アプリ内課金要素いっさいナシの買い切り アプリで、老いも若きもレッツ・ダンス!!
2012年から中学校でプログラミングが必修科目となり、2020年には小学校でのコンピュータプログラミング教育が必修化されると言われている、現在の日本。未来を担う少年少女たちがプログラミングできれば、おもしろいテレビゲームを遊べる機会がぐっと増えそう……というのは楽観的に過ぎますが(ただのゲームバカ?)、誰もがコンピュータをクリエイティブ・ツールとして自然に捉えられる風潮ができるのだとしたら、それはそれで、すばらしい施策だと思います。
そうした国内のムーブメントに先がけて、現役の子どもたちに遊んでもらいたいのが、今回紹介する『Toca Dance(トッカ・ダンス)』。本作は厳密にはテレビゲームではなく、アメリカのキッズ向けアプリ会社が開発する、デジタル・トイのひとつです。内容をひとことで説明すると“フリースタイル・ダンスのステージ作成ソフト”なのですが、完成したダンスステージに対するアプリ側の評価やノルマが、一切ないのです。あるのはただ、「できた」という達成感と、どう作ってもそこはかとなく漂ってしまう“間抜け”なムード……。ひとりで完成させたミュージックビデオを何度もくり返し観てはゲラゲラ笑う自分の子ども(小学1年生)を見て、プログラミング教育が本当の意味で生きるのは、根っこにこういう体験があってこそかもしれんなぁ、とも思いました。
1ダンサー&衣装を選んで……
まずは、ステージに立たせるダンサーをセレクト。コスチュームは、顔とボディーのパーツ単位で自由にコーディネートできるので、ひたすらゴチャゴチャ感を追求するもよし、仲よしグループっぽく統一するのもよし、だ。
2選曲と振り付けをして……
続いては、ダンスの振り付け指導。インストラクターの体(顔、両手、足の3箇所)にタッチして、音楽に合わせて何となくスワイプすると、それぞれの部位のムーブが記憶されていく。全5曲のダンス用音楽は、レッスン中いつでも変更可能。
3各種演出でダンスを盛り上げろ!
ダンスムーブを満足いくだけストックしたら、いよいよステージで実演! ダンサーの直接操作はできないけれど、ステージの見栄えをよくするさまざまな効果を、無制限で使用・発動できるのだ。
【完成したPVは保存&共有できる!!】
完奏または途中で中断したダンスステージは、各種舞台演出操作が反映された、オリジナルミュージックビデオとして、端末に保存することができる。直接またはクラウド経由で、自慢のダンスを披露しちゃおう!
開発者インタビュー
「プレイヤーが体の動きを制御して記録した動作を、ダンスの流れでどのように再現するかにこだわった」
Emil Ovemar氏
Toca Boca エグゼクティブプロデューサー
――『Toca Dance』はどのような経緯で開発されたのでしょうか?
Emil ダンスアプリのアイデアはずっと以前とあったのですが、本格的に実現化に動きだしたのは、昨年(2015年)の3月からです。基本的な要素を固めた後に、アプリ操作のリニアな流れと、ダンスインストラクターのセクションを追加して、リリース版の形に完成させました。開発チームは、遊びデザイナー――私たちは“ゲーム”ではなく“デジタルのおもちゃ“を作っている会社なので、そう呼んでいます――がひとりと、グラフィックアーティストがふたり、プログラマーがふたりに、ひとりのプロジェクトマネージャーが中心となって構成されています。
――開発で、一番こだわった部分は?
Emil やはり、プレイヤーがどうやって体の動きを制御し、そうして記録した動作をダンスの流れでどのように再現するかに、もっとも多くの時間を費やしましたね。
――アプリ内には、うんち(※コスチュームのひとつ)やおなら(※ステージ演出の音声のひとつといった、上品とは言いがたい要素が入っています。それらの意図は?
Emil おならは誰もがするごく自然な現象ですが、成長するにつれてそれらの話はしなくなります。Toca Bocaは子ども向けのコンテンツをデザインしていて、いつも子どもの観点を尊重していることを誇りにしています。また私たちは、ユーモアが人生において大事なもののひとつだと思っています。だとしたら、おならやうんちについて言及することも、ごく自然なことですよね(笑)。
――ゲーミフィケーションの観点から、キッズ向けのコンテンツにも、テレビゲーム的な要素が盛り込まれる傾向がありますが、『Toca Dance』には、そういった要素がほとんどありませんね。
Emil 『マインクラフト』のように、おもちゃらしさとゲームらしさを両立したコンテンツがありますが、私は、よいゲームの根幹には、よいおもちゃとしての要素があると思っています。Toca Bocaのアプリには、スコアやレベル、勝敗といったゲーム性はありません。そうすることで、子どもたちは“ごっこ遊び”や、よりふざけたモノづくりや冒険を心置きなく楽しめます。それこそが、私たちが作るデジタルおもちゃで応えたかったニーズなのです。
――課金型が主流を占める中、買い切り型としてアプリを提供していますが、その現状はいかがでしょうか?
Emil 買い切り型アプリの市場が縮小している中、アプリ内課金を採用しないことは、大きなチャレンジです。しかしながら、私たちは、親と子どもの信頼に足るブランド性を、どうにか獲得しています。ファンになってくれた方は、新作アプリにが出るとすぐにダウンロードしてくれるんですよ。いくつかのアプリはフリー版を出しているので、実際に買う前に内容を試してもらうこともできます。収益面に関しては、ほぼすべてのアプリは、リリースから1年以内に、売り上げが集中しています。そしてそれらのいくつかは、最初の1ヵ月間の話題性に依存しています。
――口コミでじわじわ売れて……というタイプではないんですね。
Emil 私たちは、3歳から9歳の子ども向けに作っているので、アプリ内のさまざまなことを、インタラクションやビジュアル、サウンドデザインによって伝えるようデザインしています。それゆえに、言語のローカライズ期間によって人気や話題性を薄れさせることなく、全世界のユーザーにアプリを同時に提供することができるのです。
――最後に、Toca Bocaとしての今後の展望を教えてください。
Emil 現在、新しいふたつのビジネスエリアを開拓中です。ひとつは、子ども向け動画の配信、もうひとつは、デジタルではない、“モノ”のコンテンツ制作です。2016年末には、それぞれのシェアをさらに拡大していきたいと思います!
Toca Dance
メーカー | Toca Boca |
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対応機種 | iOSiPhone/iPod touch |
発売日 | 配信中 |
価格 | 400円[税込] |
ジャンル | その他 |
備考 | メーカー推奨の対象年齢は6歳から8歳 |