てた愛馬がどんな活躍を見せるのか、いまから楽しみにしたい。