2016年4月16日、東京・ベルサール秋葉原にて、ユークスの内田明理氏が手掛けるプロジェクト『AR Performers』のライブイベント“β LIVE”が開催された。その模様をお届けする。

●ARのアイドルが現実世界に!

 2016年4月16日、東京都千代田区のベルサール秋葉原にて、ユークスの内田明理氏が手掛けるプロジェクト『AR Performers』の初となるライブイベント“β LIVE”が開催された。

 このイベントでは、AR(仮想現実)の世界からやって来た3人のパフォーマー、“シンジ”と“REBEL CROSS(レベルクロス)”のふたり(レイジ、ダイヤ)が出演。ステージ上で歌とトークを披露し、3公演合計1000人もの観客を熱狂させた。本記事では、そのうちの最終公演の模様をお届けしよう。

※『AR Performers』公式サイト

 司会は、内田氏の作品ではおなじみのDJ、森一丁さん。主役の登場を待ちわびるファンを、巧みにあおったりじらしたりしながら、徐々に雰囲気を盛り上げていく。しかし、2015年11月に『B's-LOG』誌上で発表されてから約5ヵ月、インタビュー記事などで想像を膨らませるに任せていたファンたちにとって、ウォーミングアップはもはや必要のないものであったようだ。先陣を切ってシンジがスクリーン上に登場すると、ボルテージは急上昇。一瞬で会場は熱気に包まれた。

 シンジは、甘く、爽やかなビジュアルや言動で、まさに“王子様”を体現したようなキャラクター。会場中から送られてくる黄色い声援に少しはにかみながら、司会の一丁さんの質問に答えていた。

 何気なく文字にしているが、リアルタイムで会話をしているのは、スクリーンに映し出された、二次元のキャラクターなのである。しかも、彼らの反応はあらかじめプログラミングされたものではなく、その場の会話や声援に対して“生”でコミュニケーションを取っているのだ。

 そんな彼の姿に観客も大興奮。そしてその勢いをそのままに、ライブパフォーマンスが始まった。歌うのは公式サイトでも公開中の『The World Is Mine』。この日が初めてのステージだったにも関わらず、観客たちは統率の取れた動きで青のサイリウムを振っていた。

 パフォーマンス後はトークコーナーへ。ここでは、「皆の愛が感じられた。気持ちよかった!」というシンジに、観客からいくつかの質問が寄せられた。「もし、自分の彼女が元気をなくしていたら、どんな声をかけますか?」という質問に、「元気出して。君のために、歌うから」とナチュラルに答えるなど、会場では数分おきに黄色い悲鳴が飛び交うこととなった。

 さらに、観客からの「踏んでほしい!」という難度の高いリクエストに応えて、足を高く上げて振り下ろすというアクションをしたり、王子様っぽいお辞儀をするなど、アドリブもバッチリ。

 内田氏が手掛けただけあって、キャラクターとしての完成度は“お披露目ライブ”であるにも関わらず非常に高く、早くもファンたちの心をガッチリと掴んでいたようだった。

●観客と一体のステージパフォーマンス

 そしてシンジに続いては、男性デュオ“REBEL CROSS”のふたり、レイジ(怜士)とダイヤ(大哉)。王子様で優等生のシンジとは対照的に、誰に対してもタメ口で態度が大きく、やや不良っぽい雰囲気を漂わせる彼らだが、サービス精神は旺盛のようで、一丁さんや観客たちのやや無茶とも言える“振り”にも、ひとつひとつ応えていた。

 そんな彼らが歌うのは、こちらも公開中の『THE KISS』。ロック調のギターサウンドが印象的な、メロコアのナンバー。シンジとは違った楽曲、さらにデュオならではの息の合った激しいダンスで、観客を魅了していた。

 REBEL CROSSも、パフォーマンス後はトーク&質問コーナーへ。最初の公演では緊張していたという彼らだが、3公演目ともなるとだいぶほぐれてきたのか、名言を連発していた。レイジが答えたくない質問に、「そういう話は“REBEL CROSS的”じゃない」と拒否しようとしているのに、ダイヤが「レイジは○○だな」と、代わりに答えてしまい、そのたびにレイジが「えっ?」と振り返るなど、幼なじみならではの絶妙なトークで会場を盛り上げていく。そして、ダイヤはバック転で退場するというサービスも。

 パフォーマーたちが退場した後は、なんと本イベントの仕掛け人である内田氏がサプライズ登壇。「何かトラブルがあったときに謝罪できるように、ネクタイをしてきました」と、お披露目ライブなだけに不安で一杯だったと語る内田氏に、会場からは「お父さーん!」、「ステキなライブをありがとう!」、「応援します!!」と、暖かい声援がつぎつぎと湧き起こっていた。

 また、今回のイベントでは、試験的に一部の観客へあるアプリが配布されていた。“ライブ応援アプリ”とでもいうべきもので、「リズムエフェクトに合わせて音ゲー感覚で楽しみながら、ライブを応援する」内容となっている。ちなみに、今後正式にリリースされる可能性もあるとのこと。

 最後に、そのアプリを配布された、各公演30名ずつのモニターの合計点数が発表され、僅差でシンジが勝利。それを受けてシンジが再登場し、「今回はエキシビジョンのようなものだし……」と、あくまで謙虚なさわやかキャラクターを貫くものの、そこに突然乱入してきたダイヤに「お前もよくがんばったよ」と、まるで自分が勝ったかのような話にされて慌ててしまうひと幕も。

 内田氏は、気になるプロジェクトの今後の展開については「いろいろやりたいことはあるのですが、現状言えることは残念ながらありません」としつつも、「キャラクターは増やしていきます」と力強く発言。圧倒的なパフォーマンスへの感動とともに、今後に多くの期待を抱かせつつ、イベントは幕を閉じた。