日本チームの奮闘を中心にリポート

 2016年11月19日、Wargaming.netはアメリカ・ニューヨークにあるAltman Buildingイベントスペースにて、PC用オンライン戦車バトル『World of Tanks』のオフライン大会“Challenger Rumble”を開催した。

 “Challenger Rumble”は北米、ヨーロッパ、アジアのそれぞれの地域の上位2チームが出場した国際大会だ。日本からは、10月にオーストラリアで開催された“Wargaming.net League APAC Season I Finals 2016-2017”で準優勝に輝いたB-Gamingが出場した。

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▲建物全体が『World of Tanks』一色。
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 大会の進行は配信の行われるメインステージのほかに、メディアが立ち入ることのできないバックステージエリアにもパソコンが並んでいた。日本から参戦しているB-Gamingはこのエリアで練習などの調整を行い、さらに配信されない第1試合目をこのバックステージで行った。

 B-Gaming最初の対戦相手となるのは北米リージョンのeClipse。詳しい試合内容は残念ながらプレスといえども立ち入って見ることができなかったが、0対5で完封をされてしまった模様だ。

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▲試合後に何やら話し合いをしているB-Gamingのメンバーを遠くから撮影。

 つぎの試合への待ち時間にB-Gamingの選手と話すチャンスがあったので軽く話を聞いてみたところ、通訳とのミスコミュニケーションなどがあった模様だ。

 というのも、『World of Tanks』では試合前に対戦するチームが使用するマップを選択するのだが、プレイしたいマップをPICKし、使いたくないマップをBANすることができる。だが、前述したミスコミュニケーションによりPICKすべきマップをBANし、BANするべきマップをPICKしてしまったらしい。

 また、今回のChallenger Rumbleに向けて新規加入したメンバーとの意思疎通も取り切れていなかったりと、いくつかのマイナス要素が重なってしまった模様だ。

 すぐさま反省会とつぎの試合に向けての打ち合わせを行うとのこと。だが、第2試合目の対戦相手であるDiNGは1試合目のeClipseよりも手強い相手だと分析しており、厳しい戦いになりそうだった。

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○第2試合 B-Gaming VS DiNG

 第2試合1マップ目はゴーストタウン。前半は防衛側としてスタートしたB-Gamingはティア10戦車のマウスを投入。しかし、DiNG側もマウスをはじめとする耐久力の高い車両を投入し、そのままキャプチャーサークルに入り込む。キャプチャーサークルに入ったDiNGの車両を攻撃してカウントダウンをリセットしようとB-Gamingが動くものの、つぎつぎと撃破されてしまい、ラウンドを落とした。

 攻守が入れ替わるゴーストタウンの後半。攻撃側となったB-Gamingはじっくりと相手にダメージを与えて車両数を減らそう動いた。だが、DiNG側が2対1と有利な状況下でも相手の戦車を撃破できず、さらに防衛ラインを突破されかき混ぜられてしまうなど、細かいミスが目立った。最後の最後は1対1の状況となるも、両車とも砲弾のリロード待ち中に遭遇。背後を取られてしまい、逃げようとひた走るB-Gaming側の車両をDiNGが後ろから追い回して体当たりし撃破。B-Gamingは勝てそうなラウンドを落としてしまう。

 第2試合2マップ目はプロホロフカ。攻撃側となったB-GamingはゆっくりとDiNGの防衛ラインへと接近し、一気に攻勢をかけて混戦に。キャプチャーサークルに入り、残存車両数で上回るも遠距離からの砲撃を重ねてくるDiNGにカウントダウンをリセットされてしまう。しかし、すぐフォローに入った味方が敵車両を撃破。3対1と車両数でB-Gamingが有利な状況になり、再度リセットに訪れたDiNGの車両を総攻撃で撃破。B-Gaming初のラウンド獲得となった。

 2マップ目の後半戦はB-Gamingが防衛側になり、DiNGが攻撃側へとスイッチする。序盤はマップの中央が前線となり、両陣営ともに牽制射撃に徹した膠着状態に。しかし、防衛ポジションをあまり変更しないB-Gamingの位置が少しずつバレてしまい、ジリジリと前に出てきたDiNGに包囲殲滅されラウンドを落としてしまう。

 第2試合3マップ目はステップ。攻撃側となったB-Gamingはマップの端から攻め落とそうとまとまって進軍するも、気付いたDiNGに面制圧をされてしまい、なすすべもなくラウンドを落としてしまった。

 3マップ目の後半戦。防衛側となったB-Gamingは何とか流れを変えたいところ。中盤になると、主力戦車が中央に集い、これぞ戦車戦と言わんばかりの攻防が行われた。B-Gamingは車両の数でこそ優位に立っているものの、残りHPではDiNGのほうが上回っており、不利ともイーブンともいい難い状態。しかし、IS-7を3両で囲い込んで砲撃を加え、数で上回ろうとしたB-Gamingに対し、DiNGの選手が離れた所から砲撃を加える。IS-7は撃破し2対1と車両数で上回ったものの、DiNG側はBat.-Chatillon 25 tを残している。DiNG側は機動力を活かして逃げ出そうとするも、B-Gaming側の攻撃が車両の後部に2連続ヒットして撃破。B-Gamingが2ラウンド目を獲得。

 第2試合4マップ目はムロヴァンカ。以前、負けが許されない背水の陣といった状態のB-GamingはT110E5を3両投入。ゲームは中盤に差し掛かる前、拠点1を守っていたB-Gamingは、最初に姿を表した北側のDiNGの車両に対し、丘の傾斜を盾として使いながら砲撃を重ねた。だが、突如として東側から一気にDiNGが押し寄せ、十字砲火を食らってしまう。拠点1をガードしていたB-Gaming側の4両がつぎつぎと撃破され、絶体絶命の状況に。駆けつけたB-Gamingの残り2両も数に押されてしまい敗北。ここでB-Gamingの戦いが終わってしまった。

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 試合後、B-Gamingの選手に率直な感想を伺ったところ、「悔しいというのもありますが、DiNG相手に2ラウンド取れたのは大きいですね。新しいメンバーの加入があったり、あまり準備時間がかけられなかったのですが、自分たちのやってきた方向性が間違っていないことがわかりました」と答えてくれた。

 日本と海外のプレイングの違いについても質問したところ、「対応力の違いでしょうか。相手の配置のウィークポイントを見つける速さはもちろん、こちらの陣形に対しての対応速度とかが違いますね。僕たちは一瞬考えてしまった結果、後手に回ることがありましたが、相手は即決即断で対応してくる感じでした」とのこと。

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 まだまだ課題は山積みではあるものの、進むべき先の光明が見え出しているためか、明るい顔で語っているB-Gamingのメンバー。「まぁ、(2017年)1月からの新シーズンを見ていて下さい」と、最高の笑顔で次期シーズンでの活躍を約束してくれた。

 決勝はKazna Kru対DiNGで行われ、タイブレーカーへと突入するほどの激しいレベルで戦いが行われていたが、最終的にはB-Gamingを撃破したDiNGが勝利し、優勝となった。

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 優勝したDiNGと準優勝のKazna Kruは、2016年12月に開催される“Champion Rumble”に出場。世界最強エリアと呼ばれるCIS地域の代表NAVIとHellRaisersを相手にどれだけの戦いを見せてくれるのか楽しみである。

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▲モバイル版の『World of Tanks Blitz』大会“Twister Cup”も同時に開催されていた。大会の様子をスマホで撮影するCEO・Victor Kislyi氏の姿も。