小島秀夫氏からのコメントも!
2016年12月7日“未来の日本、未来の世界をつくる”をテーマに、世界各国で活躍するイノヴェイターを表彰する“WIRED Audi INNOVATION AWARD 2016”が開催された。同アワードは、オリジナルなアイデアとイノヴェイションを手に、ジャンルやキャリアにとらわれず、未来へのヴィジョンを実現していくイノヴェイターたちを支えるべく、WIREDとアウディジャパンによってスタートしたプロジェクト。
受賞者は医療、IT、音楽、などさまざまなジャンルから、WIRED日本版編集部とアウディジャパンが選出した39組と、知られざるイノヴェイターを発掘すべく読者からの推薦による公募で“NEXT INNOVATOR”11名が選ばれた。そんな中、ゲーム業界からはコジマプロダクションの小島秀夫氏とエンハンス・ゲームズの水口哲也氏が受賞した。
授賞式終了後の小島秀夫氏にインタビュー
――“WIRED Audi INNOVATION AWARD 2016”受賞おめでとうございます。
小島 ありがとうございます。
――まず、受賞の喜びを聞かせてください。
小島 30年のあいだにさまざまな賞をいただきましたが、独立後にいただいた個人賞はこれで5つ目になりました。非常に貴重な賞をいただけてありがたいです。
――“The Game Awards 2016”では、“INDUSTRY ICON”を受賞されていましたね。おめでとうございます。こちらの感想も聞かせていただけますか。
小島 ありがとうございます。今日はマッツTシャツなんです(※『DEATH STRANDING』のティザー映像に登場した俳優のマッツ・ミケルセン氏がプリントされたTシャツ)。これまでは、ゲーム制作の動機として“何かを失ったのでもう1度取り戻そう”という意思や、“死ぬまで現役でゲームを作り続けたい”という思いでやってきました。しかし、今年の“E3”や“The Game Awards 2016”で、世界中のファンの方に歓迎していただいたので、ゲーム作りの動機が変化してきました。これからは、世界中の応援してくれる方を喜ばせるために、人生を捧げたいと思います。
――“The Game Awards 2016”では、『DEATH STRANDING』の新しいティザー映像が公開されましたが、反響はいかがですか?
小島 評判がよかったのでホッとしています。とくにマッツファンの方に喜んでいただけたようで。僕自身がマッツファンのひとりですから非常にうれしいのですが、さらにハードルが高くなったかなと感じています。
――“PlayStation Experience 2016”で行われたパネルディスカッションでは「トレーラーについて討論したり想像したりすることもゲームの一部」というお話をされていましたね。
小島 そうですね。映画もそうですが、ティザーというものは公開日や発売日のかなり前に発表しますよね。いまはその映像を見て、皆さんとキャッチボールをする時代だと考えています。ですので、今回と前回のティザー映像を見て、ファンの皆さん同士でコミュニケーションを取っていただければと。
――いろいろネタが盛り込まれているということですが。
小島 10秒に1回くらいはネタが入っています。前回の映像と見比べてもらうことで新しい発見があるかもしれません。また、今回のティザーには、“The Game Awards 2016”で公開したものとはべつに、BGMをロウ・ロア(Low Roar)の『EASY WAY OUT』にしたふたつのバージョンがあります。どちらが正解なのかということは置いておいて、歌詞を聞きながらもう1度見ると違うイメージが出てくると思います。そこから「こういうことになるのではないか?」と想像しながら、皆さんで繋がっていただければと。『DEATH STRANDING』は“繋ぐ”ということがテーマですから。
――ファンの方の推測などはチェックされているのでしょうか?
小島 全部は見れていませんが、予想だにしない方向にいっているものもありますし、意図的に埋め込んだのですが、まだ誰も気付いていないものもあります。そこには少し焦りがあって、自分で言ってしまおうかなと思っています(笑)。
――なるほど(笑)。最後にファンの方にメッセージをお願いします。
小島 『DEATH STRANDING』は独立後、最初の作品になりますので、しっかり丁寧に作りたいと思います。時間は少し掛かってしまいますが、必ずや、ある意味裏切るものにしたいと思いますので、皆さんで討論しながらお待ちいただければと思います。
――ありがとうございました。