『刀剣乱舞-ONLINE-』DMM GAMES・花澤雄太氏&ニトロプラス・小坂崇氣氏にインタビュー!

●ゲームの新展開も明らかに!?

 DMM GAMESとニトロプラスの共同制作タイトルとして、2015年1月14日にサービスが開始されたPCブラウザ用刀剣育成シミュレーションゲーム『刀剣乱舞-ONLINE-』。サービス開始とともに大きな話題を呼び、女性を中心とした日本刀ブームの火付け役になるなど、ゲームにとどまらない快進撃を見せている。

 サービス開始から1周年を迎え、スマホアプリ版『刀剣乱舞-ONLINE- Pocket』の配信や数々のメディアミックス展開が発表されるなか、2年目に突入した同作のこれまでとこれからを、運営・原作のキーマンに直撃した。

※本インタビューは、週刊ファミ通2016年5月12・19日合併号(4月28日発売)に掲載されたものを再構成したものです。

●『刀剣乱舞-ONLINE-』とは?

 『刀剣乱舞-ONLINE-』は、開発・運営をDMM GAMES、世界観・シナリオ・キャラクターデザインをニトロプラスが担当している刀剣育成シミュレーションゲーム。プレイヤーは名刀や名槍といった名だたる武器が擬人化した“刀剣男士”たちを集め、育成し、自分だけの部隊を結成しながら、歴史改変をもくろむ敵を討伐していく。
 2015年1月14日のサービス開始と同時に人気が集中し、用意されたサーバーはつぎつぎと満員に。“刀剣男士”のモデルとなった日本刀にも注目が集まり、日本刀が所蔵された美術館・博物館、神社仏閣などに数多くのファンが殺到するなど、大きな話題となっている。

▲現存している日本刀や、刀剣男士ゆかりの土地とのコラボも積極的に展開。観光客誘致にも貢献している。

●ブラウザゲームで想像を超えるプレイヤー数と定着率

▲写真左:ニトロプラス 代表取締役社長 兼『刀剣乱舞-ONLINE-』原作プロデューサー小坂崇氣(でじたろう)氏(文中は小坂)
写真右:DMM.comラボ オンラインゲーム事業企画営業本部『刀剣乱舞-ONLINE-』エグゼクティブプロデューサー 花澤雄太氏(文中は花澤)

――まずは、DMM GAMES、ニトロプラスの2社共同で新規IP(知的財産)を立ち上げることになった経緯を教えてください。
花澤 当時、DMM GAMESではプラットフォームとして男性にウケるゲームを生み出すことができ始めた状況で、つぎは弊社の鬼門であった、女性にも向けたタイトルにもう一度トライしようという気持ちがありました。弊社が得意かつ、ヒット作も多いジャンルである“擬人化”(※)で女性向けタイトルを作ろうということになったのですが、私のなかのルールとして、聞いた瞬間に“カッコイイな”と思えるもの、バトルに関わるもの、かつユニークである(量産されたものではない)ものがいいなと考えていました。それが具体的な案にはならなかったところに、ニトロプラスさんから“刀剣”を擬人化したゲームのご提案をいただいたのです。
小坂 僕はDMM GAMESの擬人化タイトルをプレイしており、「これはおもしろい」と感じたことから、片岸さん(DMM GAMES代表の片岸憲一氏)に「女性でも遊べる擬人化タイトルを作ったらいかがですか?」とご提案したのです。そこで「オリジナルの、ニトロプラスらしい女性でも遊べる原作を作ってもらえないか」と、逆にお話をいただきました。どういった題材がいいかを弊社ディレクターの小鞠と考えたのですが、日本には日本刀というすばらしい文化があり、日本刀は一振り一振り、刀工が時間と魂をこめて手作りしたものです。さらに、とくに姿の優れた名物や、固有の号があったりと、それぞれに強い個性があります。長い歴史のなかで残る逸話にも、さまざまな人々の手によって使われ、守られてきたところにもロマンを感じていました。それを片岸さんに提案したところ、「ぜひそれでお願いします!」ということになりました。

※“花”を女性キャラクターに擬人化した人気タイトル「FLOWER KNIGHT GIRL』(DMMオンラインゲームにて配信中)の原作も花澤氏が担当している。

花澤 企画会議で“ニトロプラスさんからこんな提案があった”と聞き、「やります!」と瞬間的に挙手しました(笑)。男性から見てもキャラクターがカッコイイですし、設定やセリフも魅力的で、刀剣のことがすごく好きになりましたね。
小坂 ゲームに登場する刀剣男士たちは単なる擬人化ではなく、刀剣の付喪神的な存在で、完全に人間ではありません。そんな彼らが人の肉体を持ったことで、何を考え、何を思うのか。そういったことを考えたり感じたりしながら『刀剣乱舞-ONLINE-』は作り上げられています。僕らだけでは勉強しても日本刀の知識が足りませんでしたので、刀剣に詳しい作家の芝村(裕吏)さんに世界観監修に入っていただき、実際にシナリオも書いていただいています。

――企画やゲームの制作を進めるなかで、本作がここまでのヒットにつながるという手ごたえはあったのでしょうか?
花澤 サービス開始前に特設ページで『刀剣乱舞-ONLINE-』を発表しましたが、その時点でTwitterやpixivなどで波及を始めていたので、正直「なんじゃこりゃ!?」と思いました(笑)。そこはニトロプラスさんが計算をされていたのでしょう。“PCブラウザゲームかつ女性にも向けた作品”という時点ですでにチャレンジで、そもそもどれくらいの方が遊んでくださるんだろうと思っていたところに、発表してからいきなり広がりが出たので、社内がざわつきました(笑)。

――『刀剣乱舞-ONLINE-』ではキャラクターデザインをさまざまなイラストレーターが手掛けていますが、その理由はどこにあるのですか?
小坂 企画当時、弊社社内にはソーシャルゲーム的なものが苦手な人が多く、花澤さんが作られるようなゲームが好きではない人もいました。いまはだいぶ変わりましたが。
花澤 わかります(笑)。
小坂 そういった状況もあって外部のクリエイターと組み、いままで挑戦できなかったことに挑戦してみよう、と。そして純粋に刀剣男士を描いてほしいと思うイラストレーターを探そうということで、さまざまな分野で活躍されているイラストレーターの作品を見ながら、社内で議論して決めていきました。

――キャラクターデザインの多様性に加えて、キャラクターが刀剣破壊(ロスト)する点も『刀剣乱舞-ONLINE-』の特徴のひとつです。
花澤 ほかのソーシャルゲームでは、獲得したキャラクターが消えることはあまりありません。じつは当初は、私も刀剣破壊はやめたほうがいいんじゃないかと思っていました。せっかく手に入れて育てたキャラクターが刀剣破壊してしまうと、大きな離脱ポイントになるんですね。離脱する原因を作ることは、ソーシャルゲームとしてはありえません。
小坂 僕としては、それもリアリティーの一部なのかな、と(笑)。
花澤 ビジネスとしては、ユーザーが減ってプラットフォームがしぼんでしまったら、開発さんも含めて泣くだけですから(笑)。

――原作を手掛けるニトロプラス、開発・運営を手掛けるDMM GAMESの考えかたの違いが見えたような気がします(笑)。
花澤 ただ、末永く作品として続けるというのは共通の目標としてあります。
小坂 売上がなければゲーム運営を続けることはできませんし、コンテンツ原作も作れないと思っていますから。