怒られることもなくグラフィティ描き放題だメーン!
アメリカのカリフォルニア州サンノゼで、Oculus VRによる技術者向けカンファレンス“Oculus Connect 3”が開催中。本イベントでデモ出展されていたプログラムのひとつ『Kingspray』を紹介しよう。
本作は、廃墟の壁などに向かってスプレー缶でグラフィティを描くというシミュレーター。これまで競合するVRヘッドマウントディスプレイ“HTC Vive”向けに発表されていたが、今回Oculus Riftと別売りモーションコントローラーであるOculus Touchの組み合わせにも対応することがわかった。
グラフィティはいつも、ストリートアートなのか、ただの町の落書きなのか、その価値をめぐって意見が割れがち。これはグラフィティに「街中の他人の所有物に自分の痕跡を残す」という反社会的な挑発行為の側面があるため、宿命のようなものだ。しかし、VRならその辺の問題をすっ飛ばして、誰にも怒られずに好きなだけ描き放題。
バーチャル廃墟の壁に向かって、手に持ったTouchコントローラーをスプレーに見立ててシューッと走らせていけば、かなり思うがままにペイント可能。色やノズルなどを替えたり、ミスった塗りを取り消すアンドゥ機能を利用することなんかもできるので、ちょっと手をかければ、かなり「それっぽい」作品を作れるだろう。
なおステージ内はTouchコントローラーで行きたい場所を指示してワープし、自由な位置に移動することが可能。マルチプレイにも対応していて、今回のOculus Connectデモでは2人コンビで遊ぶことができた(公式素材では3人でのプレイにも挑戦している)。マルチプレイでは一緒にコラボレーションしてもいいし、そこら辺に落ちているもの(バスケットボールからビール瓶までさまざま)を投げつけて遊ぶこともできるし、VR空間内のスマートフォンやラジカセでヒップホップを鳴らせば、マルチプレイに参加している他のプレイヤーにも聞こえる。要するにそんな感じに町の不良よろしくダベって過ごすことも可能なのだ。
というわけで、創作系ツールとコミュニケーションツールを兼ねた面白い内容になっている本作。気になるステージのバリエーションについては、現段階ではローンチ段階で3ステージの収録が決まっており、以降も様子を見ながらの追加が検討されている。“壁”だけでなく、公園なんかのよくわからないオブジェをペイントするようなステージも考えているそう。個人的にはポスター落書きとかやりたいんですけどね。