「どんなゲームになっても、悲しいお話になるんじゃないかと思っていました(笑)」(津田)
2016年10月13日発売予定のプレイステーション Vita用ソフト『プラスティック・メモリーズ』。同作に登場するキャラクターを演じる声優陣に、ファミ通.comが独占インタビューを敢行。9回にわたって、そのインタビューをお届けしていく。第2弾は、縹ヤスタカ役の津田健次郎さんだ。
■津田健次郎さん(文中は、津田)
6月11日生まれ。『91Days』(ファンゴ役)、『ブブキ・ブランキ』(的場井周作役)、『薄桜鬼 ~御伽草子~』(風間千景役)など。
■キャラクター紹介
縹ヤスタカ
ターミナルサービスに10年以上勤務している古株の社員。勤務年数にしてはノリが軽く、年齢に応じたマジメさは感じられず、いまいちやる気も感じられない。
――まずは、『プラスティック・メモリーズ』がゲーム化されるというお話を聞いたときの感想を教えてください。
津田 「どんなゲームになるんだろう?」というのが正直なところで、本当にびっくりしました。それと同時に、またヤスタカを演じさせていただけるのが本当にうれしくて、ありがたい限りです。
――テレビアニメでストーリーがしっかり終わっている作品なので、それがゲーム化というのも意外ですよね。
津田 本当に意外でした。どういうゲームになっても、「たぶん悲しいお話なんじゃないの、コレ?」と思っていました(笑)。
――(笑)。縹ヤスタカ役を1年ぶりに演じられた感想をお聞かせください。
津田 意外とスムーズに終わることができました。テレビアニメの場合はみんなといっしょに同時に収録しているので、ノリで演じている部分がわりと大きかったりします。そのノリを「ひとりの収録でしっかり出せるかな?」と、唯一懸念していたところですが、大丈夫でしたね。
――ヤスタカは、不真面目な雰囲気のキャラクターですが、演じるのが難しい部分はとくにありませんでしたか?
津田 ふざけているのかマジメに言っているのか、どちらなのか微妙なところが少しあるので、読みにくい人でしたね。何を考えているのかわからない部分があるので、そこのさじ加減は演じてみて、音響監督さんに判断していただきました。
――そんなヤスタカの魅力を教えてください。
津田 本当に適当な感じのお兄ちゃんなんですが、でも仕事はすごくできるんですよね。チームの中ではものすごくベテランで、優秀なところと適当な部分があるのがいいですよね。適当に女の子とデートしているのか、じつはデートという名目で仕事をしているのか、といったミステリアスな部分もあり、非常に明るくて楽しいお兄ちゃんという感じもあるので、ギャップも含めて魅力なんじゃないかなと思います。
――今回、ゲームならでは見どころなどはありますか?
津田 社内の女の子とデートするシーンがあったりするのですが、その女の子が会社の中でも重要なポジションの子だったり、ほかにも社長令嬢とデートしていたり。それはテレビアニメでも描かれていなかったので僕自身もよくわかっていなかったことで、ゲームの台本を見て「そうなの!?」と思ったところでしたね。そういったつながりから情報収集をしたりしていて、「ああ、ヤスタカのデートって仕事だったんだ!」とすごくビックリしました。
――じつはSAI社第1ターミナルサービスの中でも、かなり重要なポジションだったと?
津田 相当重要なポジションだと思いますよ。これは脚本を担当した林(直孝)さんが考えていることではなく、僕の深読みなんですが、(桑乃実)カズキのやりかたは、ほかのチームや会社とは明らかに違うと思います。心のケアという部分に重点を置いていて、それは会社にとっての利益には本来ならないようなことですが、そういうことをカズキはやりたがっている。おそらく、会社や上司の反対を押し切って、強引な形でやっているのだと思います。そこをバックアップするための動きを、ヤスタカが担っているのではないかな、と。そういったトラブルに対処するための前提で、動いている人物なのだと思うんですよね。裏話ですがカズキと過去に何かあったというお話は林さんから聞いているので、そこで何かつながりがあるのではなかろうかと。……という意味でも、非常に重要なポジションだと思います。
――のらりくらりとやっているだけの人ではないと。
津田 そうですね、ゲームになるとさらにそういった要素がより強く出ていると思います。あと、じつはシェリーとの関係というのも、テレビアニメではほとんど描かれてませんでした。主導権を握られていて、いつも説教されている、というような表面上の姿は描かれていましたが、ゲームでは本来“ギフティア”に必要のないシェリーの戦闘能力にヤスタカが絡んでいたり、関係性としては非常に深いことがわかりますね。最初からヤスタカが求めていたパートナーだったんだな、と感じています。
――なるほど。より深くふたりの関係性が描かれるわけですね。しかし、こんなにも女の子がたくさんいるゲームで、ここまで男性キャラクターにクローズアップされることもなかなかないですよね。
津田 たしかに、なかなかないですよね。林さんならではの、ゲームの作りかたなのかなと感じています。
――ちなみに津田さんが考える、ギフティアとスポッターのベストコンビはいますか?
津田 どれもこれも凸凹コンビで、お互いに補い合っている感じはすごくありますよね。どれもベストと言えますし、どれも不完全とも言えるかなと。そこのそれぞれ違う味が、各パートナーたちにあるのかなと思いますね。
――本作は主人公のツカサとアイラが1ヵ月を過ごし、スケジュールを自由に組めるというシステムなのですが、もし津田さんならアイラとどういう風に過ごしたいですか?
津田 ……けっこうキツいですよね(笑)。前提として、離れ離れになっちゃうから……(苦笑)。まあでも、楽しく過ごすしかないかな。もしくは、本当に淡々と仕事をこなしていく感じ。テレビアニメでもアイラは、あまり深入りをしないようにしていたので。その2択のみだと思います。自分としては淡々と過ごすよりは楽しく過ごしたいですね。
――楽しく1ヵ月を送るとして、何かやりたいことはありますか?
津田 日常をどれだけ楽しく過ごせるのか、ということな気がします。ふたりとも仕事があるし、何かイベント的なことをやっていくよりは、日常の時間で過ごすほうが圧倒的に多いと思います。なので、日常のささやかな幸福みたいなものをどれだけ拾っていけるか? というのがいちばん重要だと思います。……なんか、リアルな回答になっちゃってますが(笑)。
――思わず真剣に考えてしまいますよね(笑)。1ヵ月後には必ず別れが訪れてしまいますが、津田さんでしたらどのように気持ちの整理をつけますか?
津田 うーん……しょうがない(笑)。「こればっかりはしょうがない、そういうものじゃないか」って、自分に言い聞かせますかね。なるべくなら、淡々と別れることを望みますね。
――テレビアニメではアイラと別れた後、ツカサが立ち直るまでの過程が描かれていないのも印象的でした。
津田 短い期間ではありますが、ツカサとアイラは思い残すことのないところまで、ふたりとも行けたというのがいちばん大きかったのだと思います。そこで中途半端に過ごしていると、なかなか立ち直るのも時間がかかると思うので。“関係性を深める”か、“深めない”かという2択に、“深める”という選択をしたからには、それは徹底的に深めていったでしょうし。もちろん別れは来ますが、最後はしっかりと地に足を着けてといいますか。大人になっていく物語ですからね。
――最後に、本作を楽しみにしているファンの皆さんにメッセージをお願いします。
津田 『プラスティック・メモリーズ』がゲームとしてこうやって帰ってこれたのは、応援してくださった皆様のおかげだと思います。ぜひ楽しみにしていてください。そして、ゲームが発売されたら楽しく遊んでいただけたらなと思います。近年まれに見る、とても美しい作品ですので、まだこの作品をご存じない方々もぜひ遊んでいただきたいですね。
【次回更新】2016年9月2日(金)12時公開予定
第4弾 豊口めぐみさん(桑乃実カヅキ役)
第5弾 日野聡さん(コンスタンス役)
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プラスティック・メモリーズ
メーカー | 5pb. |
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対応機種 | PSVPlayStation Vita |
発売日 | 2016年10月13日発売予定 |
価格 | 6800円[税抜](7344円[税込]) |
ジャンル | アドベンチャー |
備考 | 限定版は9800円[税抜](10584円[税込])、ダウンロード版は6000円[税抜](6480円[税込]) シナリオ:林直孝ほか |