ダウンロード版はXbox OneとPCに両対応

 マイクロソフトから9月15日に発売予定のアクションアドベンチャー『ReCore』を紹介する。対応プラットフォームはXbox OneとPCで、価格はダウンロード版が税抜き5400円、パッケージ版が税抜き5900円となっている。

 『ReCore』はWindows 10とXbox Oneのクロスプラットフォーム購入に対応するXbox Play Anywhere採用タイトルとなっており、ダウンロード版は一回の購入でどちらのプラットフォームでもプレイが可能(パッケージ版は非対応)。Xbox Oneで使っているLIVEアカウントでWindows 10にログインすることで、セーブデータや実績などもサーバー経由で共有され、ゲーミングPCでプレイした続きをXbox Oneで遊ぶといったこともできる。
 またPC版はグラフィック関連の設定はもちろん、コントローラー操作とマウス&キーボード操作を選択可能だ。本記事の執筆にあたっては、Xbox Oneコントローラーとマウス&キーボード操作の両方を試したが、特に支障なく遊べた。

 またプレイ環境について一応別のオプションを補足しておくと、従来通りWindows 10のXbox Appを通じてXbox Oneからのストリーミングでプレイするという選択肢もある(ただし自宅など同一のネットワークに接続されている必要がある)。この場合はゲーミングPCほどのスペックは必要ない。

『ReCore』稲船敬二氏×元メトロイドプライム開発陣のタッグによる新作アクションがいよいよ登場。実機プレイ映像付きで真価を探る_07

人類の新たな楽園をロボットの反乱から救え

 本作はcomceptとArmature Studiosの共同開発タイトルとなっており、プロデュースをcomceptの稲船敬二氏が担当。ディレクションはRetro Studios在籍時に『メトロイドプライム』シリーズを手掛けたマーク・パチーニ氏が行っている。

 舞台となるのは、地球から遠く離れた惑星“ファーエデン”。死に至る“デビルダスト病”の蔓延により地球を捨てることになった人類は、この砂だらけの星の環境をロボットを利用したテラフォーミングで人類に適したものに変え、新たな安住の地とする移住計画を実行する。
 しかし、本作の主人公ジュールがコールドスリープから目覚めると、計画がなんらかの原因により中断しているばかりか、人間に代わってテラフォーミングの実作業を進めるはずの作業用自律型ロボット“コアボット”たちが異常動作していることが判明。ジュールと彼女に割り当てられた犬型コアボット“マック”が事態収拾のために奮闘するのが、本作の大まかな流れとなる。

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▲主人公のジュールと、彼女のコアボット“マック”。ストーリーが進むに連れて他のコアボットも仲間になっていく。

 人類の新たな栄光をともに築くべく作られたロボットたちが、何らかの原因により反乱を起こす……そんな話をどこかで聞いたことはないだろうか? これは実に稲船敬二氏の『ロックマン』シリーズ的なテーマだと記者は思う。
 では実際、アクションゲームを知り尽くした東西のクリエイターによる新作はどんなゲームなのか? 前説はこの辺にして、ゲームプレイの内容に迫っていこう。

TPSというより、完全にアクションゲーム寄り

 さて『ReCore』をジャンルでカテゴライズすると、TPS(三人称視点シューティング)型のアクションアドベンチャーだ。フィールドは各所のゲートで区切られた半オープンワールド的な作りになっていて、メインクエストで行く以外の場所にもサイドクエストや隠しアイテムなどが点在。寄り道的な探索もできるようになっている。

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 ジュールは初期状態から二段ジャンプとホバリングダッシュが可能で、これとコアボットの特殊能力やマップギミックを組み合わせることで、一見たどり着くのが難しそうな高所などに行くこともできる。
 こうしたアクションを駆使してアクロバティックなコースにトライするタイムアタック的なサイドクエストも用意されているのだが、さすがアクションの大ベテランと言うべきか、めちゃくちゃ挙動をコントロールしやすい。

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▲アクションを駆使しないといけないアクロバティックなステージも。

 アクションゲームとしての小気味よい動きは、戦闘時も同様だ。メイン攻撃が銃撃なので一応スタイルとしてはTPSだが、ジュールの銃攻撃には強力なロックオン機能があり、Lトリガーを引いている間は(よっぽど高速に動かれた場合を除けば)敵の中心をピッタリと狙い続けるため、TPSで敵を狙うのが苦手でも大丈夫。

 シューティング能力よりもむしろ、二段ジャンプやダッシュを駆使して敵の攻撃をかわしたり、タイミング良くコアボットのスキルを発動させて隙を作ったり、コンボゲージを増やすためにロックオン対象を適宜切り替えたり(雑魚敵を連続で倒すとゲージが増え、ダメージボーナスが入る)といった、アクションゲーム的な立ち回りや戦術判断の方が圧倒的に求められる。

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▲攻撃自体はトリガー引きっぱなしでロックオンして撃ってれば当たるので、むしろ攻撃以外の立ち回りや判断が重要。

 なお敵コアボットは赤青黄の3色およびそのミックス(赤青で紫など)でカラーリングされており、赤は燃やして追加ダメージ、青は電撃で痺れ効果、黄色は鈍足化といった具合に、同系統の機体でも色によって攻撃の傾向が異なる。
 これに対して、プレイヤーも弾や仲間のコアボットを切り替えて敵のカラーに合わせた攻撃をすることで、ダメージボーナスを得られるという仕組み。シンプルだがコンボによるダメージアップ(10コンボでは3倍に到達)と組み合わせると、もりもり体力を減らせるので、かなり気持ちがいい。

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▲青い敵は青の弾で攻撃すると倒しやすい。

 油断すると連撃で一気にやられたりするが、複雑なコマンド操作やシビアな入力などもなく、自動回復&弾も自動補給なので、落ち着いて対処できれば立て直しもやりやすい。アクションゲームとして間口が広く、極めようと思えば超効率的にバリバリ戦うこともできる、いい感じのバランスになっていると思う。

敵の撃破方法とカスタマイズが連動

 敵を倒す際は、体力を削りきって破壊するか、一定ダメージを与えてからジュールが腕に装備したグラップリングフックで敵のコアを抜き出すという2種類の方法がある(摘出時は綱引きのようなミニゲームが入るが、コンボが続いている時は、一気にコアを抜き出す“即時摘出”を使える)。
 これはコアボットのカスタマイズと連動していて、普通に破壊した場合はパーツの開発に使える素材が、コアを抜き出した場合は、ゲットしたコアを拠点で仲間コアボットの基本ステータスを上昇させるエネルギーに変換することができる(素材は落ちない)。

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▲オリジナルの黄色からホワイトカラーのパーツに換装したコアボット“セス”。

 各コアボットは、性格や個性を司るコアと、ギミックなどを司るフレーム(外装)から成り立っており、コアの強化とパーツによる強化の組み合わせで最終的な性能が決まる(全パーツを同じシリーズで揃えるとボーナスもある)。拠点では例えばマックのコアを別のフレームに入れるといったことも可能だ。

 コアボットはそれぞれ個性があり、ペットのようなかわいさがありつつ、戦闘では前線に出て敵の集中を引き付けるタンク的に戦わせることもできるので、相棒のような存在でもある。またジュールのカスタマイズ要素はなく、探索で体力値を増やすアイテムを手に入れるか、敵を倒した経験値で銃の性能が上がっていくぐらい。カスタマイズはほぼ完全にコアボット推しという面白い構成になっている。
 それだけに、できるだけカスタマイズして冒険に連れて行きたいのだが、タイトルを象徴するアクションであるコアの抜き出しをやるとパーツを作るための素材が手に入らず、普通に破壊するだけではコア摘出の恩恵を受けられないのがちょっと悩ましい。

やりこみ要素の半強制と現状のローディングの長さをどう捉えるか

 探索要素がいろいろあることはすでにご紹介したが、なかでもメインクエストの進行とも関わってくるのが、“プリズムコア”の探索だ。
 マップのエリアを区切るゲートはそれぞれ通行するためのプリズムコアの数が決まっており、既定個数のプリズムコアを持っていないと通ることができない。序盤はほぼメインクエストの進行だけでサクサク進められるが、やがて「先に進むために戻ってプリズムコアを探さなければいけない」というシチュエーションにぶち当たるようになる。

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▲巨大なエネルギーを秘めた“プリズムコア”。ストーリー上も、ゲームの進行上も重要なアイテムだ。

 プリズムコアはマップ上にアイコンが表示されていて、アクションを駆使すると進める変わった場所に落ちていたり、ミニボス的な敵が持っていたり、サイドクエストの報酬のひとつになっていたりする。それぞれ難度は異なるが、基本的にはやり込み要素的な性質の仕掛けだ。

 そういったやり込みを促進する要素があること自体はいいのだが、これが進行上で半強制的になっていると、ちょっと話が変わってくる。
 というのも本作、現状ではロード時間が長い。Xbox Oneでは、広いエリアだと2分強かかることもある(ちなみに使用したのは北米ローンチ時に一般購入したDay One Edition)。エリアの切り替えやダンジョンへの侵入、ファストトラベルでの移動、もちろん死亡時の復活のたびに長いロード時間が入るので、サイドクエストでミスって落下したり、ミニボスに返り討ちにされたりするたびに待ち時間が発生してストレスがたまる。

 また仲間のコアボットはストーリーを進めるとすぐに3体に増えるが、連れて行けるのは2体だけで、戦闘中にその2体を入れ替えることは自由にできるものの、拠点に置いてきた3体目を加えるにはファストトラベルのポイントまで戻らなければいけない。プリズムコアゲットのために特定のコアボットの特殊能力が必要なことも多く、「行ってみたら別のコアボットが必要だった」なんてことになると、結構時間のロスになる。

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▲例えば、レールで移動するにはセスが必要になる。

 しかし、仮にアップデートでローディングが短縮されたり、あるいはコアボットを全員連れていけるようになるか、せめて同行コアボットをその場で選び直せるようになったりすると、この辺の要素の印象も大分変わってくると思う。簡単なことではないと思うが(特にコアボットは経験値などの設計の前提が変わってしまう)、すでに書いたようにアクションゲームとしての土台の部分は遊んでいて気持ちいいので、ぜひアップデートでの改善をお願いしたいところ。