国内外のキープレイヤーが多数登壇

 グリーと一般社団法人VRコンソーシアムは、日本におけるVR市場の振興を目的として2016年5月に開催した大型VRカンファレンス“Japan VR Summit”について、11月16日(水)に第2回を開催することを決定した。

国内VR市場の活性化を目指す“Japan VR Summit”第2回が11月16日に開催決定――テーマは市場躍進を遂げる“中国”_01

 約500名が参加した第1回では、HTC、オキュラス、ソニー・インタラクティブエンタテインメントというVRプラットフォーマーの事業責任者が一堂に会するなど、VR市場への期待をうかがわせる盛況ぶりを記録。第2回は北米同様に盛り上がりを見せる中国をテーマに、中国VR市場のポテンシャルや投資家が見るVRの収益化などが語られる予定だ。

 また本日9月29日(木)、第2回に先駆けて開催された報道関係者向けの事前説明会では、グリー 取締役 執行役員の荒木英士氏、VRコンソーシアム 代表理事の藤井直敬氏が、“Japan VR Summit”の開催概要などを解説した。

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▲荒木英士氏
▲藤井直敬氏

 VR市場の振興を目的とするだけに、“企業の意思決定に直接影響するような人が最新のVRに触れられる”というコンセプトをもって開催される“Japan VR Summit”。第1回の参加者属性では、IT・通信関係者、ゲーム関係者、総合エンタメ関係者などが割合の多くを占めているが、一方で広告、金融、不動産といった多彩なジャンルからも参加者が集まった。

 また藤井氏は、5月の開催から数ヵ月のVR市場を振り返り、「VRという言葉が一般的になったのがここ数年、一般の人が触れられるようになったのがここ半年」と解説しつつ(「半年で振り返るのはいささか乱暴ですが……」)、Virtual Reality=仮想現実という訳が一般的になりつつあるが、本来“Virtual”は“見た目は異なっていても、実質的には同じもの”という意味を有するため、本来の“VR”の意味からズレていると指摘。そのうえで、VRとは何か、VRは何ができるのかを考える必要があると語った。藤井氏いわく、「個人的に、VRとは単なるテクノロジーではなく、人間の認知や世界との関わりかたを変えていくもの」。ハイエンドHMDが数万円レベルで購入できるようになり、春以降はメディアでもVR特集が組まれることが増えた。ここ半年で「VRが市民権を得て、“なんだかよくわからないけど流行っているらしい”という“レディ、ゴー”の状態が一般の人にも伝わっている」(藤井氏)状況が生まれているのだ。一方、藤井氏は新技術の期待度などを表すハイプ・サイクルを示し、「これから1年くらいの間に、必ずガッカリする期間がやってきます」と断言(ちなみにいまは黎明期を少し過ぎたところ、とのこと)。これはVR関係者やVR従事者の熱意や資金が動くことで必ず乗り越えられるとし、「ガッカリのフェーズを最小化し、成長のカーブに乗ることがVR関係者の望むこと」と、日本におけるVR市場の現況を説明した。

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 このような背景で開催される第2回、“Japan VR Summit”だが、前述の通り、テーマは“中国”。中国のVR市場規模は2016年に約870億円、2020年には約8570億円に達すると予想されており、じつに多くの企業がVR事業に取り組んでいる。中国市場ではハードウェア開発が盛んに行われていることが特徴として挙げられ、VRのヘッドセットを作っている会社だけで100社以上あるのでは、とのことだ。そんな成長著しい中国VR市場から、トップクラスの企業が“Japan VR Summit”に参加。“世界最大?中国VR市場のポテンシャル”と題されたセッションでは、モバイルVRメーカー・プラットフォーマーのBaoFeng Mojing、PC VRメーカーの3Glasses、VRアミューズメント会社のShanghai Famikuなどからキーマンが登壇する。荒木氏が成長を遂げる中国トップ企業の特徴として挙げたのが、「とにかく全部やる」点。プラットフォーマーやデベロッパーなど役割分担の進む日本や欧米とは異なり、今回参加する中国企業の多くがハードを作り、プラットフォームを運営し、コンテンツも作り……と、包括的に事業を展開している。セッションでは、その理由やメリット・強みといったところも語られるようだ。

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 またこのほか、第1回同様プラットフォームの大手企業が一堂に会し、5年~10年後の市場を見据えるセッションや、施設型のVRアトラクションにフォーカスしたセッション、ゲーム以外におけるVR・ARの活用事例が語られるセッションなどが実施予定。第1回より会場規模を拡大し、デモ出展も2倍~3倍に増える模様だ。開催の詳細は、公式サイトへ。

“Japan VR Summit 2”開催概要

◆日時:2016年11月16日(水)9:00開場 10:00開始(21:30終了)
◆会場:ロイヤルパークホテル(東京・水天宮)
◆主催:グリー、一般社団法人VRコンソーシアム
◆運営:Japan VR Summit事務局
◆参加費:早割(10月25日まで)およびVRC会員料金:32000円[税込]/正規料金:50000円[税込]
◆概要:VR市場におけるキープレイヤーによるパネルディスカッションの他、協賛および招待企業によるデモ展示を実施。
◆参加申し込み方法:公式サイトの「お申し込み」ボタンより、チケット販売サイト(Peatix)へ遷移し、お申し込みください。
※Facebook公式アカウント
◆スケジュール
10:00 開会挨拶
10:05~11:15 Session I:「VR トッププレイヤーが描く2020年のビジョン」
11:45~13:00 Session II:「世界最大?中国VR市場のポテンシャル」
13:00~14:15 Welcome Lunch
14:15~15:30 Session III:「先駆者から学ぶ~VRアトラクション編~」
16:00~17:15 Session IV:「さまざまな産業におけるVR/ARの活用事例」
17:45~19:00 Session V:「投資家が展望するVRの収益化」
19:30~21:30 Reception
※ セッションタイトルおよび登壇者は、予告なく変更する場合があります。
※ Welcome LunchおよびReceptionは、軽食とドリンクをご用意した懇親会です。
◆登壇者
浜村弘一(カドカワ / 取締役 ファミ通グループ代表)
Karen Zu(Beijing Pico Technology Co., Ltd. / CMO)
川島優志(Niantic Inc. / アジア統括本部長)
久保田瞬(Mogura / 代表取締役 Mogura VR編集長)
Kevin Zhang(Upfront Ventures / Principal)
小山順一朗(バンダイナムコエンターテインメント)
Jessie Wang(3Glasses / Founder & CEO)
Joel Breton(HTC Vive / VP Global VR Content)
新清士(Tokyo VR Startups / 取締役)
高橋泰生(ソニー・インタラクティブエンタテインメント / グローバル商品企画部 担当課長)
田中章雄(インフィニティ・ベンチャーズLLP / 共同代表パートナー)
田宮幸春(バンダイナムコエンターテインメント)
Zeng Xianzhong(BaoFeng Mojing / Vice President Partner)
筒井鉄平(GREE VR Capital, LLC / Managing Director)
Tipatat Chennavasin(The VR Fund / General Partner)
Tony Mugavero(Little Star Media, Inc. / Founder, CEO)
Toby Zhang(CRCM Venture Capital / Partner)
中嶋啓之(ユー・エス・ジェイ / コンテンツ開発室 室長)
馬場功淳(コロプラ / 代表取締役社長)
速水和彦(セガ・ライブクリエイション / 取締役 施設事業推進部部長)
Frederick(Shanghai Famiku Co.,Ltd. / CEO)
※順不同、敬称略