夜空の月を見上げ、半世紀近く前の大いなる一歩を思い出す

 PC用VRヘッドマウントディスプレイOculus Riftが3月28日より正式ローンチ。すでにお届けしたハードウェア周りについてのリポートに引き続き、注目のソフトウェアを連日紹介していく。

 本日紹介するのは、Immersive VR Educationによるソフト“Apollo 11 VR”。その名の通り、歴史上初めて人類を月面に送り届けたアポロ11号の宇宙飛行を描いた教育的なVRドキュメンタリー作品だ。
 VRヘッドマウントディスプレイはRiftとHTC Viveに対応しており、Oculus Rift公式ストアだけでなくSteamでも配信中。なおSteam版もRift製品版およびRiftのDK2(第2世代開発者キット)で動作するほか、最新アップデートでは通常のPCモニターでのプレイも可能になっている。参考までに、Steamでの価格は1480円。

 Apollo 11 VRでは、宇宙計画の旗振り役となったケネディ大統領の演説に始まり、打ち上げから帰還までを10章程度、全編70分前後の体験にまとめている。
 そのオープニングの演説映像や本編中の管制や宇宙飛行士の通信音声などは実際のものを使用しており、宇宙船内の3Dモデルなども実物に即して、細かい計器類までリアルに再現。自分がクルーの一員になったかのような気分で、歴史的偉業を体験できるのがすばらしい。

アポロ11号の月への航海を体験できる、宇宙へのロマンが詰まった教育系VRソフト『Apollo 11 VR』【Oculus Riftローンチレビュー】_02
▲ちなみにケネディ大統領の演説映像を見るのは、ラバランプやフューチャリスティックなチェアーなど、60年代当時のインテリアに囲まれた部屋というマニアックな演出付き。
アポロ11号の月への航海を体験できる、宇宙へのロマンが詰まった教育系VRソフト『Apollo 11 VR』【Oculus Riftローンチレビュー】_03
▲離陸が成功し、グイッと横で親指を立ててくれる。
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アポロ11号の月への航海を体験できる、宇宙へのロマンが詰まった教育系VRソフト『Apollo 11 VR』【Oculus Riftローンチレビュー】_05
▲計器類をグッと寄って見るだけでも楽しい。

 基本的には当時の通信内容や、クルーであったニール・アームストロング氏やバズ・オルドリン氏らの回想などを聞きつつ、一連のシーンを眺めるだけなのだが、一部インタラクティブな操作が可能なステージも存在。月に向かう前の司令船と着陸船のドッキング、月面着陸、そして月に降り立ってからの調査パートなどで、コントローラーやRift付属のリモコン(Remote)を使ったミニゲームを遊べる。ちなみに操作が苦手な人はオートに切り替えることもできるので、ご安心あれ。

アポロ11号の月への航海を体験できる、宇宙へのロマンが詰まった教育系VRソフト『Apollo 11 VR』【Oculus Riftローンチレビュー】_06
▲月に向かうために司令船を回転させて着陸船にドッキングする作業や、月面着陸フェーズなどは操作が可能。

 残念ながら言語は英語のみで、英語字幕を表示できるぐらいなのだが、アームストロング宇宙飛行士が月面への第一歩とともに、かの有名な「That's one small step for man, one giant leap for mankind.(これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である)」と発言するシーンを間近で見られるのは感無量。まさにVRじゃないと難しい体験ができるので、幅広い人にお薦めしたい。

アポロ11号の月への航海を体験できる、宇宙へのロマンが詰まった教育系VRソフト『Apollo 11 VR』【Oculus Riftローンチレビュー】_07
▲かの有名な「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」のシーン。
アポロ11号の月への航海を体験できる、宇宙へのロマンが詰まった教育系VRソフト『Apollo 11 VR』【Oculus Riftローンチレビュー】_01
▲月面パートでは写真撮影も可能。