前も書いたけど、動画を見ないと何言ってるかサッパリだと思います
Pillow Castleがパズルアドベンチャーゲーム『Museum of Simulation Technology』を紹介しよう。本作については、昨年インディーゲームイベント“Indiecade”に出展された際にリポートをお届けしたが、今回E3会期中に会場近くで行われた別のインディーイベント“MIX”でも出展されており、プレイ動画を撮影することができたのだ。
改めて説明しておくと、本作はメインクリエイターのAlbert Shih氏による個人作品として開発されているパズルアドベンチャー。発売日やプラットフォームなどは決まっていないが、現在のところPCで開発されている。
そのキモとなっているのは、“強制的遠近法”による錯視。巨大な像や建造物の前で、位置関係とアングルを工夫して、それが手のひらに乗っかっているように見える写真なんかを撮ったことがある人は少なくないと思うが、アレがまさに強制的遠近法によるトリックに他ならない。
影や視差の影響(あとこの形状の物体はこれぐらいのサイズだろうという常識)などを取り除けば、それが「近い所にある小さな物体」なのか、「遠い所にある大きい物体」なのかわかりづらいことを利用して、本作では物の“像”を軸に大きさが変化する。
具体的には、物を掴んでいる間は、その像(見え方)だけが固定され、離した瞬間に、その形状の物体がその像で存在しうる最大の大きさ(遠さ)で出現することになる。一方で、壁や床などを貫通するように存在することはできないので、あえて近くの壁や床などを背景に置いて離せば、物体を縮小させることもできる。
こうしてオブジェクトを“錯視を利用して”拡大・縮小することで、おもちゃのブロックや非常口誘導灯をスロープ代わりにしたり、大きな物体を窓枠の間から通したりでき、先に進むことができるようになるのだ。
カギとなるオブジェクトさえわかれば複雑で精密な操作は必要なく、パズルアドベンチャーとしてリラックスしてプレイできる作りなのもいい感じ。
これだけでも十分に面白いのだが、今回プレイできた先のステージでは、「ある角度からだと特定の物体に見える絵から物体を取り出す」という強制的遠近法以外の錯視を使ったギミックや、「止めようとすると増える目覚まし時計を使って階段を作る」といったような作者の悩みを感じさせるギミックなどもあり、どうやらワンテーマを淡々と続けるだけではなさそう。個人開発作品のため、完成まではまだ時間がかかりそうだが、今後に期待して続報を待ちたい。