わいわい遊ぶのに最適な戦車モードが実装
2016年3月23日、ゲームオンが運営するPC用オンラインFPS『Alliance of Valiant Arms』(以下、『AVA』)に新モードが実装されるという。
『AVA』はFPSの定番“爆破”や目標物を奪い合う“奪取”などのほか、戦車を守りながら進軍する“護衛”のような変わったモードも備えている。すでに種類が豊富なので、どんなモードが増えてもそれほど驚かないだろう。そう思っていた。
その新モードについて、広報担当者は「戦車に乗って撃ち合うモードなんですが・・・」と言っていた。なんだ、それは。それはすでに違うゲームなのではないか。エイプリルフールはまだ先だぞ。メディアを集めて体験会を実施するとのことだったで、僕は一路ゲームオンに向かった。
「戦車を動かしたい」というユーザーの声が後押し
3月23日に実装されるのは、その名も“BATTLE TANK”。5対5~12対12で対戦する新モードだ。敵の戦車を全滅させるのが目的で、3ラウンド先取で勝利となる。とくに参加制限はなく、搭乗する戦車は共通なので、ルーキーからベテランまでほぼ対等の条件で戦闘可能だ。
基本操作はWASDキーで移動、左クリックで砲撃と、一般的なFPSとだいたい同じ。左Ctrlキーとスペースキーで一時的に性能を強化できるスキルを使えたり、Eキーで戦車の乗り降りができたりなど、本モードならではの操作も加わっている。
ラウンドがスタートすると、まずは3種類の戦車からひとつを選択。いわゆる軽戦車、中戦車、重戦車に相当する3輌で、スピードや攻撃力、防御力、スキルなどが異なっている。
【SK105】HP:800 砲のダメージ:200
軽戦車。単純な移動速度はもとより、砲塔の回転速度や装填速度も高い。その代わり、攻撃力は低く、装甲も薄い。所持スキルは“急加速”と“照準安定化”。
【T90】HP:900 砲のダメージ:300
中戦車。そこそこ速く、そこそこ砲撃が強く、そこそこ硬いバランス型。使いやすいので、迷ったらT90を選んでおけば問題なし。所持スキルは“急加速”と“煙幕弾”。
【Leopard 2A6】HP:1100 砲のダメージ:400
重戦車。砲弾の威力も装甲の厚さも3車輌中トップ。移動、装填、砲塔の回転が遅いため、近くの敵を狙いにくい。所持スキルは“装甲強化”と“煙幕弾”。なお、護衛モードに登場する戦車はこのLeopard 2A6である。
なぜ戦車で戦うモードを作ったのか。井上プロデューサーによると、「これまでにないような新しいものを作りたがる開発スタッフが徐々に増えているんです」とのこと。ユーザーから多く寄せられた「戦車を動かしてみたい」という声にも後押しされたようだ。
その気持ち、わかる。僕も護衛モードの戦車を自分で操縦したかった。
FPSに自信がなくても楽しめるゲーム設計
井上プロデューサーから簡単な説明を受けたあと実際にプレイしてみたのだが、まぁこれが楽しい。取材だというのに終始笑いっぱなしだった。原因はきっと軽戦車のSK105がレースゲーム並みのスピードでぐりぐり走行できることだ。ドライバーズハイというやつだろうか。脳から汁が出ていたのだと思う。
一般的なFPSの場合、調子に乗って突っ込んだらヘッドショットされて一気にテンションが下がるなんてこともあるが、BATTLE TANKでは一撃死があまりない。僕みたいにFPSがあまりうまくない人でもそれなりに活躍できるのがいい。
戦車の操作感覚はFPSとはだいぶ違う。たとえば、敵を狙うときにマウスを振って視界を動かすと、少し時間を置いて砲塔が回転するようになっている。急激に視界を動かしたり移動したりするとレティクルと呼ばれる照準範囲が開いて砲撃の精度が落ちるので、遠距離から狙撃する場合は、敵が移動する位置を読んで照準を合わせておくのが基本だ。名作バスケマンガ風に言えば「照準は置いておくだけ」。
戦車は部位によって装甲の厚さが違う点にも注意が必要だ。前面がいちばん厚く、背面はかなり薄い。堅固な部位に砲弾を撃ち込んでもダメージが大幅にカットされるため、待ち伏せや回り込みを駆使して、なるべく弱点を狙いたい。距離によって威力が減算されるので、接近してドーン! が理想である。
一般弾とは別に、弾速・威力が高い砲弾“AP弾”も用意されている。最大ダメージは3車輌とも共通で1000。SK105は2発、T90とLeopard 2A6は1発所持できる。SK105のスピードを活かして一気に接近し、ドリフト気味にぎゃりぎゃりとサイドに回り込み、ゼロ距離射撃で敵を倒したらめちゃくちゃかっこいいと思うが、この日のテストプレイではそんなことできなかった。人生は甘くない。
戦車が撃破されて戦闘不能になると10秒後にリスポーンする。プレイヤーは護衛モードでお馴染みの対戦車兵器“RPG-7”を所持しているため、戦車に乗った敵を撃破可能だ。敵を倒して空になった戦車を奪えば戦いを有利に進められる。
無計画にわいわい遊べる一方で、選んだ戦車によって役割分担をしながら戦略的に戦うことも、もちろん可能だ。視認した敵はマップ上に赤く表示され、その位置情報はチーム全体に共有される。SK105が突っ込んで敵陣をかき回しながらLeopard 2A6の射線上に誘導すれば、スムーズに戦えるだろう。
ひとしきり遊んでみて、ほかのモードと比べると戦略の重要度はそれほど高くないと感じた。オフラインイベントなどとも相性がよさそうだ。ネットカフェなんかに集まって騒ぎながらプレイしてみたい。書いていいかわからないのだけど、このひと言で締めよう。これ、バカゲーってやつだな。