プロレーサー&ユーザーの白熱のタッグ戦をTGS会場で開催
2016年9月15日(木)から9月18日(日)まで、千葉・幕張メッセにて開催されていた東京ゲームショウ 2016(15日・16日はビジネスデイ)。最終日となる18日、ソニー・インタラクティブエンタテインメントのメインステージにて、PlayStation祭 『グランツーリスモSPORT』が実施された。このステージは、予選タイムトライアルを勝ち抜いたユーザー代表と、現役プロドライバーが使用しているクルマのメーカー毎に、ふたりひと組のチームを組んで、“TGS2016チャンピオンシップ”と称したエキシビションマッチを繰り広げるものとなっている。
本日のエキシビジョンマッチにエントリーしたメーカーは、BMW、日産、トヨタの3メーカー。ここで、本日のレースに参加する予選を勝ち抜いたユーザー代表と、現役プロドライバーの紹介が行われた。
■Team トヨタ
■Team 日産
■Team BMW
まずはレース開始にあたって、3人のGTドライバーたちから抱負コメントが語られた。
伊藤選手「このゲーム、見ての通り非常にリアルなので、僕たちもリアルにレーシングドライバーとしてのパフォーマンスを見せられるようにがんばりたいと思います」
千代選手「今回、TOYOTAチームの伊藤選手、BMWチームの荒選手は、レース界では大先輩ですが、ゲーム歴は僕のほうが長いと思うので、今日はゲーマーとしてがんばりたいです」
荒選手「僕はこの中では、アナログな人間代表です。実車でレースをする感覚が、どれだけ『GT』に通用するのか。それが僕の今日の勝負です」
今回のレギュレーションについては、予選通過ドライバーとプロドライバーが、メーカー毎にチームを組んで争うエキシビションマッチレースとなっており、着順によって1位10ポイント、2位8ポイント、3位6ポイント、4位5ポイント、6位1ポイントが与えられ、ふたりの合計ポイントで優勝チームが決定。コースはニュルブルクリンク北コース(一周)で、それぞれのメーカーのGT3車種を使用する。なお、今回はユーザーの予選通過タイムでスターティンググリッドが決定する特別ルールが採用されている。
各チームの使用マシンは以下のとおり。
Team BMW:M6 GT3
Team 日産:GT-R NISMO GT3 N24 Schulze Motorsport
Team トヨタ:Toyota FT-1 Vision Gran Turismo Gr.3
レース実況は、スーパーGTの実況解説でもおなじみの木幡ケンヂ氏が担当。ホンモノのレースさながらの実況で、レースを盛り上げてくれていた。
「今日は伊藤選手、千代選手、荒選手という、スーパーGTを代表する贅沢な面々ですね。千代選手は、相方がFIAのネイションズカップで優勝(※)している選手ですから、期待していいんじゃないですかね。
※…5月20日(現地時間)、イギリス・ロンドンで開催された、『グランツーリスモSPORT』FIA(国際自動車連盟)オンラインチャンピオンシップのプレシーズンテストイベントで実施された、FIA公認レースのひとつ。今回、予選から勝ち上がったS-Roadこと高橋選手は、記念すべきFIA公認『GT』公式大会初の勝者。“GTアカデミーby日産×プレイステーション”の参加者ということで、千代選手とは師弟の間柄ともいうことができる。
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どのチームが勝つのか? いよいよレーススタート!
スターティンググリッドは、ポールポジション:荒選手、2番グリッド:S-Road選手、3番グリッド:千代選手、4番グリッド:HAMUDA選手、5番グリッド:teru選手、6番グリッド:伊藤選手の順。選手たちのスタンバイが整ったところで、“TGS2016チャンピオンシップ”エキシビションマッチがいよいよスタート。
ホールショットはポールスタートの荒選手が決めたものの、すぐにS-Road選手が抜き返し首位に立つと、そこからぐんぐんと後続を引き離し、独走状態を形成。2位には、HAMUDA選手がつけ、その後ろで荒選手と千代選手がテールトゥノーズの激しい争いをくり広げる展開がしばらく続くことに。3位以降は膠着状態のまま、レースは中盤戦に突入。
トップで完全にひとり旅状態のS-Road選手は、木幡氏の「ちょっと空気を読んでほしいなぁ」の実況を意識したのか、気がつくと2キロの名物ロングストレート(ドッティンガー・フーエ)に差し掛かる頃には後続勢が迫ってくる展開に。これまでのレースでも、数々の名場面を生み出してきたドッティンガー・フーエでは、スリップストリームを使っての激しい抜きあいが発生。ここで千代選手がトップに立つと、会場は大盛り上がり。その後も激しく順位が入れ替わりながら、最終コーナーに突入。最終的には激戦を制した千代選手がトップチェッカー。2位は同じTeam 日産のS-Road選手が入り、以降は3位・HAMUDA選手、4位・伊藤選手、5位・荒選手、6位・teru選手ということで、見事ワンツーフィニッシュを決めたTeam 日産が優勝となった。
レースの最後、激しい抜き合いの際に千代選手がBMWをはじき出す場面があったが、どうやらその相手は荒選手だった模様で、「世界の荒をはじき飛ばした千代勝正。先輩・後輩はないんですね(笑)」と、木幡氏から弄られていた。
優勝を決めたTeam 日産の両ドライバーのよろこびのコメントは以下のとおり。
千代選手「最後すごかったですね。あんな団子状態になるなんて思いもしなかったです。拓也(S-Road選手)が空気を読んでくれたんだと思います。最後、荒さんにぶつけちゃったので、ペナルティが出ないかなと心配でしたが、勝ててよかったです」
S-Road選手「2位でしたが、チーム戦ということで、ワンツーを決められてよかったです。内心はトップを獲りたかったですが、千代さんは勢いに乗っているドライバーなので勝てなかったです」
激闘を終え、最後に今回のエキシビションマッチ参加ドライバーからのコメントが紹介されていった。
teru選手「緊張してうまく走れなかったんですが、楽しかったです」
S-Road選手「プロドライバーといっしょにレースをする機会ってほとんどないですが、そういった貴重な場所でいいレースができて、楽しかったです」
HAMUDA選手「こうやってGTドライバーの方といっしょにバトルができる『GT』はすごいです。これからの発売が楽しみです」
【2016年9月19日 17時15分記事修正】
記事初出時、HAMUDA選手とteru選手のコメントがそれぞれ異なっていたため、修正いたしました。読者の皆さまならびに関係各位にご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。
荒選手「今日は、本番のレースより緊張しました。アナログな人間が、実際のクルマで走っている感覚で『GT』をやってみたんですが、これだけ走れるということは、本当に精度が高いシミュレーターだと思います。僕は普段ゲームはやらないのですが、こういったレースも刺激的でいいですね」
伊藤選手「正直、負けて悔しいですね。これが単なるテレビゲームだったなら、負けても笑っていられるところですが、これだけリアルだと、本当に負けたことが悔しくなります。最後に追いついたとき、(チームメイトの)HAMUDA選手を押して前に出そうとしたんですが、うまくいかなかったですね」
千代選手「僕は少し前のスーパーGTで大クラッシュをして、前回のレースを休んでいたんです。レーシングスーツを着るのも2ヶ月半ぶりで、今回のレースが僕にとっては復帰戦でしたが、自分の感覚が鈍っていないことが実感できてよかったです。今回『GT SPORT』で走ってみて、すごいリアリティを感じたので、発売されたら皆さんも手にして、走ってみてください。僕のチームメイトのヤン・マーデンボロー選手や、ルーカス・オルドネス選手のような、ゲーマー出身のレーサーもたくさんいて、近い将来、ゲーマーからプロドライバーになる人間がたくさん現れる時代もすぐそこに来ていると思いますので、ぜひ皆さんも挑戦してもらって、モータースポーツに関わっていただけたらと思います」
以上をもって、『GT SPORT』“TGS2016チャンピオンシップ”エキシビションマッチは終了となった。なお、今回“TGS 2016”に私有された『GT SPORT』は、来週から開催される“PlayStation祭 2016秋”にも出展されるので、興味がある方は足を運んでみてはいかがだろうか。
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グランツーリスモ SPORT
メーカー | ソニー・インタラクティブエンタテインメント |
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対応機種 | PS4プレイステーション4 |
発売日 | 2017年発売予定 |