プレイ映像もあわせてお届け

 2016年9月20日に国内で発売が予定されている『Destiny(デスティニー)』の新拡張パック“鉄の章(RISE OF IRON)”。そのリリースに先駆け、開発会社であるBungieが、9月6日(北米時間)にメディア向けの体験会を開催した。本記事では体験会で録画した北米版“鉄の章”のプレイ映像を含めたインプレッションと、本拡張パックのディレクターを務めるクリス・バレット氏のインタビューをお届けする。

『Destiny(デスティニー)』新拡張パック“鉄の章”インプレッション&ディレクターインタビュー!_04
『Destiny(デスティニー)』新拡張パック“鉄の章”インプレッション&ディレクターインタビュー!_05
▲Bungieの社屋入り口。この壁の向こう側で『Destiny(デスティニー)』が作られているのだ。
▲入り口のドアの横には、これまで制作してきたタイトルすべてが書かれている。だが注目すべきは“WE MAKE GAMES,WE WANT TO PLAY(私たちが遊びたいゲームを私たちは作る)”のメッセージ。う~ん、シビレル!
『Destiny(デスティニー)』新拡張パック“鉄の章”インプレッション&ディレクターインタビュー!_06
『Destiny(デスティニー)』新拡張パック“鉄の章”インプレッション&ディレクターインタビュー!_07

サラディン卿の依頼を受けオールドロシアの郊外へ

 本拡張パック“鉄の章”は、『Destiny(デスティニー)』上で期間限定で開催されるPVPモード“アイアンバナー“を主催するサラディン卿に大きく関わる物語となっている。

 黄金世代のテクノロジー“シヴァ”をフォールンの一部勢力が発見し、その技術を用いてサイボーグとフォールンのハイブリッド種“スプライサー“が誕生してしまう。この新たな勢力を殲滅せんとするのが本作の大まかな目標だ。
 “鉄の章”のストーリーは、サラディン卿からオールドロシア郊外にある山岳部で活動するフォールンについての調査を依頼されるところからスタートする。

 このミッションは雪の降りしきる山岳部が舞台となるのだが、そのいたる所には過去に人間が活動していた痕跡が見て取れる。しかし、すでに人類の文明と言える物は駆逐されている状態ということもあり、その荒廃具合はコスモドロームを遥かに凌ぐ様相だ。

『Destiny(デスティニー)』新拡張パック“鉄の章”インプレッション&ディレクターインタビュー!_01
▲ガーディアンの接近を察知したのか、フォールンがつぎつぎと出現する。

 出現する敵は難度がノーマルでも推奨光レベルが280と少し高めで、出現するドレッグやバンダルといった敵もレベルが42もあり耐久度が高く、FPS慣れをしているからといって余裕をこいていると手痛いしっぺ返しを食らってしまう。

 この最初のミッションで筆者個人が楽しいと思ったのがロープウェイでの戦闘とボス戦だ。ロープウェイは移動時に使用するのだが、内部は狭く身を隠せるような場所もない。フォールン側はこれ幸いといった感じで周囲の崖から攻撃を仕掛けてくるので、反撃しようにも、ゴンドラが移動し続けるため、左右へステップを踏んでいる相手に対してなかなか有効なダメージを与えにくく、もどかしい思いをした。要修練といった感じだろうか。

 ミッション最後のボス戦はシヴァのテクノロジーを得たことにより超凶悪な敵へと変貌を遂げたセピックスプライムとの戦いになる。セピックスプライムといえば、強力なエネルギー弾を撃ち込んでくるのだが、そのレートも爆発範囲も若干強化されているように見受けられ、柱の裏に隠れてやりすごそうにも着弾時の爆風でダメージを食らうし、途中からドレッグやヴァンダルといった敵がワラワラと出現するのでてんてこ舞い。これ、ノーマルでこれだけシンドイならハードだと地獄になりそうです。

 実際に追加されるストーリーを遊んでみての感想だが、サラディン卿のバックグラウンドは謎に包まれており、対戦時に「クルーシブルに慈悲はない」と強烈なメッセージを投げるだけの人という印象だった。しかし、彼がこれまでにどんな戦いを経ていま現在のポジションになっているのかが判明したことにより、筆者の中にある大きな『Destiny(デスティニー)』という物語がより印象深いものとなった。いやぁ、広がっていく物語ってワクワクしますよ本当に。

 ちなみに“鉄の章”で追加されたストーリーミッションを完遂すると、コスモドロームがリマスター版に切り替わる仕様となっている。このリマスター版は新たにグラフィックスや景色が調整されたバージョンで、これまでとは異なるコスモドロームとなる。なお、旧版とリマスター版で切り替え可能になるとのこと。残念だがこちらは画像をお見せできないので、実際にその目で確かめて欲しい。

遊びごたえも十分な新ストライクミッション

 つぎに体験したのが新ストライクミッションとなる“The Wretched Eye“だ。こちらは時間の関係上、適正レベル38の難度EASYでプレイしたのだが、難度は高めで何度も倒されながら進むことになった。

 舞台となるのはもちろんオールドロシアで、シヴァの技術により強化されたスプライサーだけでなくハイヴの敵も多数出現する。敵を倒しながら進みボスを倒すという手順に関してはこれまでのストライクミッションと同様だが、道中にはシヴァノードと呼ばれるオブジェクトが配置されていることがあり、これを破壊しなければならない。

『Destiny(デスティニー)』新拡張パック“鉄の章”インプレッション&ディレクターインタビュー!_02
▲ハロウド・ウィザードやスロールといったおなじみのハイヴも出現。もう、三つ巴で凄い戦いになってます。

 だが、もちろんシヴァノードの近辺にはスプライサーとなったドレッグやサービターが多数配置されており、難度EASYでも手痛いダメージをうけてしまう。うーん、NORMALやHARDでプレイしたらどうなってしまうのだろうか?

 そして肝心のボス戦についてだが、シヴァの影響を受けている(?)ように見えるオーガと、コヴィック・スプライサー・プリーストという強力な敵が出現する。前述した通り時間の関係上じっくりと検証ができなかったのだが、いわゆる“安全地帯“は見つけられず、高難度で挑戦する場合、かな~りキツそうな印象だ。

ゲームディレクターのクリス・バレット氏にガッツリ訊いてみた!

 本拡張パック“鉄の章”でディレクターを担当しているクリス・バレット氏。1999年からBungieに入社し、同社が生み出した数々の名作に携わってきた氏にインタビューする機会があったので、色々と聞いてみた。

『Destiny(デスティニー)』新拡張パック“鉄の章”インプレッション&ディレクターインタビュー!_08
▲みずから「ポーズを取ろうか!」と気さくに話しかけてくれたクリス・バレット氏。

――今回のDLCではフォールンがスプライサーとなりますが、これはフォールン内の勢力として完全に分かれているのでしょうか? それとも、フォールン全体がスプライサーとなるのでしょうか?
バレット スプライサーはフォールンという大きな組織の中の1勢力で、彼らはテクノロジーに興味を持っている。フォールンにはハウス・オブ・ウルヴズやハウス・オブ・デビルズといった派閥がこれまでに登場してきたけど、異なる派閥としてスプライサーがいるんだ。

――ちなみにですが、『Destiny(デスティニー)』のゲームが始まったところから“鉄の章”までどれくらいの時間が経過しているのでしょうか? このDLCではオールドロシアの雪景色が見れるので気になったのですが……。
バレット 明言はできないが、プレイヤーの経験した2年間と同じくらいの時が経過したんじゃないかな? “鉄の章”は“降り立ちし邪神”の直後から物語が始まっているので、そんなに多くの時間が経過したというわけではないんだ。

――“鉄の章”で新たに追加されたストーリーを終えた場合、何か新しいリワードとして武器が貰えるのでしょうか?
バレット うん。その武器にはクエストさらにあるんだけど、これについては詳細は言えないんだ。

――デビルズ・レイヤーのリマスターについてですが、これはどういった意味でのリマスターなのでしょうか? よく古いゲームをもう1度売り出す場合にリマスターと呼ばれることがあるので混同しそうなのですが。
バレット リマスターというよりアップデート版というのが正しいかな。デビルズ・レイヤーの難度を上げることで“鉄の章”のテーマに合うようにしているんだ。ちなみに、セピックスプライムも登場するんだけど、旧版とは異なるシヴァのテクノロジーが投じられたバージョンなんだ。もちろん、アップデート版デビルズ・レイヤーのストライクは出てくる敵が変化していたりと、さまざまな調整を行っているよ。

――レイドについて何かちょっとでも良いので情報は出せませんかね?
バレット うーん、レイドとしては初めて地球が舞台としか言えないかな。重要なコンテンツだから言うことができないんだ。

 でも、9月23日(北米時間)にレイドをリリースするとき、過去のレイドもそうだったんだけどBungieでは車内の食堂にある大きなスクリーンでTwitchやYoutubeで配信をしているプレイヤーの映像を映し出し、その様子をみんなで見るんだ。これが滅茶苦茶面白くてクールなんだよね。
 プレイヤーの誰かが何かを達成したりボスを倒した瞬間、それまで固唾を呑んで見守っていたスタッフたちが大歓声をあげたりなんかもする。プレイヤーが初めて見た世界に挑む姿を見ているのは本当に楽しいよ。

『Destiny(デスティニー)』新拡張パック“鉄の章”インプレッション&ディレクターインタビュー!_03
▲Bungieのエントランスにもストリーマーが『Destiny(デスティニー)』をプレイしている様子が映しだされていた。どうやら常にゲーマーの動向をチェックしているらしい。

――最後に日本でも『Destiny(デスティニー)』をプレイしているガーディアンや、これから遊ぼうかなと思っているゲーマーにメッセージをお願いします。
バレット 『Destiny(デスティニー)』はどの部分を楽しむかに関わらず、素晴らしい内容になっているよ。対戦が好きならクルーシブルで遊ぶこともできるし、“鉄の章”ならプライベートマッチや新たなスプレマシーというモードやマップもある。ストーリーを楽しみたければ、これまでと違う新たなストーリーが楽しめるし、これまでに行った場所にもちょっとした変化が訪れていたりもするからもっともっと楽しめるはずだよ。リリースされたら皆さんと遊べるようにオンラインでプレイするつもりだから、ワクワクしているんだ。もちろん、僕だけじゃなくて社内の全員が楽しみにしている。

――リリース前のお忙しいところありがとうございました。
バレット こちらこそありがとう!