アクションの幅や協力要素が大きく進化
ソニー・インタラクティブエンタテインメントアメリカが2016年12月3日、4日(現地時間)の2日間、アメリカ・アナハイムにて開催したコミュニティ・イベント“PlayStation Experience 2016”。開催初日の“Opening Showcase”で電撃発表された『KNACK(ナック)』の最新作、『KNACK2(ナック2)(仮題)』をプレイできる機会を得たので、その模様をお届けしよう。
『KNACK』と言えば……そう、プレイステーション4のローンチタイトルで、いまから3年ほど前(北米では2013年11月15日、日本では2014年2月22日)に発売された。『KNACK2(仮題)』は、1作目の技術をベースとしているが、アクションやステージのバリエーション、協力プレイの強化など、ゲームとしての“幅”が大きく広がっている。
■大人から子どもまで楽しめるゲームデザイン
1作目の『KNACK』は、よく言えば“シンプル”。しかし、見方によってはパンチだけでどんどん進めてしまうゲームでもあった。今回の『KNACK2(仮題)』ではさまざまなキャラクターアクションが追加されており、たとえばパンチボタンを長押しすることで連続パンチ、2段ジャンプ中に長押しすることでホバリング、L1ボタンでガード(ちゃんと体のパーツから盾を生成)のほか、パリィといった要素が基本アクションに含まれている。
もちろんこれだけではなく、ゲームを進めていく中で敵のガードを崩せるヘヴィパンチを修得したりと、プレイヤーが考える余地が増えている。これまで通り、ひたすらパンチやキックをくり出して前に進むこともある程度は可能だが、敵の状態やギミックに合わせて適切な技で立ち回ると、より有利に進めるといった具合だ。
また前作では、ステージ中にある“レリック”を自分のパーツとして取り込むことで巨大化(パワーアップ)する仕掛けがあったが、“強化状態を維持する”というゲーム性になっていた。『KNACK2(仮題)』ではここにも手が入り、R1ボタンでパーツを取り外し、サイズダウンすることで解けるギミックや隠し通路などが用意されている。状況に合わせて体のサイズを変えるというのは、『KNACK2(仮題)』のゲーム性のひとつと言える。
『KNACK2(仮題)』ではいくつかの難度設定があるが、それは単純に敵の強さだけでなく、ステージのギミックの難度や進行ルートにも影響を与える。同一のステージでも難度によってルートが分岐し、ゲーム体験も大きく変わっていく。また、何度かリトライをくり返しているとその区画をスキップできる仕掛けもあるようだ。
■強化された協力プレイ
個人的に大きな進化と感じたのは協力プレイだ。前作と同様、ふたりでの協力プレイが可能になっているが、前作ではふたりのプレイヤーの能力は非対称だった。『KNACK2(仮題)』ではふたりとも同能力のキャラクターを操り、協力プレイが楽しめる。
協力プレイを行うには、もうひとつのDUALSHOCK 4のPSボタンを押すだけ。いつでも参加でき、しばらく操作がなければ勝手にゲームから離脱する。このへんのシームレスな作りも印象がいい。
協力プレイでは、ふたりが干渉することでくり出せる技がかなり用意されており、相手のパーツを吹き飛ばすことで攻撃を行ったり、相手のパーツを一時的に借りて自己強化するという要素もあった。
おもしろい要素としては、L2ボタンで相手のところにワープできること。苦手なジャンプアクションのところは相方に先行してもらい、L2ボタンでワープといったこともできる。ステージから足を踏み外して、落下中にL2ボタンを押して命拾い、みたいなことも頻繁に起こる。協力プレイの場合は、どちらか一方が健在であれば何度やられてもゲームを続行可能なので、このワープの仕掛けも相まって、リトライの回数、そしてストレスが少ない。
『KNACK2(仮題)』は、シンプルさはそのままに、コアなゲーマからカジュアルプレイヤーまで楽しめる懐の深さがある。プレイステーション4のローンチで『KNACK』を遊んだという人には、とくにその進化を体験してもらいたい。