世界の自由度がさらに広がる新コンテンツに迫る

 ゲームオンがサービス中のPC用MMORPG『ArcheAge』は、圧倒的な自由度と膨大なコンテンツを通して、自分だけのライフスタイルが実現できるタイトル。2016年4月27日には、最新アップデートとして“ノアルタの建国”が実装される。

 アップデート内容は大きく“国家システムの実装”、“新規ボスと黒耀石7段階装備の追加”、“コンテンツ拡充”の3つに分けられており、“ノアルタの建国”特設サイトにて概要がまとめられている。今回はそのなかでも大きな比重を占める国家システムを中心に、新要素の一部を先行体験できたので、気になる詳細や注目のポイントをお伝えしていこう。

“ノアルタの建国”特設サイト

■『ArcheAge』における勢力とは

 最初に体験したコンテンツが、本アップデートの核とも言える“国家”システムなのだが、レポートに入る前に、未プレイのかた向けに本作のシステムのひとつ“勢力”について説明しておこう。

 『ArcheAge』では現在、西大陸の“ヌイアン・エルフ種族のヌイア連合”と、東大陸の“ハリハラン・フェレ種族のハリハラ連合”、そして第三勢力の“海賊”という3つの勢力が存在する。プレイヤーはキャラクターの種族によって西大陸か東大陸の勢力へ自動的に所属することとなり、ゲーム内で犯罪を重ねたプレイヤーが海賊へと転向するといった仕組みだ。各勢力は敵対関係にあり、違う勢力のプレイヤーと一部を除いたエリアで戦ったり、“旧大陸”と呼ばれるエリアの領地争いを大人数でくり広げたりといった対人戦コンテンツが楽しめるようになっている。また、対人戦に興味がないプレイヤーにとっても、専用チャットによるコミュニケーションをはじめ、同勢力の人どうしで組める遠征隊(ギルド)の結成など、勢力は本作をプレイするうえで欠かせない要素となっているのだ。そして、この勢力関係を大きく変化させるであろうシステムが、今回実装される“国家”なのである。

■本城建築から始まる国家への道

 今回実装される国家は、簡単に説明すると“プレイヤーが新たな勢力を旗揚げできる”というシステムである。つまり、これまで3つの勢力で争っていた戦争コンテンツにおいて、4つめ、5つめの新勢力として参加できるのだ。また、同勢力下では独自の経済活動も展開されるため、世界に与える影響は非常に大きなものとなるだろう。一方、国家というだけあって、その樹立には多くのプレイヤーの団結が必須となるようだ。

 建国には、前提として旧大陸における領地が必要となる。現在3週単位で実施されている遠征隊同士の大規模戦闘“攻城戦”を通して4つのエリアが領地として獲得可能だ。そして、領地内に新たな建築物となる“本城”を建築するところから、建国の準備がスタートする。体験プレイもここから参加する流れとなったが、本城の第一段階である“牙城”の建築に関しては従来と変わりはなく、要求される資材も“木材の束”などの一般的なアイテムとなっていた。必要な労働力もそれほど多くなかったので、領地を奪取できる実力の遠征隊であれば余裕で建築できるだろう。

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▲完成した牙城の内部には蜃気楼の島へのゲートやポストがあるほか、領主用の玉座も設置されていた。

 本城の大きな特徴が、外壁部に設置された“領地の建物資材作業台”である。ここで専用のさまざまな資材を製作することで、建築物変更によって本城をさらにグレードアップさせたり、追加の建築物を領地に建てたりといった活動が可能となる。作業台は領民が“領主のコイン”を一定数支払うことで製作する資材の種類を注文できるのだが、ここでポイントとなるのが、注文した資材の製作を領民以外のプレイヤーが担当することだ。

 どんなに遠征隊の規模が大きくても、自力では領地を発展できず、さらに建国の条件も満たせないため、領民はまず外部の誘致活動が不可欠となるわけである。ただし、領主は外部のプレイヤーに製作を自ら進んで行ってもらうためのクエストを発行できるので、認知さえしてもらえれば資材の確保はスムーズに進みそうだ。無事に資材が完成したら、今度は領民が目的の建築予定地へ資材を運搬し、建築を進めるという流れとなる。

 なお、建国には本城を3段階めまでグレードアップさせる必要があるため、領地の開発は最重要の課題となる。一方、これらの資材は領地の防備を固める城壁などの建築資材にも用いられるため、内政をとるか、軍拡をとるかという葛藤も生まれそうだ。

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▲資材製作にはアイテムこそ使わないが、労働力を消費する。今回製作した“基本資材”は合計45回の製作作業を要することが確認できたので、領地開発には多くのプレイヤーの労働力を捧げることになりそうだ。

■非領民のプレイヤーが市場を循環

 領地の開発方法がわかったところで、次は本城以外にどんな建物が建築できるのか確認することに。用意してもらった環境では、すでに複数の建物が本城の周囲に並んでおり、まさに城下町といった風景が広がっていた。手始めに非領民のキャラクターで“領地農家”を訪ねてみると、藁葺き屋根の下に小さな畑や肉の加工台が並んでおり、それぞれアクセスできるようになっていた。ためしに肉の加工台を調べてみると、“領地の銀貨”というアイテムを消費することで“領地家畜の肉”が購入できた。

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▲ほかのアクセスポイントも同様に、領地の銀貨を支払ってアイテムを得ることができる模様。誰かがアイテムを購入すると再出現まで一定時間を要するが、領地農家をアップグレードすることで時間を短縮可能とのこと。

 アイテムを購入したはいいものの、使い道がわからず迷っていると、多数の店舗が軒を連ねる“領地市場”が目に入った。ためしに場内を散策してみると、“領地市場の肉屋”を発見。どうやらここに先ほどの肉を納品できるようだが、追加のアイテムとして“熱気宿る丸太の束”を要求された。これは旧大陸で伐採できるアイテムで、荷物として背負って運搬するもの。今回は事前に用意されたものを拝借してすぐに納品できたが、実際はある程度の労力が必要となるだろう。

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▲領地市場には各種NPC商人や特産品製作台も確認。雑貨商人からは1日1回領地の銀貨が手に入るので、領地農家へ赴く前に立ち寄ることになるはず。

 無事に納品を完了すると、報酬として“領地の金貨”をゲット。これは100枚集めることで“領主のコイン”に交換できる。領主のコインはこれまで攻城戦に勝利した領主しか入手できなかった希少なアイテムで、専用のアバター衣装などと交換ができるというもの。これが多くのプレイヤーに行き渡るようになるというのはうれしいポイント。また、領地市場にある製作台では後述する新装備の素材が領主のコインと交換できる。建築資材の製作と合わせて、領地は領民以外のプレイヤーも集まる賑やかな場所となりそうだ。

 また、非領民のプレイヤーが領地で活動するには、貢献ポイントを消費して“領地活動の許可証”を入手し、領地の監督管理官へ渡す必要がある。一度渡せば7日間効果が持続するが、ほかの領地で活動するには再度許可証が消費される(効果は上書きされる)ため、プレイヤーは期間ごとに特定の領地へ肩入れすることになるだろう。

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▲領主のコインと交換できる荘厳なアバターは、これまであこがれていたプレイヤーも多いはず。

■領民にも大きな恩恵を与える建物

 領民外のプレイヤーの活動をひと通り体験したところで、今度は領民が利用できる施設をレクチャーしてもらった。まず向かったのは先ほども登場した領地市場。場内の“領地市場職人”のもとを訪れると、そこには“領地特産品”という荷物が用意されていた。これは領民外のプレイヤーが領地農家から購入、運搬した“領地農家生産品”を一定数納品することで出現する荷物で、背負えるのは領民のみ。ここで登場する建物が、領地内に高くそびえる“領地倉庫”で、領民は領地特産品を運びこむことができる。倉庫に格納した特産品は自動的に販売され、大量の領主のコインが領地へもたらされる。

 また販売時には、特産品を領民外のプレイヤーに略奪されてしまうリスクと引き替えに、獲得するコインを増加させる選択肢をとることもできる。このチョイスは周囲の情勢や領地の防衛体制、懐事情に応じて変化しそうなので、思わぬドラマにも期待できそうだ。

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▲特産品の略奪を体験。倉庫に火を放ち、炎に包まれる領地倉庫から特産品の荷物を背負って逃げることができた。荷物はいったん下ろしてから調べると領主のコインに変換できるが、領民に取り返される可能性もある。白熱の争奪戦がくり広げられることは間違いない。

 次に訪れたのが曲線的なフォルムが印象的な“領地工房”。内部の大きな広間にはさまざまな製作台が並んでいるほか、中央には4人の職人が座っている。領民はこの職人に領主のコインを渡すことで“領地工房加工原料”を入手できる。このアイテムは領地市場の製作台で特別なアイテムや装備を製作する素材として必要となるため、領民だけの大きな特権となるはずだ。

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▲工房内には輝く製作台も設置されている。職人たちにとってはありがたい作業場だ。

■幾多の領地開発を経て、ついに建国へ!

 こうした非領民プレイヤーと領民の活動によって領地は発展していき、主城が最高段階となる宮殿まで成長すると、領主はついに国家の建国クエストを開始できる。クエストを進めることで“独立宣言”を行えるようになるが、独立宣言は領主が宮殿の玉座へ座り、その周囲に50名の領民がひざまずくことで実行可能になる。多くのプレイヤーが一堂に会する瞬間は、否が応でも盛り上がるユーザーイベントとなるはずだ。

 独立宣言が完了すると、領主は国王となり、領民は新国家の勢力へと自動的に編入される。以降は東西勢力や海賊と敵対関係となるので、活動のスタイルは大きく変化するだろう。また、国王は領地の活動に応じた国家税金を受け取れるほか、“国王の宝物庫”を領地に建築することで、専用のアバター装備や騎乗ペット“ワイバーンロード”を製作できるという特権が得られる。体験プレイではワイバーンロードに試乗させてもらったが、これまでの騎乗ペットの常識をくつがえす巨大な体躯もさることながら、一定時間自由に空中を飛び回れるという性能の高さにも驚かされた。これに乗って戦場へ赴けば、新勢力の威光を既存勢力のプレイヤーへ存分に見せつけられるはずだ。

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▲ワイバーンロードは炎のブレスや急降下による攻撃が可能。ほかにも手持ちの領主のコインを周囲にばらまくという仰天スキルもあり、領民との関係維持に活躍しそうだ。

 ちなみに、国家には最大で150名のプレイヤーが加入でき、国王の承認を得ることで独立宣言後に東西勢力から移籍が可能。また、ひとつの国家が旧大陸で複数の領地を獲得することもあるので、旗揚げされた国家の実力を見てから移籍を考えるのもアリだろう。さらに、国家は領地を失ってから一定期間のうちに取り返さなければ解体されてしまうため、戦争コンテンツは今までよりいっそう激しさを増すものとなるはずだ。なお、本アップデートのバランス調整にあたり、遠征隊の上限人数や攻城戦の入札方法などに変更が加えられるとのことなので、公式サイトをチェックしてほしい。

「遠征隊上限人数変更」に伴う事前対応について