オンラインの時代だからこそ見直される、ゲームを媒介にしたローカルな交流
現在アメリカのカリフォルニア州ロサンゼルスで開催中のインディーゲームイベント“IndieCade”。ゲームを通じてさまざまな表現や新しい遊びの形の発掘を目指す本イベントで定番のテーマとなっているのが、ローカルマルチプレイだ。
形式としては要はオフラインのマルチプレイなのだが、ここでは、オンラインマルチプレイの時代にあえて隣り合って遊ぶことの意味や、そこで生まれる感情を再発見するといった意味合いが強く、毎年何本ものローカルマルチプレイゲームが出展されている。
2日目の夜に行われるNight Games(夜空の下で遊ぶと映えるゲームがチョイスされるパーティー)で、そんなローカルマルチプレイゲームのひとつ『Block Party』を遊んできたのでご紹介しよう。
『Block Party』は、テトリス系のブロックを操作して遊ぶ、一種の落ち物パズル。最大16人が同時に参加可能で、プレイヤーは各自スマートフォンのWebブラウザーから専用サイトにアクセスし、ディスプレイに表示された左右移動・回転・落下ボタンを押し、ネット経由で操作してプレイする。なのでコントローラーを人数分用意しなくていいし、ソフトのダウンロードが必要ないので、通りすがりの人がすぐに参加できるのがポイントだ。
一方で見かけと違ってルールはテトリスと異なり、指定されたエリア内にブロックを落として埋めて、高得点を狙っていくという形。また、プレイヤー間で勝者を決めるというより、毎回の合計得点をセッションごとに競う、その場にいる人の協力プレイを求める内容となっている。
と聞くと簡単そうに思えるかもしれないが、16人ものプレイヤーが一斉に動くので、意思統一がなかなかうまくいかないのが面白いところ。というわけでプレイ中は、「7番の人、その左斜め下のアレ埋めてよ! いや、そっちじゃねぇ!」とか、「12番の人、通れないからちょっとブロック落としてずれてよ!」といった具合に声が飛び交うのだが、その見知らぬ人との交流が発生するのも設計のうちというワケだ。