となりの畑は肥沃に見える……よろしい、ならば戦争だ!!

『ダイコン王の野望ッッッン!!』ベジタブルな兵士たとのタワーオフェンスアクション【とっておきインディーVol.69】_01

 『ダイコン王の野望ッッッン!!』は、野菜やフルーツの擬人化キャラクターオンリーの世界が特徴的な作品です。ゲーム内容は、時間の経過や敵を倒すことで回復するポイント(ミネラル)を使って兵を戦場に配置し、彼らが敵の拠点を攻め落とすさまを見守るという、ステージクリアー型のタワー”オフェンス”ゲーム。基本プレイは無料、兵の種類はおもにガチャ(畑での収穫)で増やす、特殊な消費アイテムはストアで購入可能……と、スマートフォンゲームの定番スタイルを踏襲しています。

 実際に遊んでみると、メインのゲーム部分のシンプルさと、プレイヤーのほどよい介入要素、そして、小気味よい操作性によって、あと1ステージだけ、そしてまた1ステージだけ……と、ついプレイしてしまう魅力があります。このあたりの感覚、ゲームの形態やグラフィックの洗練度こそ違えど、キッチュな魅力に溢れていた、1980年代初頭のアクションゲーム群に近いかもしれませんね。

『ダイコン王の野望ッッッン!!』ベジタブルな兵士たとのタワーオフェンスアクション【とっておきインディーVol.69】_02
『ダイコン王の野望ッッッン!!』ベジタブルな兵士たとのタワーオフェンスアクション【とっておきインディーVol.69】_03
▲ダイコン王
▲ダイコン大臣
『ダイコン王の野望ッッッン!!』ベジタブルな兵士たとのタワーオフェンスアクション【とっておきインディーVol.69】_04
『ダイコン王の野望ッッッン!!』ベジタブルな兵士たとのタワーオフェンスアクション【とっておきインディーVol.69】_05
▲一度フィールドに配置した兵士たちは、その命が尽きるまで、移動や攻撃などの行動を取り続ける。
▲クエストモードのマップ画面。1マスにつき1ステージが用意され、最終地点にはボス敵が控える。

ダイコンリーグで俺より強い野菜に会いに行け!?

『ダイコン王の野望ッッッン!!』ベジタブルな兵士たとのタワーオフェンスアクション【とっておきインディーVol.69】_15
▲手持ち兵士が充実した相手どうしなら、フィールドがピカピカ光まくり、群れまくりのど派手なバトルが展開。

 運営開始からすでに1年以上経っている本作だが、今年1月の“グランドオープン”と称される大型アップデートによって、多くの機能が追加され、より遊びやすくなった。なかでも注目は、ほかのプレイヤーとオンラインリアルタイム対戦を楽しめる“ダイコンリーグ”の存在。チーム編成や、必殺技の発動タイミングにこだわることで、シングルプレイでは体験できない高度な駆け引きを楽しめるのが特徴だ。現在は兵士のレベルが均一化された状態での対戦となっているが、将来的には、育成したユニットどうしでの戦いも可能になるとのこと。

『ダイコン王の野望ッッッン!!』ベジタブルな兵士たとのタワーオフェンスアクション【とっておきインディーVol.69】_13
『ダイコン王の野望ッッッン!!』ベジタブルな兵士たとのタワーオフェンスアクション【とっておきインディーVol.69】_14
▲対戦相手の手の内は戦うまでわからないので、戦闘開始直後の方針決定と、瞬時の判断が重要に。
▲リーグでの成績に応じて、さまざまな報酬を受け取れるのだ。

登場ユニットはみ~んなとれたての野菜・果実たち!

 3月1日の時点で、本編で登場する兵士は約130種類。カワイイものからイカツいものまで幅広く揃っているので、見た目重視でチーム編成してもおもしろそうだ。

『ダイコン王の野望ッッッン!!』ベジタブルな兵士たとのタワーオフェンスアクション【とっておきインディーVol.69】_07
『ダイコン王の野望ッッッン!!』ベジタブルな兵士たとのタワーオフェンスアクション【とっておきインディーVol.69】_08
『ダイコン王の野望ッッッン!!』ベジタブルな兵士たとのタワーオフェンスアクション【とっておきインディーVol.69】_09
▲ダイコンChan
▲タマネギプリースト
▲モロコシガンナー
『ダイコン王の野望ッッッン!!』ベジタブルな兵士たとのタワーオフェンスアクション【とっておきインディーVol.69】_10
『ダイコン王の野望ッッッン!!』ベジタブルな兵士たとのタワーオフェンスアクション【とっておきインディーVol.69】_11
『ダイコン王の野望ッッッン!!』ベジタブルな兵士たとのタワーオフェンスアクション【とっておきインディーVol.69】_12
▲ピーチグルーピー
▲賀茂なすの与一
▲ドラゴンフルーツ

ヘキサドライブ代表取締役社長 松下正和氏に聞く!

『ダイコン王の野望ッッッン!!』ベジタブルな兵士たとのタワーオフェンスアクション【とっておきインディーVol.69】_06

松下正和氏
ファイナルファンタジー零式 HD』(スクウェア・エニックス)などの開発を手掛ける開発会社ヘキサドライブ(本社・大阪府)の代表取締役社長。

──『ダイコン王の野望ッッッン!(! 以下、ダイコン王)』は、ヘキサドライブ開発タイトルのラインアップの中でも、かなり異彩を放っています。本作開発の経緯を教えてください。
松下 弊社には、もともとプログラマーしかいなかったこともあり、当初から移植を受託する流れができていました。ただ、移植開発専門の会社を立ち上げたわけではなかったので、近年はプランナーやデザイナーも積極的に採用してきました。『ダイコン王』は、自社オリジナルタイトル第1弾の企画公募の中から出てきたものです。私からあらかじめ「縦画面でできるタワーディフェンスがあるといいね」というリクエストを出しておいて、自由に発想してもらった結果、このようなゲーム性が生まれました。

──世界観はこの路線で……となった決め手は?
松下 すでに世に出ているスマホゲームを見渡したときに、同じようなモチーフの作品が多いと思いました。じつは、最初の企画の時点では、ユニットがふつうの人間だったんですけど、せっかくオリジナルで勝負するならキャラクターや世界観でオリジナル色を出したかったので、「もうちょっとユニークさを出してよ」と言いました。その後、チーム内で練られてできあがったのが、いまの形です(笑)。

──開発チームの規模はどのくらいでしょうか?
松下 企画、プログラム、デザインを合わせて10人前後です。社内の実験タイトルという位置づけで、紆余曲折しながらやっているという面はありますが、チームの人間が担当職に関係なく意見を出し合って、こだわりを持って作っています。

──2016年1月の大型アップデート以前は“知る人ぞ知るゲーム”という位置づけだったように思います。こうしたプロモーション展開には、何か意図があったのでしょうか?
松下 我々が満足のいく状態になってから、プロモーションを打ちたかったんです。じつを言うと、今回のグランドオープンによって、リアルタイム対戦モードなど、当初から入れたかった要素をやっと実装することができました。シングルプレイでは使いどころがなくても、対戦プレイで真価が見えてくるユニットもいるので、今回で初めて『ダイコン王』を知った方はもちろん、ずっと続けてくださっている方も、より楽しんでいただけると思います!

『ダイコン王の野望ッッッン!!』ベジタブルな兵士たとのタワーオフェンスアクション【とっておきインディーVol.69】_16
▲「関西の中堅ディベロッパーが、つぎつぎと自社タイトルをリリースしていることに刺激を受けている面もあります」と、松下氏。

──今後も、自社オリジナルタイトルを精力的に開発されるのでしょうか?
松下 ヘキサドライブは大手メーカーからの受託タイトルが多く、手堅いイメージを持たれている方も多いかもしれませんが、オリジナルタイトルのチャレンジはつねに続けていきます。ライトなスマホゲームに限らず、これまでのHDタイトル開発で得た経験やノウハウを、いずれ自社タイトルに投入してみたいという気持ちもありますね。


ダイコン王の野望ッッッン!
メーカー ヘキサドライブ
発売日 配信中
価格 基本無料(アイテム課金あり)
ジャンル タワーオフェンスゲーム