ガスト×東映アニメーション『拡張少女系トライナリー』“実在”する少女たちを描く、ゲームとアニメのかつてない“融合”とは?【ガスト・土屋暁氏インタビュー】

『拡張少女系トライナリー』の原案・シリーズ構成などを務める土屋暁氏にインタビュー!

●“あなたの隣りにいる"少女たちを描くために

 ガストと東映アニメーション──ゲームとアニメの伝統あるブランドどうしが共同で立ち上げた、スマートフォンだからこそ実現する完全新作拡張少女系トライナリー。画面の向こうに“実在”するのは、特別な使命をもって戦う少女たち。ゲームとアニメの融合が描き出していく少女の“表と裏”を、スマートフォンのアプリひとつで楽しめる、“アニメクロスリンクRPG”だ。

 本作の原案とシリーズ構成などを手掛けている土屋暁氏は、これまでの作品において、とんでもなく奥深い世界観と、少女との次元を超えたコミュニケーションを描くことに心血を注いできたクリエイターである。東映アニメーションとタッグを組むことになった今回、その狙いと手応えをうかがった。

写真左:土屋暁氏(ガスト)
写真右:本川耕平氏(東映アニメーション)

※インタビューの前半は、週刊ファミ通2016年9月8日発売号(第1報)の記事に加筆。後半は、東京ゲームショウ2016の会場にて、土屋氏への単独インタビューを実施。


かつてない境地を拓く“アニメクロスリンクRPG”

──これまで、独創的なファンタジー世界を描き続けてきた土屋さんですが、今回初めて、現代の日本が舞台になりましたね。

土屋暁氏(以下、土屋) はい。私の作品歴をご存じの方は意外に思われるかもしれないですけれど、自分の中では筋道のあるチャレンジになります。これまでは、ファンタジーの世界にいる女の子と、現実の世界にいるプレイヤー自身が端末を介して、“平行世界に実在”する相手と仲を深める楽しさを追求してきました。すなわち、ファンタジーと現実の比率がある意味では半々だったわけですが、つぎの作品では、向こう側の世界も現実により近づけてみたいと考えたんです。環境、価値観の近い世界にいる者どうしがつながることで、相手に共感したり、反対に自分を理解してもらえる場面も増えるでしょうし、その積み重ねが、これまでも大切にしてきた“あなたの隣りにいる”感覚をいっそう強くするのではないかと。

──さらに本作では、ゲームとアニメの新たな“融合”も打ち出そうとしています。ゲームの要所でアニメが挿入されるようなスタイルとは一線を画すのですよね。

土屋 本作は、ゲームアプリであると同時に、完全オリジナルアニメの無料ビューアーでもあります。たとえばの話ですが、アニメのメインストーリーで少女が傷ついたり、悩んだりした翌日に、ちょっと元気になった様子が見られたとしましょう。「前日の夜に何かあったのかな」などと幕間を想像してみるのは、映像作品のひとつの楽しみかたですよね。そして、前日の夜に少女を元気づけたのは、彼女がスマートフォンを介して交流した相手だったのかもしれません。アプリ内で毎週配信されるアニメだけを観れば、戦う少女たちのストーリーとして楽しむこともできますが、ゲームで交流する少女の素顔と本心に触れると、感情移入もいっそう深まるでしょう。アニメで描かれるストーリーの幕間に介入し、戦う少女たちと交流できる、これまでにない試みとなるのが本作のゲームアプリです。

 
──東映アニメーションさんとは、どのような経緯でタッグを組むことになったのですか?

土屋 前作を開発していたとき、東映アニメーションの方とご縁があり、個人的に交流していた中で、つぎはいっしょにおもしろいことをしよう! という話に花が咲いたんです。

本川耕平氏(以下、本川) 今回、声優のキャスティングや、アニメ制作のプロデュースなど、弊社が得意とする分野で密に連携しております。本作ならではのクリエイティブに欠かせないアニメを実現するなら、どのような布陣で制作すればいいか。声優も、演技力や歌唱力など、どんなところを重視して決めるべきか。本作は、弊社としても魅力的な試みで、だからこそ気合を入れて臨みたいと思い、現場が存分にクリエイティブを発揮できる環境を整え、支えることに注力してまいりました。

──アニメの仕上がりはいかがですか?

本川 現在、第1話が完成し、それに続くエピソードを鋭意制作中ですが、我々としても自信をもってお届けできる手応えを感じています。アニメ制作を手掛けているfeel.さんは、女の子たちをかわいらしく描き、その背景をしっかり作ることにも長けているので、まさに期待していた以上の仕上がりになるかと思います。

土屋 トライナリーのキャスティングに関しても、作品のことを心から好きになってくれる人にお願いしたい、なおかつ実力がともなった、とりわけ歌唱力の高い人に命を吹き込んでほしいという自分のこだわりは、本作でも貫きました。選考にはかなりの力を入れまして、その甲斐もあり、現在進めている音声収録では、皆さんのすばらしい演技と歌声に日々感動しています。今回も“歌”が重要で、自分は毎日ヘビロテで聴くくらい気に入っているので(笑)、ぜひご期待ください。

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