『AVA』がファッションブランド“ROEN”とコラボを発表
2016年11月26日、ゲームオンはPC用オンラインFPS『Alliance of Valiant Arms』(以下、AVA)とファッションブランド“ROEN”とのコラボレーションを発表した。
発表を行ったのはクラブイベント“TOKYO BLACK CIRCUS Vol.0”内の1コーナー。『AVA』日本運営プロデューサーの井上洋一郎氏がステージに登壇し、コラボ概要やゲームの魅力を来場者にプレゼンした。
パーティーピーポーの視線を集める井上さん。取材のお誘いを受けたときから、おもしろい画だなと思っていた。わくわくしながら見に行ったら、やっぱりおもしろかった。現場の模様をリポートする。
パーティーピーポーはゲームに興味あり
connect HEARTは、ゲーム等を通してファッションブランドのデザインコンテンツを流通させる“デジタルアパレル事業”を推進している。要は、ファッションデザイナーが作ったアバターやアイテムをゲームに提供していくということだろう。
その事業を広く拡散するために立ち上げられたのが“TOKYO BLACK CIRCUS”だ。ファッション×音楽×ゲームを掲げる本イベント。そのコンセプト通りにアーティストやDJがフロアを盛り上げた。
DJのパフォーマンスで会場内が十分に盛り上がったところで、『AVA』のコラボ発表コーナーがスタート。ここでは井上氏と鮎貝氏に加え、TOKYO BLACK CIRCUSのプロデューサー・高原啓氏が登壇した。高原氏は今回のコラボの立役者である。
『AVA』は重厚なビジュアルが持ち味なだけに、黒が印象的なロックテイストの“ROEN”との相性はいいに違いない。会場内にはそういう服装の男子がたくさんいたので、彼らもみんな『AVA』をやったらいい。
発表されたコラボ内容は、2016年12月7日~2017年2月頃の期間中、“ROEN”デザインの装備がゲーム内で手に入るというもの。。コラボ装備はアサルトライフル“Mk.20 SSR Roen”、手榴弾“M67 Roen”、近接武器“Rooster Roen”の3種類だ。
一応、説明しておくと“Rooster Roen”はニワトリで攻撃する武器である。アサルトライフルと手榴弾はわかるとして、なぜ近接武器にニワトリを選んだのか。高原氏によると「どうしてもニワトリがやりたかった。戦場にニワトリがいるというウィットがいい」とのこと。冗談もアリなのが個人的にはうれしかった。
発表後は井上氏と高原氏がコラボ武器を使ってゲームプレイを披露した。来場者の反応は上々で、迫力のあるゲーム画面に見入り、銃撃戦が発生すると「おぉ~」と唸る人も多数。そんな中、いちばん妙な盛り上がりを見せたのは“Rooster Roen”を使った瞬間だった。
井上氏が“Rooster Roen”を振り回すたびに女子が「かわいいー!」と歓声を上げるのだ。そうなのか。おしゃれな女子たちはニワトリをかわいいと評価するのか。オフショルダーのミニワンピを着こなす娘も、明るめの髪をくるくるに巻いた娘も、みんなニワトリに夢中。男子諸君、これからはニワトリの時代だぞ。
ステージを見終わった僕の感想は“意外”だ。申し訳ないのだけど、来場者はそれほど『AVA』に興味を示さないと思っていた。
ゲームのイベントでも、目当てとは異なるステージが始まった途端に席を外す人は少なくない。ゲームファンだってそうなのに、今回の来場者は音楽やクラブの持つ雰囲気に浸りに来ているわけである。いきなりゲームの紹介が始まったら困惑するんじゃないのか。
でも、ふたを開けてみたら反応は真逆。井上氏も「アウェイだったらどうしよう」と心配していたようだが、杞憂に終わった。「せっかくだから楽しもう」とするのが、パーティーピーポーの性質なのかもしれない。帰宅後にひとりでも『AVA』を検索してくれたら試みとしては成功だと思うが、果たして。
井上氏にインタビュー。「思い出の場所でイベントができてよかった」
井上 (安心した表情で)あー、終わったー。
――おつかれさまでした。まずは感想をお願いします。
井上 ゲームオンに入社したばかりのときから、こういったイベントに参加したいと思っていました。なかなかタイミングやチャンスがなくて実現できなかったんですよ。前はここに遊びに来ることが何度もあって、その思い出のある場所でイベントに参加できてうれしかったですね。
――常連なんですか?
井上 昔はよくこの辺で遊んでたんですよ。夜まで仕事して、終電で六本木あたりに行って、3時くらいに帰ったり(笑)。12~3年前の話ですね。
――スクリーンの映像に『AVA』の画像が使われていましたよね。あれはどうやって作ったんですか?
井上 我々は素材を提供しただけなんです。それを、VJさんたちがカッコよくアレンジしてくれました。雰囲気がすごくいいので、うちの映像スタッフにも見に来てもらってます。
――何をきっかけでクラブイベントへの協賛や“ROEN”さんとのコラボが決まったんですか?
井上 マーケティング関係で伝手があったんですよ。最初は『AVA』とアパレルブランドのコラボ商品を作って販売する企画からスタートしました。
せっかく作ったんだからイベントで発表会をやりたいですねという提案が“ROEN”さんからあって。先ほどいっしょにステージに上がった高原さんがコラボ装備のデザインをしてくれたんですけど、彼が「イベントを立ち上げるので、ぜひ出てほしい」と言ってくれました。
――タイミングも合うし、いっしょにやりましょうとなったわけですね。コラボ武器の3種類はどういう基準で選ばれたんですか?
井上 高原さんと話をして詰めていきました。ライフルと手榴弾はすぐにオーケーが出たんですよ。近接武器を決める段になって「ふつうのは嫌ですね。なにかおもしろいものはないですか?」と聞かれたので、「『AVA』には生物兵器というものがあるんですよ」と提案しました。
――生物兵器と言うと、ニワトリとサバがありますよね。今回はニワトリが選ばれた、と。このほかに増えていく可能性はありますか?
井上 “ROEN”さんとの話し合いしだいですね。タイミングがよければやりたいなという気持ちはあります。いろいろな未来はあると思うんですよ。
――『AVA』として、ファッションや音楽以外のものとコラボをしていきたいという気持ちはあるのでしょうか?
井上 ずっと前から思っていました。ただ、なかなか機会がなくて。アニメや飲食系とコラボしたことはありましたけど。
――アニメのように、もともとゲームと相性がいいコンテンツとのコラボはこれまでにもありました。今回はなぜ直接的な関係が薄い“ファッション業界”とのコラボを決めたのでしょうか?
井上 親和性が高いものに目を向けるだけでは、プレイヤー層はなかなか広がりません。コラボはいろいろな人に知ってもらうチャンスです。そこにコラボの意味があると思います。
――来場者のみなさんは『AVA』の画面を見て、けっこういい反応を返してくれてましたよね。
井上 ちょっと意外でした(笑)。
――全体的に女の子の反応がいい印象がありました。
井上 後ろのほうまで、みんなこっちを見てくれてました。単純にうれしいですね。そういった意味でも、このイベントはいい経験だったなと思います。完全アウェイですし、本来なら早くどけよと思われても仕方ないですから。
――うれしい誤算ですね。
井上 昔から想像していたとおりのイベントだったので、やってよかったです。10年越しの夢を実現できたようなものです。予算の兼ね合いもありますし、先にやるべきことはたくさんあったので、優先順位を下げざるをえなかったんですよね。
おかげさまで8周年も迎えられますし、(『AVA』の運営を)長いこと続けてきたことも、ひとつの要因だと思っています。これをつなげていって、多彩なコンテンツとコラボをするなどして、いろいな人に知ってもらいたいという思いはありますね。
その後も実力派アーティストのパフォーマンスにより、フロアは大きな盛り上がりを見せた。今回はゲームオンのイベント担当スタッフも視察に訪れていたので、今後クラブテイストの演出を取り入れたイベントが開かれるかもしれない。
心地よい空気感に身を投じ、シークレットゲストの鬼龍院翔さんによる『女々しくて』で起きた軽い混乱を眺め、『AVA』の映像とクラブサウンドの融合に心を躍らせる。また、“ヲタリスト”としてアニメソングをヴァイオリンでカバーしているAyasaさんの演奏を生で聴けたのもよかった。
なお、鬼龍院翔さんは楽屋に戻る際に僕のすぐ横を通ったので「おつかれさまでした」と会釈をした。自慢!
(※一部、オフィシャルから提供された写真を使用しています)