『ストリートファイターV』綾野アシスタントプロデューサーインタビュー! 追加コンテンツから入力遅延まで、ディープな話題を直撃

カプコンから発売中のプレイステーション4、PC用ソフト『ストリートファイターV』。アップデートを記念して、本作の綾野アシスタントプロデューサーにインタビューを敢行。

●追加コンテンツから入力遅延まで、ディープな話題を直撃

 カプコンから発売中のプレイステーション4、PC用ソフト『ストリートファイターV』。いよいよ、新キャラクターのいぶきとバイソンに加え、『ストリートファイター』シリーズで初めて、映画のような演出で物語が楽しめる“ゼネラルストーリー”が追加される大型アップデートが行われた。今回は、アップデートを記念して、本作の綾野アシスタントプロデューサーにインタビューを敢行。追加要素のほか、コミュニティーで話題となった“入力遅延”や“マッチングの不具合”について直球の質問をぶつけてきた。

綾野智章氏(文中は綾野)
本作のアシスタントプロデューサー。プロデューサーの杉山氏とともに、精力的にPR活動を行う。

――まずは、今回新たに配信されるキャラクターについて聞かせてください。いぶきはどういったコンセプトのキャラクターなのでしょうか?

綾野 忍者の道具を使用した遊び、というものを考えていて、それらを使って以前のタイトルよりもより忍者らしい動きを追求しています。苦無(くない)や、Vトリガーの六尺焙烙玉を使ったギミックの遊びが盛りだくさん! というのがコンセプトです。

――一部の技がなくなったり、変更された必殺技もいくつかありますよね。

綾野 これまで用途の似た技が多かったのでいったん技を整理し、その代わりに忍者らしい遊びを増やして今回のいぶきが完成しました。とくに苦無は特徴的だと思います。ボタンをホールドすることでまとめて投げられたり、Vトリガーの六尺焙烙玉をEXクナイで誘爆させたりできるんですが、そのような忍具を使った闘いかたが、いぶきらしいと思います。また、必要に応じて補充するなど、苦無のストック管理が本作ならではかなと。

――なるほど。では、バイソンはどういったキャラクターなのでしょうか?

綾野 バイソンはダッシュストレートやダッシュアッパーといった従来の突進必殺技技に加え、アッパー攻撃を行う新技のスクリュースマッシュが追加されています。Vスキル(KKB)は前方に回転しながら移動し、追加コマンドを入力することで、ふたつの派生技に以降できます。回転動作中は飛び道具を避けられるので、飛び道具を多用する相手には積極的に使って行ってほしいですね。Vスキルで華麗に飛び道具を避けつつ攻めてくバイソンはすごくかっこいいですよ!

――ではつぎに、待望のゼネラルストーリーについてお聞かせください。シリーズファンとしては、『ストリートファイター』のキャラクターがドラマの中で動いているだけでもすごくうれしかったです。

綾野 『ストリートファイター』シリーズの場合、アニメやスピンオフ作品は多いんですけど、ナンバリングタイトルでCGのキャラクターがあそこまで動いて、物語を作るというのはこれまでなかったことですよね。これは初代『ストリートファイター』から数えて、29年目でやっと実現した本格的なストーリーモードです。従来のシリーズでは対戦のことばかりを考えていましたが、これをきっかけに世界観から入ってくれる新規ユーザーを取り込んでいきたいという思いもあります。

――アニメーションではなくて、バトルで使っているキャラクターやステージがそのまま動いてくれていることに驚きました。そこで実際にバトルが始まりますし。

綾野 最初はリュウでずっと闘っていく、という形を考えていました。ですが、ゼネラルストーリーを壮大なチュートリアルにしたかったという思いもあり、ストーリーにのめり込んでいくうちにいろいろなキャラクターをプレイし、終わってみたらひと通りのキャラクターを触っているような形がおもしろいのではないか? と考えたんです。それで終わったあとに、「あのキャラクターは使いやすかったな」と思い返していただいて、新規ユーザーさんに気に入ったキャラクターを見つけてもらうきっかけになると信じています。

――それでドラマパートの合間にバトルパートが挿入されていたんですね。

綾野 やはりゲームって双方向性(インタラクティブ)が重要な要素じゃないですか。映画のように一方通行で映像を見せるだけではなく、バトルパートを入れたのは見て楽しむものではなくてあくまで“ゲーム”なんだ! という意思の表れです。それと、遊ぶことを重視するというカプコンの社風もあるからかもしれません。ちょっと脱線しますが、『ストリートファイター』はいろいろなコラボも展開させてもらっていますよね。たぶんゲーム性にまで口を出すメーカーはあまりないんじゃないでしょうか?(笑) ちなみに、ゼネラルストーリーを最後までクリアーすること自体はさほど難しくはありません。ゼネラルストーリーを1度クリアーすると2周目から、敵が強いエクストラモードが遊べるようになっています。やり込みが好きな方はぜひそちらで腕試ししてみてください。

――ゼネラルストーリーのボリュームはどれくらいあるのでしょうか?

綾野 ストーリーは全部で5章あります。映像も含めて3~4時間のコンテンツがあります。

――バトルを飛ばすこともできるんですね。

綾野 ゼネラルストーリーではさまざまなキャラクターを使うことになっています。たとえばガイルのような“溜めキャラ”が苦手なのにガイルを使ってプレイしなければならない場面も出てきます。でもそこで、ユーザーさんにストレスを感じてほしくなかったんです。挫折してほしくもないので、どうしても苦手でクリアーできない場合はバトルを飛ばしてつぎのキャラクターを使ってもらいたい、というのが狙いです。また、新規ユーザーさんへの提案でもあります。

――実際にストーリーを制作してみて、いかがでしたか?

綾野 メッチャ新鮮でした。いままでの『ストリートファイター』の開発現場とは空気が違うんですよ。鑑賞会が始まったりして、新しいエフェクトや演出に、「おー!」と感嘆の声が上がったりして、映画を作っているみたいで、「これ『ストリートファイター』だよな?」と(笑)。

――カメラアングルなど、映画的演出を担当するスタッフも?

綾野 それは映画専門のメーカーである、ポリゴン・ピクチュアズさんにお願いしました。これまでも、『ストIV』シリーズのライバルバトルの構図やPVなどでいっしょにお仕事をさせていただいております。

――ということは、バトルを作るスタッフとは別に、ドラマパート専門のスタッフがいる?

綾野 専任スタッフと、バトルパートを兼任しているスタッフと混合で制作しています。技を作るうえでも、キャラクターのバックグラウンドを参考にすることも多いですから兼任スタッフは必要ですよね。あとは、開発チームにはいろんな人が集まっているので、ほかのチームに在籍していたときなど、以前に映像の経験を積んでいるスタッフもいます。

――なるほど。ナンバリングタイトルのストーリーを作るというのは、重大なお仕事だと思います。シナリオはいったい誰が考えたんでしょうか?

綾野 専門のシナリオライターが独占的に作るというわけではなく、みんなで意見やアイデアを出し合いながら作っていきました。僕もそうですが、社内には『ストリートファイター』が好きな人ばかりですからね。それでも一本筋を通さなければいけないところは、ディレクターの監修がビシっと入っています。

――ゼネラルストーリーの追加エピソードの配信予定はありませんか?

綾野 いまのところ予定はありません。個人的にはやりたいですね。たくさんの要望があれば、検討したいと思います。