3回目の入校式で、ふたつのカリキュラムを同時にスタート!
サイバーコネクトツー(以下、CC2)が関連企業や行政といっしょに取り組んでいるゲーム業界人材育成プロジェクトである“スーパーゲームスクール”。2016年4月18日に、ゲームデザイナーコースと、アーティストコース第二期のカリキュラムがスタートした。本稿では、同日にサイバーコネクトツー福岡本社にて行われた入校式と、新たにスタートするゲームデザイナーコースのカリキュラム取り組みの模様をお届けする。


<スーパーゲームスクール ゲームデザイナーコース・アーティストコース第二期 入校式プログラム>
・松山洋氏による代表あいさつ
・カリキュラム説明、マナー講習
・指導スタッフによる受講内容説明
・ゲームデザイナーコース・アーティストコース基礎講座開始
2015年12月1日に開校したアーティストコース(第一期:2016年3月29日修了)、2016年2月29日に開校したプログラマーコースに継いで、3回目となる本日の入校式は、新たに新設されたゲームデザイナーコースと、先日修了を迎えたアーティストコース第二期の、ふたつのコースを同時開催。カリキュラムへの取り組みも、同じタイミングでスタートが切られた。
まずはCC2の代表取締役である松山洋氏による、代表あいさつが行われたので、そのコメントを紹介する。
■松山洋氏 入校あいさつ
このスーパーゲームスクールは、昨年12月よりスタートした試みになりますが、けっしてCC2だけでやっている取り組みではありません。会場がCC2の社内ということと、指導担当もCC2スタッフが多いことから、勘違いされる方も多くいますが、業界で賛同してくれる企業や協力者がいて、初めて実現できていることです。
これから皆さんには、アーティストコース、ゲームデザイナーコースと、それぞれ別の道を進むことになりますが、同じゴールに向かってのスタートです。このスーパーゲームスクールというのは、スクールと銘打っていますが、学校ではありません。我々企業が、本気で業界に入りたいと思っている人たちに幅広くチャンスとピンチを与えるものです。けっして手取足取り指導してもらえる場所ではないということを、いま一度強く自覚してください。今日から死にものぐるいでやれば、絶対にたどり着けます。たどり着けない場合は、やる気がないだけなんです。本スクールに挑戦すると、いろいろなことがハッキリとしてくると思いますので、死にものぐるいで、目標をつかむために時間を使ってください。
本日からスタートするゲームデザイナーコースは、我々プロであっても明確な答えのない職種です。プログラマーやアーティストのように、これができるから大丈夫といった指標もなく、そのためにスーパーゲームスクールでもいちばん難度とハードルが高いコースです。ただ、けっして不可能なことではありません。いま、業界の最前線で戦っているゲームデザイナーたちも皆、不可能を可能にしてきた人たちなんです。ゲームの設計図となる企画を考えるということは、アーティストやプログラマーのように、一芸に秀でる必要はありませんが、アーティストのことも、プログラムのこともサウンドのこともすべて知っていないといけないので、ほかの職種以上に勉強しなければなりません。たくさんの人たちとコミュニケーションを取って、一日も早く、知識の化け物になってください。
アーティストコースに関しては、第二期がスタートします。こちらの受講生のなかには第一期を経験した先輩たち、いわゆるリベンジ組もいます。リベンジ組については、新規受講生達の指針になるという自覚を持ってください。新しく取り組む人たちも、すでに受講経験者がいるので、皆がゼロから横並びでスタートするわけではありませんが、最終的な目標はひとつですので、しっかりと先輩に食らいついて、目的を成し遂げてください。
我々が望んでいることは、このスクールに挑戦する人たち全員が修了を認められ、業界に入ってもらうことです。そのつもりで厳しく指導していきます。向いていない人間にはハッキリと言いますので、一日一日を大切に過ごして、生まれ変わってください。
続けて、本プロジェクト運営担当のCC2人事室・中松芳生氏による、本スクールの基本事項説明・マナー講習が行われた後に、ゲームデザイナーコースの指導担当を行う磯部孝幸氏が登壇。新設されたゲームデザイナーコースのカリキュラム説明が行われた。
基本的な流れは、カリキュラムに沿って用意された課題を一定期間ごとにクリアーし、つぎの課題に進むという、これまでのコースと同様のものとなっている。この課題審査に不合格となった時点で、受講も終了となる点もほかのコースと同じ。ゲームデザイナーは、ゲームの設計図ともなる仕様書を作成する企画職となるわけだが、細かいステップに分けられた課題を、指導担当者や仲間たちの意見を取り入れたり、CC2のライブラリや環境を利用しながら取り組んでいくことになる。修了までの期間は、各個人の能力やがんばりによるところが大きいが、おおよそ6ヵ月〜1年間とのこと。
磯部氏は、ゲームデザイナーにとって重要な要素として、ものの考えかたのほかに、コミュニケーション能力や理解力、積極性といった部分も必要であると語っていた。そのため、本コースでは課題内容だけがチェック対象となるのではなく、課題制作時から提出までの取り組みかたといった部分までをしっかりと見て、合否の判定が行われるとのこと。課題判定に関しては、最終判定の前に何度か中間提出の場が設けられ、その都度指導者からのアドバイスを受けることができるようになっている。最終的に、いちばん自信のあるアイデアを選択し、指導担当者全員の前でプレゼンテーションをして、OKがもらえればつぎの課題に進めるというわけだ。ただし、期間内におもしろいアイデア書ができた場合は、想定した課題審査日を待たずにつぎの課題に進行する可能性もある。スーパーゲームスクールが設けている期間はあくまでも目安でしかなく、そのなかでどれだけがんばれるかは本人次第で、そのがんばりによって進行スケジュールも変わってくることになる。
明確な答えが用意されていない目標に取り組む受講生たちに、CC2の現場でディレクターとして活躍するふたりの指導担当者より、アドバイスが行われた。
西川裕貴氏からのアドバイス
「たくさんの人が読んでみて、本当におもしろいと思ってもらえる企画書でないと、世界中の子供たちが本当におもしろいと思ってもらえるものにはなりません。だから、自分だけがおもしろいと思っても、それで大丈夫と思わないでください。ここにいる同級生どうし、自分たちをより高め合うために、いいところと悪いところをお互いに指摘しあえるような、そんな間柄になってほしいなと思っています。ちょっとやそっとダメ出しをされても、いちいち落ち込んでたらキリがありません。「もっとおもしろいものを考えてやるぞ」といったハングリー精神をこのスクールで培ってください。」
中舎健永氏からのアドバイス
「まず、誰よりも自分のアイデアのファンになってください。そのうえで、「こういう場合はどうしたらおもしろくなるんだろう」とか、いまいちな部分を解決するにはどうしたらいいのかといったことを四六時中考えているくらい、そのアイデアにのめり込んでください。そうしていれば、自ずと皆さんが作りたいゲームが見えてくると思います。そのおもしろさを正しく伝えるためのテクニックはここでしっかりと覚えられます。自分だけがおもしろいといった思い込みはよくないですが、自分が作るタイトルはいちばんおもしろいんだという自信を持って取り組んでください。」
最後に磯部氏は、「プログラマーやアーティストはおすすめの参考書籍などがありますが、ゲームデザイナーに関してはとりあえずネットで情報を検索してみてください。“ゲーム企画書の作りかた”と検索してみたら、けっこう役立つ情報が見つかりますので、そういったものも参考にしながら勉強するといいと思います」と、受講生たちに簡単なアドバイスを行い、カリキュラム説明は終了。入校式典直後より、さっそくカリキュラム第1課題への取り組みがスタートした。