2016年8月17日~21日(現地時間)ドイツ・ケルンにて、ヨーロッパ最大のゲームイベントgamescom 2016が開催。2K GAMESブースにて、『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VI』のプレゼンテーションが実施。その内容と、インタビューをお届けする。

日本のリーダーに“北条時宗”が選ばれた理由は? 『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VI』プレゼン&インタビュー【gamescom 2016】_05
▲gamescom 『シヴィライゼーション VI』ブースの様子。

 本作はゲームデザイナーのシド・マイヤー氏の名を冠するターンベースのストラテジーゲームシリーズの最新作。プレイヤーは対立する文明のひとつを率いて、世界を開拓し、ユニットを生産、戦争と外交で文明の対立を乗り越え、最終的な勝利を目指す。「あと1ターンだけ……」とつぶやきながらプレイを続けてしまう、高い中毒性がある作品として知られている。

 さて、『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VI』では新たな要素として、ディストリクト、アンスタッキングのほかに“アクティブ・リサーチ・システム”がある。科学技術の発展が、国の所在する環境とその環境の中でプレイヤーが起こすアクションに直結するという、“プレイヤーがワールドでやったことが文明の発展をより良くする”というシステムだ。たとえば、海岸線に都市を発展させていくと、セーリング(帆の表面を流れる風によって生ずる揚力を主な動力として、水上を滑走する技術)についての知識を深めることになり、砂漠の真ん中に都市を発展させているときよりセーリングのリサーチが早く進む。こうしたテクノロジーだけでなく、文化を基本とした都市開発を行なうことでボーナスを得られたり、蛮族のキャンプを攻め滅ぼすことでミリタリーボーナスがもらえたりと、リサーチが容易になっているのだ。

 このように、ゲームの中のすべての技術や都市開発は、地形に関係したブーストを得る。これによってこれまでのシリーズ以上に、マップの重要性は高くなっているのだ。マップは毎ゲームごとに変化するため、ディストリクトをどこに配置するかで獲得できるボーナスも当然毎回変わるので、リプレイ性も高いだろう。

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 プレゼンでは、リーダーについての言及も。先日公開されたのは、ペドロ2世(『V』の拡張パックで登場したブラジルの皇帝)、モンテズマ(都市国家テノチティトランの第5代君主にしてアステカ帝国の第2代皇帝)、そしてトミュリス(紀元前530年ごろ、族長だった夫の死を受けて、牧歌的な遊牧民族の指導者の座に就いたスキタイの女王、今日のカザフスタン)で、トミュリスはいままで登場したことはない新規キャラクターだ。トミュリス率いるスキタイはモンテズマほど攻撃的ではないが、彼女を裏切ると激しい怒りを買い、騎兵弓が押し寄せてくるだろうとのこと。

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 また今回はgamescomの場ということで、初公開となるドイツのリーダー、フリードリヒI世がお披露目された。“バルバロッサ”とも呼ばれていたフリードリヒI世は、赤ひげをたくわえたローマ帝国の皇帝。帝国を保持するために数々の戦争を勝ち抜いてきた豪傑だ。

 彼は最後まで戦士であり続け、第3回十字軍に参加して命を落としている。さまざまな都市での戦いに参加し、『シヴィライゼーション VI』でもそのバックボーンが活かされた能力が期待される。フリードリヒI世の特徴としては、政府に軍事政策スロットを追加し、戦闘においては、都市国家のユニットとの戦いでボーナスを与える。

 ドイツは、“自由帝国都市”によるボーナスにより、通常の人口制限による限度数を超える数のディストリクトを持つことができるそうだ。さらに、“ハンザ”という独自のディストリクトがあり、商業施設などと隣接したタイルに配置すればボーナスを得られる。

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 ドイツ現代時代の固有ユニットである"ユーボート”は生産コストが低く、外洋の敵と戦うことでボーナスを得られる。ドイツは生産力に特化しているところが強みで、どんな勝利条件も目指すことができるとのこと。その中でもとくにその軍事力をもってすれば、非常に大きな力を発揮するそうで、「バルバロッサがリーダーであれば、都市国家との外交など要らないかもしれない」と、プレゼンターはコメントした。
 さらに、自由帝国都市によるボーナスにより、通常の人口制限による限度数を超える数のディストリクトを持つことができるが、例えば各都市に信仰力を上げるホーリーサイト(聖地)やキャンパスを建設することで、科学および宗教に関してほか文明より先んじることができるのだ。

 宗教についてさらなる言及も。ゲームの序盤ではまず“信仰力”のパラメーターを溜め、パラメーターが十分になったら“パンテオン信仰(部族宗教)”を作ることができ、都市国家をより良くすることができるそうだ。“パンテオン信仰(部族宗教)”が生まれたら、続いて“大預言者”が誕生し、“大預言者”をホーリーサイト(聖地)へ移動させると、“大預言者”がプレイヤーの文明において宗教を創始し、歴史上優れた宗教やカスタム宗教を作ることができる。
 このとき、プレイヤーが信条を選び有利になるように定義付けを行うことで、ワールド全体に宗教を広めることが可能になる。ここで使徒や傭兵を使って遠隔の都市に広めていき、プレイヤーの宗教が主要となる世界中の都市国家を影響下に置くことで、“宗教的勝利”が達成されるのだ。宗教のシステムは進行上早い段階で登場し、信仰力増加に早期から着手できるため、“科学的勝利”や“文化的勝利”より先に達成しやすい。『シヴィライゼーション VI』では、宗教はとても重要になるだろう。

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 gamescomの開催に併せてフリードリヒ1世が率いるドイツの参戦が報じられたが、先日にはスペインの参戦が発表され、前回のイザベラ1世から息子の“フェリペ2世”がリーダーとして決定している。スペインの特徴を紹介する解説動画も公開されているので、合わせてチェックしてほしい。