『AVA』台湾プロリーグで腕を磨いたDeToNatorが優勝! 公式大会“AVARST2016”爆破部門リポート

2016年5月28、29日の2日間にわたって、PC用オンラインFPS『Alliance of Valiant Arms』公式大会“AVARST2016 Season1”オフライン決勝が開催。29日には爆破部門の王者が決定した。

●トップクラスの強豪チームが激突!

 2016年5月28、29日の2日間にわたって、ゲームオンが運営するPC用オンラインFPS『Alliance of Valiant Arms』(以下、『AVA』)の公式大会“AVARST2016 Season1”オフライン決勝が開催された。

 大会は“護衛”と“爆破”の2部門で実施され、28日にはConclusionが護衛部門で優勝を果たした。

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 29日には予選を勝ち抜いた爆破部門の強豪4クランが、会場となったアイ・カフェAKIBAPLACE店に集結。多くのクランが集まり、同窓会的な雰囲気だった前日とは異なり、ややピリピリムード。4クランともに企業のスポンサードを受けるだけの実力&実績を持っている。準決勝はRequish VS Galactic、F4E VS DeToNatorというカードとなり、それぞれRequishとDeToNatorが決勝に駒を進めた。

▲解説は長くトッププレイヤーとして活躍したDarkよっぴー氏(左)、実況はmejika氏(右)が担当。

▲僕はこういう環境で観戦。右側から実況・解説のコメントが聞こえ、分からないことがあったら、後ろで見ている選手に質問。超ぜいたく。

 プロゲーミングチーム・DeToNatorの『AVA』部門は台湾の『AVA』プロリーグ“A.V.A Elite League 2016”に参戦しており、トップクラスの成績を収めている。一時帰国をして日本の公式大会に出場するということで、プレッシャーは相当なもの。誰しもが「eスポーツ強豪国のプロ相手に戦っているんだから、日本では勝って当然」と考えるからだ。

 対するRequishはプロeスポーツチーム・DetonatioNの『AVA』部門。国内では間違いなくトップクラスの実力を誇り、何度もDeToNatorに敗戦の悔しさを味わわせている。なお、前日に実施された予選リーグでもDeToNatorを破っているため、Requishが勝つと予想するプレイヤーも多かったはず。それだけに「勝たなければ」という気持ちは強いだろう。

▲決勝戦は3セット先取のBO5形式。6ラウンドで攻守交代し、7ラウンド先取でそのセットで勝利したことになる。

 第1セットの使用マップはBLACK SCENT、Requish先行でゲームがスタートした。Requishは開始早々ラッシュをしかけ、流れを自分たちに引き込むことに成功。やや不利と言われる攻め側で3ラウンドも取得し、上々の立ち上がりを見せた。

 だが、その勢いはするがモンキー選手の活躍に遮られた。縦横無尽にマップ内を駆け、あらゆる武器で敵を撃ち抜いていく(『AVA』では倒した敵が落とす武器を拾って使用可能)。7対6の接戦を制し、DeToNatorが一歩リード。

 第2マップはASLAN。予選ではこのマップでRequishが勝っている。序盤の動きも鑑みると、実況のmejika氏と解説のDarkよっぴー氏は、「ASLANはRequishが取ってイーブンになるのでは」と予想していた様子。だが、勝ったのはDeToNatorだった。実況・解説の両名ともに、中盤以降の展開を見て、「予選で一度戦ったこともあり、Requishの戦法を予想していたのでは」と、考えを改めていた。トップチームともなると、修正能力も半端ではないということか。

▲GalacticとF4Eの選手にこの展開をどう見るか聞いたところ、「Requishがやろうとしていることを、DeToNatorが先回りしてつぶしているように見える」と教えてくれた。ほほう、なるほど。

 第3マップのFOX HUNTINGでも、予選ではRequishが勝っている。ふつうに考えたらDeToNatorが不利なはずだが、彼らはそれでも劣勢を覆した。7対4でこのセットを制し、まさかの3タテで優勝をもぎとったのだ。

 解説のDarkよっぴー氏は「Requishは戦いかたがパターン化している」と分析。それぞれの作戦が異常なほど強力なのは間違いないのだが、台湾のプロリーグでもまれたDeToNatorの対応力が上回ったのだろう。

▲爆破部門優勝:DeToNator

▲爆破部門準優勝:Requish

●優勝したDeToNatorの5人にインタビュー

 表彰式終了後、DeToNatorのSyaNha1(しゃんはい)選手、Ak~ayS(しゃか)選手、RobiN-(ろびん)選手、するがモンキー(するがもんきー)選手、Saih4tE(さいはて)選手をつかまえて話を聞いた。

 やはり精神的にそうとうキツかったようで、「応援してくれた方の期待に応えることができて、うれしい」だけでなく、「ホッとします」のような安堵のコメントも出てきた。リーダーのSyaNha1選手は「いままででいちばんプレッシャーのかかる大会でした」と、胸をなでおろす。ちなみに、僕も前日に「台湾帰りで負けたらカッコ悪いよー」とプレッシャーをかけた。

▲前日の様子。ニコニコしているが、内心は緊張がすごかったらしい。左の人はDeToNatorの元選手・上海紅茶館氏。

 28日に行われた予選リーグ初戦ではRequishに敗退。この敗戦を、Ak~ayS選手は「日本チームと台湾チームのプレイスタイルの違いに対応し切れなかった」と分析していた。だが、毎週のようにオフライン決戦に出場する台湾での生活で精神的にも強くなり、終盤には慌てることなくプレイに集中できた。

 聞きたいことはいろいろある。ここからはインタビュー形式でどうぞ(文中は敬称略)。

――台湾チームと日本チームはどう違うと感じましたか?

RobiN- 台湾はパワープレイ、日本は頭脳プレイ。そういう違いはあると思います。

するがモンキー 僕もそう思います。台湾は力で押しつぶすというか、圧力がすごい。日本は作戦が多い印象です。

Ak~ayS 台湾はどんどん来るんです。ひとり倒しても、「まだ詰めてくるのか!」みたいな。日本は最初に有利な状況を作ったら、なかなか出てこない。慎重でいやらしい戦いかたをするチームが多いです。

――スタイルが違うわけですね。単純な比較は難しいと思いますが、強さに大きな差はありますか?

SyaNha1 日本のチームは強いと思います。オンラインの練習だと僕たちもふつうに負けることありますし。そう考えると、日本のトップと台湾のトップ、そんなに差はないと思いますね。

するがモンキー 台湾は強い、日本はうまい。

――なるほど。わかりやすい。ほかのプレイヤーは「Requishがやりたいことをつぶしている印象を受けた」と言っていました。それについてはどう思いますか?

Saih4tE 初日はこてんぱんにやられて、どうなるかと思っていました。個人個人でRequishの試合を見たりして、動きの傾向が見えたので、即座に連携し合って対応できたんじゃないかなと。

Ak~ayS Requishはたしかに強いんですけど、作戦が少ないと感じました。グレネードとかスモークの投げかたが一定で、ポジションを読みやすかった。

――最終的には3タテ。これだけ見れば圧勝ですけど、それぞれのラウンド取得数を見ると7対5とか接戦でしたよね。焦りは感じましたか?

Ak~ayS 1マップ目のBLACK SCENTは感じました。正直言って、あれは負けていてもおかしくないと思います。ひとつひとつを細かく分析したら分からないですけど、僕のミスもあって、最終ラウンドは落としていたかもしれません。そこを(するが)モンキーがやってくれました。

するがモンキー 日ごろから、いろんな武器を練習してるんです。何を拾っても使えるように。

Ak~ayS モンキーの兵科はポイントマンなんですけど、ライフルマン用の武器を拾ったりしてましたよね。兵科の違う武器を拾うとペナルティがあるんですよ。レティクルが広がって集弾しにくくなるとか。それであの活躍ですから。チームメイトですけど、大したもんだと思います。

するがモンキー あざっす(笑)。

RobiN- BLACK SCENTは、練習でもいままでの公式大会でも、あまり快勝した記憶がないんですよね。

――ほかのマップはどうでした?

Ak~ayS 最終的にFOX HUNTINGはけっこう気持ちよかったかな。

Saih4tE FOX HUNTINGとASLANは読みがうまく当たりました。

――台湾のプロ相手に素晴らしい成績を残していますが、今日は苦戦している印象を受けました。ラウンドの合間に気になった点を報告し合ったりすると思いますが、つぎのラウンドにはそれがしっかり生きてくる感じなんでしょうか?

Ak~ayS (負けた)昨日の経験は今日に生きたと思います。試合中はもう、切り替えですね。そこで反省しても間に合わないですから。個人個人は反省点を意識すると思いますけど、チームとしては切り替える感じです。

――「こうしたほうがいい」と改善点を言い合うのは、前からやっていたことですか? それとも、台湾に行ってから遠慮なく言うようになったのでしょうか?

Ak~ayS ・・・いままでは意識していませんでしたけど、そうかも。全体の雰囲気の立て直しかたは、前とは変わってる気がします。

 敵の動きを読めたとしても、対応が遅れたり、押し切られたら意味がない。これまでのDeToNatorだったらRequishの勢いに飲み込まれていたかもしれない。台湾プロの圧力を受け切ったことが自信につながり、総合的な実力が底上げされたのだろう。プレイヤーたちはまだまだ若い。広く経験を積めば、それだけ強くなる。DeToNatorの強さを各チームが吸収し、次回はさらなる熱戦を見せてくれることに期待したい。

▲日本運営プロデューサーの井上洋一郎氏は試合の解説をDarkよっぴー氏に任せ、裏方に回った。Darkよっぴー氏は元選手だけにプレイヤーの心境も合わせて解説でき、評判は上々っぽい。