石渡氏がギネス世界記録を申請!?

 韓国の釜山にある大規模ホールBEXCOにて、2016年11月17日より開催中のゲームショウ“G-STAR 2016”。プレイステーションブースにて行われた、アークシステムワークスの石渡太輔氏と森利道氏のトークショーの様子をリポートする。

ギネス世界記録申請の話も飛び出したアークシステムワークス“石渡太輔×森利道対談”トークショー【G-STAR 2016】_02
アークシステムワークス
森利道氏(写真左、文中は森)
『ブレイブルー』プロデューサー

アークシステムワークス
石渡太輔氏(写真右、文中は石渡)
『ギルティギア』ゼネラルディレクター

 トークショーは、石渡氏と森氏がMCの質問にそれぞれが答えていく形で進行した。まずは、「『ギルティギア イグザード』で作るのが難しかったキャラクターは?」という問いに対して石渡氏は、ザトー=ONEやディズィを上げていた。その理由を本人以外のキャラクターやオブジェクトを作らなければならないため、2キャラクター分作るのと同じくらいの労力がかかってしまうという。

 続いて、「『ブレイブルー』でもっとも印象に残っているキャラクターは?」という質問に森氏は、全キャラクターを自分の子どものように感じているとしながら、1キャラクターだけ上げるとしたら「学生時代から考えていたキャラクターだから」という理由でハクメンだという。さらに、いちばんデザインを確定されるのが難しかったキャラクターとしてラグナを上げていた。ラグナのデザインは何度も描き直したそうで、そのときの森氏の様子を見ていた石渡氏は「何度も描き直してはイラストを出力していたのですが、そのたびにコピー機のところでう~ん、う~んとずっと悩んでいました」と振り返った。

 つぎに「ブレイブルーを作ることになったきっかけは?」という質問。これに対して森氏は、「『ギルティギア』を作ってきたので、その知識や技術を使って新しいもを作ってみたかったのがきっかけです」と答え、世に贈り出すまではうまくいくのかどうかはわからなかったそうだ。しかし、「おもしろいと言ってもらえるのか、売れるのかというのは結果論であって、作っている側はこれは絶対におもしろいと思ってやらないと前に進めない」と、当時を振り返りながらゲームクリエイターとしての心構えを語った。

 また、『ブレイブルー』はただ対戦するだけではなく、コンテンツとして盛り上がれるようにストーリーモードなどを作ったことを付け加えた。格闘ゲームなのにアドベンチャーゲームのようなストーリーモードが入っているのを見た石渡氏は「最初はバカだなと思いました」と正直な感想を述べていた。しかし発売後に、格闘ゲームをやり込むプレイヤーと、格闘ゲームはやらないでストーリーモードだけを遊ぶプレイヤーたちが仲よくなっているのを見て、「森のやっていたことは正しかったんだな」と考えを改めたそうだ。

ギネス世界記録申請の話も飛び出したアークシステムワークス“石渡太輔×森利道対談”トークショー【G-STAR 2016】_04
ギネス世界記録申請の話も飛び出したアークシステムワークス“石渡太輔×森利道対談”トークショー【G-STAR 2016】_03

 トークの合間には森氏から石渡氏に質問を投げるシーンもあった。森氏の質問は、「ふつうに作曲しただけでも150曲はある『ブレイブルー』シリーズの楽曲の中で、いちばん記憶に残っているものは?」というもの。これに「図書館のテーマですね。確か、Imperial Codeというジン対ノエルの専用曲です」と答え、さらに「じつは、格闘ゲームの曲を作曲した数のギネス記録に申請しようかと思っています」と続けた。これには「ぜひやりましょう!」と森氏も乗り気だった。もしかしたら、石渡氏がギネス認定される日も近い!?

 続いて、来場者からの質問を受けるコーナーに。来場者からは「『ブレイブルー』シリーズはもう続編が出ないのか?」というファンならば気になる質問が投げられていた。これに森氏は「『ブレイブルー セントラルフィクション』でラグナの物語は完結しています。ただ、蒼の物語はもう少し続きますので、いろいろな形で蒼の物語が作れればうれしいなと思っています」と何らかの形で蒼の物語が続くことを示唆した。また、「ジンやノエルなどを主人公とした続編の可能性は?」という質問については「蛇足になりそうなので、そういった形での続編はあまり作りたくない」と森氏。

 その後は、「石渡さんにヴォルカニックヴァイパーを披露してほしい」と、かつてソルのボイスを当てていた石渡氏へ来場者からアツいリクエストが贈られると、恥ずかしそうに立ち上がりながら、「ヴォルカニックヴァイパー!」と迫力のボイスを披露。会場からはこの日いちばんの歓声があがっていた。

 最後の質問は、「石渡氏と森氏がお互いにどう思っているのか?」という質問。石渡氏が「彼にはもっといいものを作ってほしいと思っています。その理由は彼がいいものを作ると、僕もいいものを作らないといけないと思うからです」と言えば、森氏は「オレよりおもしろいものを作るんじゃねえと、そういうような気持ちでがんばっていきます」と返した。すると最後は「お互いに自分よりおもしろいもの作るんじゃねえ」(石渡氏)と思っているし、「最終的には俺のほうがおもしろいものを作ると思っているはずだから、今後もいいものを作っていきますのでよろしくお願いします」(森氏)とお互いが切磋琢磨して、良質なゲームを開発していくことを約束していた。

 最後は石渡氏が「ゲームをきっかけに友だちをたくさん作ってほしいです。いまの時代はいろんな国の人戦うことができますから、この輪もっと大きく広がるようにしたいです」とファンへメッセージを贈り、トークショーを締めくくった。

ギネス世界記録申請の話も飛び出したアークシステムワークス“石渡太輔×森利道対談”トークショー【G-STAR 2016】_07
ギネス世界記録申請の話も飛び出したアークシステムワークス“石渡太輔×森利道対談”トークショー【G-STAR 2016】_08
この日、プレイステーションブースでは、『ギルティギア』のミニトーナメントが開催されていた。
ギネス世界記録申請の話も飛び出したアークシステムワークス“石渡太輔×森利道対談”トークショー【G-STAR 2016】_05
ギネス世界記録申請の話も飛び出したアークシステムワークス“石渡太輔×森利道対談”トークショー【G-STAR 2016】_06
トークショー後は石渡氏のサイン会が行われ、石渡氏はファンひとりひとりと丁寧に接していたぞ。