大作ゲームに関わったライアン・ペイトン氏が陣頭指揮!
2016年4月14日、ガンホー・オンライン・エンターテイメントより、プレイステーション4用版『Republique(リパブリック)』が発売された。
本作は、アメリカのCamouflaj(カモフラージュ)社が手掛けたステルスアクションゲーム。プロデューサーは、『メタルギア ソリッド 4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット』や『Halo 4』など、数々のビッグタイトルに関わってきたRyan Payton(ライアン・ペイトン)氏。以前、ファミ通Xboxのコーナー“海外ゲームマニアックス”でコラムを連載していたこともあり、古くからのXboxユーザーならばご存じの方も多いと思う。
本作は、海外にて2013年12月よりスマートフォン/タブレット向けにリリースされているステルスアクションゲーム。エピソード形式で順次リリースされており、つい先日終章となる5章が配信されたばかり。日本で発売されるプレイステーション4版は、全5章を完全収録かつ日本語にローカライズ済み。操作方法がコントローラーに合わせて最適化されているほか、新たなコスチュームに着替えられるなど、独自要素も搭載されている。そんな、できたてホヤホヤのプレイステーション4版をプレイする機会に恵まれたので、インプレッションをお届けしよう。
“監視カメラからの視点”でホープを助け出せ!
ゲームスタート直後、「助けて!」と訴える女性の姿。直後、画面右側に現れる謎のアイコン。“R1”ボタンを押してみると、画面がネガフィルムのように変化。そして、彼女の背後にある監視カメラには、□ボタンのマーク。
この時点で、筆者の頭の中は「?」マークがいっぱいだ。まったく事前情報を仕入れずにプレイしたため、彼女が主人公なのか、どんな状況なのか、まったくわからないのである。
ひとまず□ボタンを押してみると、今度はその女性が捕らわれている部屋の、監視カメラから見た映像に切り替わった。別の女性と男性が部屋を訪れ、「この宣言書は、誰が改ざんした?」、「これは毒だぞ!」などと、捕らわれた女性に詰め寄っている模様。
画面の右上には“R1”のアイコンが表示されていたので、試しに押してみると、やはり先ほどと同じように画面が停止。同時に、部屋に来た2名の名称と、他の対応するボタンが表示された。
ボタンを押してみると、その人物のパスポートが表示され、医療経歴や犯罪経歴などが表示される。ふむむ、こうやって画面中の気になったところを調べるゲームなのかな?
やがて女性は別室へ連行され、再びこちらに向かって「助けて」と語りかける。そこで、これまでのように監視カメラに視点を切り替え、ドアにある“ハッキング”に対応したボタンを押すと、ドアが開いた。女性は言う、「あなたが開けたの……?」と。
ここで筆者は、やっと本作の全貌をつかむ。どうやらプレイヤーは外部の人間で、監視カメラから彼女を見ている。この、カメラの画像を通じて施設内の仕掛けを動かし、捕らわれていた女性――ホープを、脱出させることが目的なのだ。なるほど、これは新しい!
ゲームの概要が理解できたことで、一気に“やるべきこと”が見えてくる。まずは視点となる監視カメラを切り替えて、周囲の状況の把握。壁に貼ってあるポスターや、映り込んだ人物の詳細なども、監視カメラ越しにくわしく調べられる。ドアはハッキングで開けられるが、一部は暗証番号が必要だったり、“OMNI 5.0”と書かれていて、現時点では操作できない。きっと、後ほど開けられるようになるのだろう。
さて、周囲に人影はいないようだが、どのようにホープを逃がすのであろうか。じつは、彼女はコントローラーの左スティックで移動できるのだ。そればかりか、プレイヤー(=カメラから見ている謎の人物)が行えないこと、たとえばその場にあるアイテムを拾ったり、プリズラック(施設をウロウロしている、いわば見張り役)のポケットからアイテムを拝借できる。
本作はこのように、監視カメラから見ている“プレイヤー”と、“捕らわれた女性であるホープ”ふたりの視点を駆使しながら、施設からの脱出を目指す。基本的に監視カメラの視点でゲームが進行するのは新鮮で、また画面に映るポスターやメールなど、さまざまなアイテムを調べられるのも楽しい。ゲームジャンルとしてはステルスアクションだが、ほかに類を見ないプレイ感覚は、本作でしか味わえないだろう。
さて、今後のプレイヤーとホープの脱出劇だが、序盤といえど詳細はネタバレになってしまうので、詳しくは述べない。代わりに、以降で登場するギミックなどを紹介していく。
まずプレイヤーだが、施設にハッキングするのに“OMNI(オムニ)”というシステムを使用しているらしい。ゲーム開始直後はバージョンが0.5と低いが、ゲーム中に特定の場所に行くことでレベルアップ、以降はそのレベルに対応したドアをハッキング可能になる。
また、ゲーム中に発見したポスターや書籍といった情報は、よくある収集要素に留まらない。マーケットにアクセスすると入手した情報を売却することができ、稼いだお金でスキルを購入できるのだ。
スキルは、ボイスメールを聞けるようになるもの、プリズラックの行動パターンがわかるようになるものなど、いくつか種類がある。収集要素を通じて、探索やステルスの幅が広がり、個々の要素をより楽しめるようになるわけだ。
ただし、これらアクションの一部は、実行するのに携帯電話のバッテリーを消費する。要は、使用回数が決められているのだ。バッテリーは、新たなバッテリーを入手することで使用回数が回復するほか、特定の場所で充電可能。そのため、充電設備がある場所は、攻略するうえでぜひとも覚えておきたい。
また、謎解きも存在する。たとえば絵画が複数枚設置され、出口が見当たらない部屋。ホープが絵画に触れるとギミックが作動し、絵の内容が変わる、というものだ。一定の法則に従って絵の内容をそろえると、出口が開く、といった具合だ。
さて、そんな感じでエピソード2の中盤まで遊んでみた。やはり監視カメラからの視点でプレイするステルスゲーム、というポイントが斬新で楽しい。キャラクターの周囲を自由に見渡せるゲームとは異なり、周囲の状況を100パーセント把握できるわけでないので、「見えない場所に敵がいたら……」というドキドキ感がつねにつきまとい、終始緊張感を楽しめるワケだ。
ステルス要素はかなり簡単に感じた。プリズラックは決まったルートを巡回しているため、その行動パターンを把握すれば、相手のスキは簡単に発見できる。加えて、ホープがしゃがみ状態ならば、真後ろに近づいても、そこからポケットのアイテムを拝借しても、まったく気づかれない。ステルスがあまり得意でない人でも、コソコソ行動する楽しさをバッチリ楽しめるバランスだ。もちろん、プリズラックのスキがとても少ない場面もあり、その場合は緊張感をたっぷり楽しめることだろう。
個人的に気に入ったのは、通風口を利用しての移動だ。施設のどこかでドライバーを発見すれば、通風口のファンを取り外して入れるようになる。せまい通風口の中をコソコソと移動するのはスパイ映画のようで単純にワクワクするし、マップを見ただけでは想像もつかないようなショートカットが開通することもある。隠し部屋に通じている場合もあり、発見できたときの高揚感は非常に大きい。もちろん行き着く先が安全という保証はなく、通風口から出たらプリズラックと鉢合わせ、なんて予想外のハプニングが発生することも。どちらの結果にせよ、このドキドキ感はヤミツキになり、見かけた通風口はつい入ってみたくなる。
気になる設定や主人公の正体といったゲームの真相だが、これについてはまったくの不明。ゲームを進めていると、どうやら小説が禁じられた世界というのはなんとなくわかるのだが……。いずれにせよ、ゲーム序盤からこれらの情報は意図的に隠されているため、真相が気になる。また単純に逃げるだけでなく、道中さまざまな事件が発生し、ストーリーが急展開していくため、つい先を見たくなる作りになっているのだ。ホープの逃避行は、果たしてどうなるのか。気になる結末は、ぜひ実際にプレイしてその手で確かめていただきたい。