“ローグライク”の語源が3DアクションRPGに
Stormcloud Gamesの『Brut@l』を紹介する。本作は海外でPS4版が配信中。今後PC版の配信予定があるほか、日本でのPS4版配信も調整中で、海外PS4版のプログラムもすでに日本語化されている。
本作は、「ローグライクゲーム」の語源であるダンジョン探索RPGの始祖『Rogue』を題材に、ローグライクな3Dアクションとしたゲーム。というわけでマップやキャラクターをアスキー文字で表現していた『Rogue』に倣って、キャラクターデザインなどのアートスタイルにもアスキー文字が意匠として取り入れられている。
レンジャー、ウォーリアー、アマゾネス、ウィザードの4種類のクラス(職業)から使用キャラクターを選べば探索スタート。マップは自動生成で、その階のどこかにあるゴールを発見して飛び込めばクリアーとなり、次の階へと進む。そうして一応地下26階を目指すという形になっているのだが、これも実は『Rogue』オマージュ。もちろん、階が進むにつれて敵も強力になっていく。
なおソロプレイ以外にローカルでの2人Co-op(協力)プレイモードが存在するほか、エディターでマップを制作して公開できる“ダンジョンクリエイターモード”もある。
プレイヤーキャラクターは、体力、マナ、必殺技、そして飢餓のゲージを持つ。体力がゼロになると死亡で、飢餓ゲージが低下するとマナや必殺技ゲージの自動回復も行われなくなっていくといった感じ。
なお、食料を食べることで体力と飢餓ゲージを同時に回復可能なのだが、食料には限りがあるため、「腹は減ってるけど体力は満タン近いし……」、あるいはその逆「体力ヤバいけど満腹だし……」と悩みがち。だが、餓死でゲームオーバーがないので体力優先でいいと思う(ただし緊急回避的に使える必殺技が使えなくなっていくのは地味に痛い)。ちなみに、基本的には死亡すると最初からリスタートだが、集めた財産を神に奉納することで残機を増やすことができる(失敗すると神の怒りとして雷が落ちる)。
キャラクターの強化の方法は、レベルアップで得たポイントでアンロックするスキル/アビリティと、アスキー文字(というかアルファベット。もちろんルーン文字的な位置づけ)を集めて製造する各種武器、そしてダンジョン内の宝箱からたまにゲットできる防具(よく破壊される)。
ちなみにエンチャント武器で属性攻撃をしないと開かない扉や宝箱もあり、生存可能性を高めるためには、できれば各属性の武器を揃えていきたいところ(エンチャントルーンが揃っていればひとつの武器に複数の属性を持たせることもできる)。
なおクラスによって初期スキルが異なるものの、選んだクラスで習得可能なスキルが制限されることはない。スキルツリーを埋めていけば、他クラスの特徴的なスキルも習得可能だ。一方で必殺技もスキルのひとつでおり、装備する武器種ごとに覚える必要があるのが少々面倒。武器の性能は自動生成ではなく固定なので、そこそこ強い武器を入手したらそれに固執するという形になりやすい。
また『Rogue』を継承している要素として、素材ふたつと空き瓶を組み合わせて作るポーションもそのひとつとして挙げられる。ポーションは8色あってそれぞれ異なる効果を持つのだが、どの色がどの効果になるのかはダンジョンに入るたびに毎回変わる。
火炎ダメージを与える「地獄ポーション」だと思って投げたら「無敵ポーション」だった、なんてことも起こるので、階が浅いうちに敵に投げたり自分で飲んだりして実験しておかないと、強モンスターが出るようになっていてもはや気軽に試せないなんてことになりがち。
無敵ポーションなんてものがある時点で何となく察した人もいるかもしれないが、本作、いろんなところが結構アバウトな作りなのは否めない。先に進むための鍵がそこら辺の壷の中に入っていたり(適当に割っていかないと気付かない)、罠にあえて引っかからないと出現しない敵が鍵を持っていたり、あるいは敵AIが一部を除いて一直線にプレイヤーを追う程度の知能しかなかったり(断崖などを利用して簡単に罠にハメられる)、一時無敵の回避アクションが強すぎたり、ダブルジャンプに気が付くまで落下死しまくるハメになったり、無駄に歩き回らされる大迷路があったりと、“ローグライクアクション”というカテゴリーに対して、フェアに練られた胃がキリキリするようなシビアさを期待する人はかなり肩透かしを食らうと思う。
しかし、“現行のローグライクゲーム”としては上に挙げたような微妙な点がちらほらあるものの、「『Rogue』がもし3Dアクションだったら」というアイデアを形にしてみた以上の楽しさはちゃんとあって、ありそうでなかったアスキー文字オマージュのグラフィクもかっこいいし、(雑な分)かなり気楽にプレイできるので、つい何度もダンジョンに潜ってしまう。1フロアー5~10分程度なので、隙間の時間にプレイするには程良い感じだ(中断&再開も可能)。
というわけでコンセプトにグッと来て、手軽に遊べるアクションゲームを探している人ならば、あまり間違いはないはず。気になる人は日本配信の際にチェックしてみてはいかがだろうか。