ゲームというカテゴリを超越した“Area X”という体験

 2015年12月、アメリカ・サンフランシスコで開催された“PlayStation Experience”にて発表された『Rez Infinite』。2001年に発売されたドリームキャスト、プレイステーション2用ソフト『Rez』を高解像度リマスター化した作品……と説明されることが多いが、その表現は半分は合っているが、半分は間違っている。『Rez』と一線を画すもの、それが東京ゲームショウ 2016で初公開された“Area X”の存在だ。“Area X”は『Rez』の追加ステージと思われがちだがそうではない。“Area X”は『Rez』のさらに先にある“新たな体験”なのだ。本稿を手掛けようと思ったきっかけは、“Area X”を体験して衝撃を受けたから。そして、『Rez Infinite』、“Area X”の特徴、魅力が浸透していないと感じたからだ。長い文章でダラダラと説明するのは意味がないので、まずは『Rez Infinite』の概要を箇条書きでまとめる。

『Rez Infinite』概要
・『Rez』を高解像度リマスター化
・プレイステーションVR対応
・プレイステーション4 Proでは4K&HDR対応
・通常のプレイモードのほか、各ステージが選べるトラベリングモードやスコアアタックモードが追加
・“Area X”が追加

 続いて“Area X”の特徴をまとめよう。

VRの新たな可能性を提示する『Rez Infinite』“Area X”_01

“Area X”の特徴
・最新技術を用いて作られたエリア
・量子化されたパーティクルだけで構成された世界
・360度、自由に移動できる
・R1で前進、R2で後退

 さらに、9月20日に公開されたPVをご覧いただきたい。“Area X”の映像は15秒から。

 断言するが、“Area X”は『Rez』とは別のゲームだ。水口氏も「“Area X”は『Rez』、そして精神的続編の『Child of Eden(チャイルド オブ エデン)』のさらに先にある作品へのプロローグ」と述べている。

 “Area X”を遊んだ感想を誤解を恐れずに言えば“Area X”はゲームというカテゴリーに縛られるものではない。「“Area X”という体験」であり、『Rez』とも違う、ゲームとも違う。これまでに感じたことのない感覚、感情が押し寄せてくる“Area X”は、プレイステーションVRの新たな可能性を提示した作品として語り継がれるものとなるだろう。