WeMade OnlineとNHN ハンゲームが共同運営するPC用MMORPG『ICARUS ONLINE』は、2016年4月でサービス開始から1年を迎える。新規サーバー“ネルヘス”のオープンを目前に控える同作の現在と未来を、広報プロデューサーを務める横山遼氏に聞いた。

●オフラインイベントの開催計画も判明!

 WeMade OnlineとNHNハンゲームが共同運営するPC向けMMORPG『ICARUS ONLINE』は、2016年4月でサービス開始から間もなく1年を迎える。新規サーバー“ネルヘス”の開幕を目前に控え、さらなる盛り上がりの到来が予感される同作の現在と未来を、広報プロデューサーの横山遼氏に聞いた。

▲今後実施される目玉コンテンツのひとつ“フェロー牧場”。
▲WeMade Onlineの横山氏。日本ユーザーと韓国開発スタッフの橋渡し役も担う。

 『ICARUS ONLINE』は、プレイヤーが育成したフェローとともに敵と戦う独特のシステムで知られているほか、昨年はアップデートが毎月行われるなど、更新頻度の高さも大きな特徴のひとつ。今回は後者の部分に焦点を当て、4月アップデートの中核を成す“フェロー牧場”(※)の中身だけでなく、5月の更新でお目見えするPvPコンテンツの詳細についても直撃。同作の直近の展開を聞くとともに、『ICARUS ONLINE』の将来像についても横山氏に語ってもらった。

(※フェロー牧場:フェローとのコミュニケーションを目的としたハウジング系のコンテンツ)

▲3月17日にアップデート“次元の亀裂”を公開。ほかのサーバーのプレイヤーとパーティを組んでダンジョン攻略に挑めるようになるなど、新たな機能とコンテンツが追加されている。

●4月アップデートの中心はフェロー牧場

──4月に予定されているアップデートはどのようなものでしょうか?

横山遼氏(以下、横山) 現状ではフェロー牧場をはじめとする、フェローに関係する横の広がりを持つコンテンツを導入する予定です。

──もともとフェロー牧場は3月リリースというアナウンスでしたよね。

横山 フェロー牧場は日本側から企画を提案したコンテンツで、前回のオフラインイベント“飛翔祭”において3月導入予定と発表しました。その後、(フェロー牧場に関する)新たな企画を追加で10個ほど韓国の側へ投げかけたところ、すでにゲームに入っている、あるいは今後実装予定のフェロー系コンテンツとのあいだの整合性にズレが生じるとのことで、公開を少し遅らせていただくことになりました。

──どういう部分がズレてしまったのですか?

横山 たとえば、「今後日本に入る予定のものも、まとめてフェロー牧場に組み込めるのでは?」という意見も出てきたりして、調整に手間取っていた状態です。今回この部分が解決できたので、つぎのアップデートで導入することを決めました。

──新たな企画が盛り込まれたぶん、当初の計画よりもボリュームが増したわけですね。

横山 さきほどお話した10個の追加企画のうちのいくつかは、初動で導入されます。残りは今後の2次、3次アップデートで“拡張”という形で入ってきます。

●フェロー牧場ではハウジングに近い楽しみが味わえる

──フェロー牧場は最終的にどのように仕上がりましたか?

横山 いわゆるハウジング系のシステムの中でフェローと関わりを持っていく遊びです。空や地面といったオブジェクトを交換して牧場の見た目を変更できるほか、特定のフェローを集めると、スペシャルな効果が得られる機能も盛り込まれています。
 また、たとえばフェローを3時間くらいどこかの場所へ派遣すると、アイテムを収集して戻ってくるような要素も存在します。ほかにも牧場に増資をすることで、畑や釣りなど、いわゆる生活系の追加コンテンツが今後開放されたりもします。
 あとは、プレイヤーに対するフェローの好感度が設定されます。牧場内でエサやり/なでる/ブラッシング/おもちゃを与える/などを行って好感度を高めることで、さまざまな特典が獲得できる仕組みです。

──その特典には、たとえばどのようなものが?

横山 フェローに特殊なエフェクトが発生するようになる、といったものを企画中です。ほかにも、アイテムがもらえたり専用のフェロー装備のようなものが取得できたり……といったアイデアについても、開発側に提案しています。

──MMORPGらしい、骨太なハウジングを目指しておられるのですね。

横山 そうですね。サービス開始当初から、ギルドルームなどのハウジング機能を入れてほしいというユーザーの声は多かったんです。その実現が難しいため、長らく見送られてきた経緯があります。その代用品というわけではないのですが、『ICARUS ONLINE』の中心要素でもあるフェローにハウジングの機能を持たせることで、ユーザーにご満足していただければという思いはあります。

──韓国などアジア系の開発会社は、戦闘や装備のようなメインの要素に注力するあまり、サブコンテンツのハウジングにはあまり意識を向けないとも聞きます。

横山 ギルドルームやギルド倉庫といった機能は、全体を見ると後出しになっているのはたしかです。

──お話を聞くと、飛翔祭で公開された開発中の画面写真では、フェロー牧場の機能が収まりきらないような気がしてきました。

横山 初動の状態ではあれくらいのサイズで十分ですが、将来的な拡張を踏まえると、たしかに手狭になるかもしれません。今後のアップデートで機能は拡張されていきますが、現在作業中の要素だけでなく、ユーザーから寄せられたご意見や要望を反映させた機能についても、別途準備を進めていこうと思っています。

──とはいえ、プレイヤーの要望にすべて答えるのは難しそうです。

横山 たとえば外見変更に関するシステムの導入は、かなり難しいようです。ですが、生活系コンテンツを好むユーザーからはそういった要望も出るのは確実だと思うので、解決に向け優先的に取り組みます。

──そういえば、ペットを軸に据えたハウジングは、ほかのMMORPGではほとんど見かけませんね。

横山 自分が主体となったハウジングはそこそこ見かけますが、ペットはあまりないですね。いいアイデアがあれば、ぜひ我々にお寄せいただければと。『ICARUS ONLINE』は日本の企画案が比較的通りやすいので、今後もみなさんのアイデアを韓国の開発側に提案すれば、フェロー牧場以外のコンテンツも実現できるのではないかと思っています。

──ハウジングはMMORPGに本来あってしかるべき要素だと思うので、今後さらに国内ユーザーの好みにマッチしたコンテンツの登場に期待したいです。

横山 そうですね。フェロー牧場の拡張はなるべく年内にはひとまず完了させたいと思っています。

▲左はフェロー牧場のイメージイラスト。フェローたちとスキンシップが図れる場として機能する予定だ。

●フェロー捕獲の補助を目的としたダンジョン“実験室”も登場

──4月のアップデートでは、フェロー牧場以外にどんな要素が入るのでしょうか?

横山 仕様の詳細はまだ検討中ですが、“フェロー実験室”というダンジョン型のコンテンツが入ります。じつはその仕様について、昨年の夏ごろから開発側と激論を交わしていまして(笑)。

──なんとそんなことが。

横山 韓国版に実装されている同名のコンテンツは、フェローを捕獲したいときにそれができない部分を改善する目的で導入されたダンジョンです。(フェローが)いないときに1日に1回だけその実験室に入場でき、内部でさまざまなフェローが捕獲できる作りになっています。

──それを導入すると、フェローを時間ごとにポップさせる意味が薄まってしまう気がします。

横山 はい。フェローの捕獲が難しいのであれば、再出現時間の調整やチャンネル数の増加といった対策を取るべきです。にもかかわらず、ダンジョン内でそれを済ませてしまえるのはMMORPGにおける対応としてはよくないのではないかと。この方向性について開発側と話し合いを重ねた結果、韓国版のフェロー実験室と形が変わることがほぼ確実となりました。

──具体的にどう変わるのでしょうか?

横山 フェローを捕まえるための施設ではなくなります。方向性としては、1日に1回だけ挑めるダンジョンに潜入していただき、そこでフェローを捕獲するための素材を獲得してもらう流れを想定しています。

──ダンジョンでアイテムを集めることで、フェローの捕獲をサポートしてもらえるわけですね。では、そのほかの新要素についてはいかがですか?

横山 サブ的なものになりますが、スペシャルコレクションを初期化できるシステムが導入されます。特定のフェローをすべて捕獲すると、決められたアイテムがもらえるコレクション的な要素がすでにありますが、この進捗をすべてリセットして最初からやり直せる仕組みです。これらフェロー関連の新要素を4月のアップデートで押し出したうえで、運営のイベントも絡めてユーザーに楽しんでいただこうと思っています。

──その運営イベントでは何が行われるのですか?

横山 捕獲を支援するタイプの催しです。なかなか捕まえられないフェローや、初心者が捕獲する機会の少ない上位フェローについて、再出現時間や出現数を運営側で調整していきます。また“証”の入手についても、イベント関連のクエストを通じて支援しようかと考えています。

▲日本側からの働きかけによって、フェロー牧場が日本のファン向けにアレンジされることとなった。

●既存の装備を強化して5月アップデートを迎える流れを想定

──今回、フェロー関連のアップデートに力点を置いた理由は?

横山 4月のアップデートでフェロー系の要素を押し出している理由は、フェローの捕獲状況がユーザーの強さに直結するからです。じつは、つぎのレベルキャップ開放といいますか、ひとつ上のコンテンツの導入を考えたときに、日本のユーザーの強さが現状ではさほど高まっていないという状況があります。コンテンツは十分に攻略されているにもかかわらず、(フェローを含めた)ユーザーの装備の水準がそこに追いついていないのです。

──ちょっと変わった状況ですね。

横山 いわゆるトップ層の方は十分到達しているのですが、ミドル層とライト層の方々は、そこからだいぶ離されています。上のほうにいるユーザーはどんどん強くなっていく一方、下にいる方たちはちょっとずつそれを追いかけている感じです。すべての階層にいる方々が一定の水準まで達しない状態でつぎのアップデートで新規コンテンツを入れると、上部のユーザーしか楽しめない状況になってしまいます。

──その結果、上と下の差がさらに開くことにもなりかねませんよね。

横山 そうならないために、なるべくつぎのアップデートまでに、運営側でサポートを加えることでミドル層とライト層の水準を押し上げたいと思っています。今回のアップデートは、まさにその一環という側面もあるのです。3月に実施したアップデート“次元の亀裂”でダンジョンに挑みやすくなったことで、装備品の排出量が以前と比較して3~4倍くらい増加しています。こうしてミドル層とライト層も強い装備が揃えられるようになったので、つぎはフェロー方面に手を加える番。最終的に十分な強さを持つ装備とフェローを手に入れてもらったうえで、5月に追加されるPvPコンテンツ系の横のアップデートを楽しんでもらおうと考えています。

──春の一連のアップデートは、つぎのエンド系コンテンツを楽しむための準備というわけですね。

横山 そうなります。つぎのコンテンツでは新しい装備品が出てこないので、すでに持っている武具は今後も使い続けられます。ですので、手持ちの装備品をそのまま強化していただいてまったく問題ありません。

──強化せずにそのまま持っておこうと考えていた方は多いはずです。

横山 私もそういうタイプなのですが、今後も長く使えるので、安心して強化できます(笑)。併せて、いい装備も厳選していただければなと。既存の一連の武具やフェローを集めていただいたうえで、横の広がりを持つ5月のアップデートでそれを楽しんでいただく流れになります。

──ちなみに、トップ層とミドル層の差が開きすぎている問題を抜本的に改革しようと思ったのはいつごろからですか?

横山 2015年11月にレンジャーを実装したタイミングで動き始めました。レベル1からレンジャーを育てようとすると、レベル50のユーザーと比較した場合、2015年9月からのアイテムなので3ヵ月ぶんの差が生じてしまいます。レベルアップ応援報酬ボックスを実装したり、下のレベル帯の装備品をすぐ交換できるようにするなどの対策を行った結果、レベル1から40までの育成の面でいえば、現時点ですでに整っています。一方でレベル40から50までの、いまプレイを進めているライト層の方々の装備がまだテコ入れがなされてこなかったので、今回まさにそれを行おうという状態です。

▲昨年11月のアップデートで追加された新職業のレンジャー。遠距離攻撃だけでなく近接戦闘も得意とする万能選手だ。