ビデオゲームの歴史と未来に触れあえる体験型展覧会が日本初上陸!

 ビデオゲーム黎明期の名作から家庭用ゲーム機の傑作や、発売前の新作など、古今東西のゲームが一同に集結したゲームの展覧会“GAME ON”が2016年3月2日〜5月30日まで、東京・お台場の日本科学未来館で開催される。本稿では、一足早く開催されたプレス内覧会とオープニングセレモニーの模様をお届けする。

 “GAME ON”とは、2002年にイギリス・ロンドンのアートギャラリー“バービカン・センター”で初開催され、以降、オランダ、フィンランド、フランス、イスラエル、アメリカ、香港、オーストラリア、台湾、ベルギー、アイルランド、メキシコ、ブラジル、ポルトガル、チリ、アルゼンチン、カナダと、世界中を巡回しながら200万人以上の入場者を集めた人気イベント。今回、その企画展が出展タイトルを大幅に追加、増量し、いよいよ日本に初上陸を果たした。1971年にビデオゲームの父と呼ばれるノーラン・ブッシュネル氏により生み出された、世界初のアーケード向けビデオゲーム『コンピュータースペース』に、1972年にATARIが世に送り出し、世界的なヒットとなった『PONG(ポン)』など、ビデオゲーム黎明期の貴重な筐体から、70年代後半〜80年代に一大ブームを巻き起こしたタイトーのテーブル筐体型ビデオゲーム『スペースインベーダー』をはじめ、以降に続く家庭用、アーケードのゲーム機、タイトルなどを多数展示。基本的にほとんどすべてのタイトルがプレイアブル出展となっており、実際にプレイすることが可能となっている。

▲世界各国での“GAME ON”開催の様子

 今回の“GAME ON ゲームってなんでおもしろい?”に展示されるタイトルは139タイトル。そのうち、133タイトルがプレイアブルになっている(※)。なお、海外で発祥した企画展ながら、日本製のタイトルが半数以上を締めているのは、ゲーム大国と言われた日本の面目躍如と行ったところか。また、ゲームタイトル以外に貴重な資料やハードなども多数展示されているなど、ゲーム好きなら間違いなく楽しめるイベントとなっているが、親子で訪れて、古き次代のアーケードゲームをお父さんが子どもに教えたり、マインクラフトの遊び方を子どもがお父さんに教えたりといった、世代・年代を超えた楽しみかたができるのも本企画展の見どころだ。
※機器の状態により、プレイできない場合もあり。

 オープンに先駆けて、本イベントの企画・監修を手掛けた日本未来科学館の展示企画開発課長の内田まほろ氏と、角川アスキー総合研究所 リサーチメディア本部主席研究員の遠藤論氏が登壇。“GAME ON ゲームってなんでおもしろい?”の企画展趣旨説明が行われた。

▲写真左:日本未来科学館 展示企画開発課長 内田まほろ氏
 写真右:角川アスキー総研 リサーチメディア本部主席研究員 遠藤論氏

内田まほろ氏 日本科学未来館は開館してから15年経ったところで、最先端の科学技術を知りながら、未来をともに考えていく科学館といいつつ、科学だけにとどまらない、いろいろなことを皆さんとシェアするということをミッションとして掲げています。ここで、なぜゲームの展示をするのかについてですが、ゲームというのは、背景にテクノロジーと、勝負したい、上手くなりたい、楽しみたいといった人間の欲望が入り交じって、この50年でものすごく成長したカルチャーだと思います。その歴史を、このタイミングで学びつつ、「ゲームって、本質的にいったい何なんだろう?」ということを知って、次の未来を考えたい。そんなつもりで今回の展覧会を企画しました。

遠藤論氏 いろいろな方たちにご協力いただいて、やっと今日スタートしますが、作業の途中で、僕らはゲームに育てられてきた部分もあり、ゲームといっしょに成長してきたという部分があると感じました。ここの展示を見られたら、その感じ方に共感していただけるはずです。今回展示している、商業的にいちばん最初に成功したゲーム機の『PONG(ポン)』(1972年)/アタリから、最先端のPlayStation VRまで見ていくと、僕らの生活はゲームの中に入っていくのではないかと感じることができると思います。

▲日本科学未来館の最寄り駅は、新交通“東京テレポート駅”が徒歩4分と近いが、遠藤氏はゆりかもめ線“台場駅”のダイバーシティからも7〜8分で来られる点を強調。お台場ガンダムといっしょに“GAME ON”を楽しんでもらえたらと語っていた。写真はダイバーシティにある等身大のガンダム。

130タイトル以上のプレイ可能な名作タイトル&筐体を展示

 会場は、ゲームのテーマ性に沿って8つのエリア+未来を見据えたNEXT STAGEの9つのステージで構成されている。出展作品は単純に年代順に展示されているだけではなく、各テーマに沿って年代を跨いだ形で集められている。展示会場のステージのテーマ、出展タイトルは以下の通り。

Stage1:プレイの誕生 コンピュータが生んだエンターテインメント

おもな展示タイトル:
『PONG(ポン)』(1972年)、『コンピュータースペース』(1971年)、『ルナーランダー』(1979年)、『ドンキーコング』(1981年)
テレビゲームの誕生、発展の基礎といった、創世記の筐体、作品が多数展示されているステージ。

Stage2:ゲームセンターでプレイ アーケードゲーム

おもな展示タイトル:
『スペースインベーダー』(1978年)、『ハングオン』(1985年)、『ストリートファイターII』(1991年)
1970年代から1980年代、ゲームセンターが社会現象を巻き起こした次代のアーケードゲームを中心に展示。

Stage3:いろいろプレイ 「○○ゲー」の発生と進化

おもな展示タイトル:
『鉄騎』(2005年)、『ピットフォール』(1982年)、『GRAVITY DAZE』(2015年)、『MYST』(1993年)
家庭用ゲーム機やPCによって、膨大に増えていったゲームジャンル。このステージでは、各ゲームジャンルを象徴するような作品を展示している。

Stage4:おうちでプレイ 家庭用ゲームの進化

おもな展示タイトル:
『テレビテニス』(1975年)、『フリーウェイ』(1981年)、『ファンタジーゾーン』(1986年)
ゲームセンターから、一般家庭に入り込んできたテレビゲームの進化を伝えるステージ。国内外の家庭用ゲーム機が多数展示されている。

Stage5:どこでもだれでもプレイ キッズ&ポータブルゲーム

おもな展示タイトル:
『フットボール』(1977年)、『サイモン』(1978年)、『GUNPEI(グンペイ)』(1999年)
親子でいっしょに楽しめる教育ソフトや、持ち運んで遊べる携帯型ゲーム機を展示。ゲーム&ウォッチの全機種展示は見どころのひとつ。

Stage6:アートでプレイ ゲームキャラクター、音楽、映画

おもな展示タイトル:
『パラッパラッパー』(1996年)、『スペースチャンネル5』(1999年)
巨大エンターテインメントビジネスに成長することで生み出されたキャラクターや独自の音楽、文化、映画などをまとめて紹介するステージ。

Stage7:みんなでプレイ インディーズゲームとプラットフォーム

おもな展示タイトル:
『マインクラフト』(2014年)
作りたい気持ちを刺激する新しいタイプのゲーム『マインクラフト』で、日本科学未来館を再現したステージの探検ができる。

Stage8:みんなでプレイ マルチプレイヤーとコミュニティ

おもな展示タイトル:
『ワールド・オブ・ウォークラフト』(2004年)、『ザ・ビートルズ:ロックバンド』(2009年)、『アングリーバード』(2009年)
インターネットの普及に伴い、世界中で普遍的に愛されるようになった作品を中心に展示している。

NEXT STAGE:未来をプレイ ゲームはリアルに、リアルはゲームに

おもな展示タイトル:
PlayStation VR(2016年)、『グランツーリスモ6』(2013年)
現実世界とゲームの世界の境界を越えつつある現在の最新プロジェクトを感じることができるステージ。3種類のVRコンテンツを体験できるほか、『GT6』も展示。
※PlayStation VRの体験は12才以上のみ。

“GAME ON”会場の様子

GAME ON stage1,2 - Spherical Image - RICOH THETA

 そしていよいよ、“GAME ON ゲームってなんでおもしろい?”のオープニングセレモニーが実施された。まずは本企画展の主催である、毛利衛氏が登壇。毛利氏は、1992年にスペースシャトルエンデバー号に搭乗し、宇宙に行った経歴を持つ元宇宙飛行士。本企画展の主催者を代表し、日本科学未来館の館長としてオープニング挨拶を務めた。続いてバービカンインターナショナルエンタープライズのNeil McConnon氏とソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジア プレジデントの盛田厚氏が開会の挨拶を行った。

▲写真左より、角川アスキー総合研究所 代表取締役専務:福田正氏、フジテレビジョン事業局長:宇津井隆氏、日本科学未来館館長:毛利衛氏。
▲写真左より、企画協力のバービカンインターナショナルエンタープライズ:Neil McConnon氏、特別協賛のソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジア プレジデント:盛田厚氏。

毛利衛氏 今回、この企画展を開催できたのは、本当に多くの方々のご協力によるもので、あらためて感謝の意を表したいと思います。私は、ゲームもスポーツのような、文化のひとつだと考えています。ゲームを通じて、未来へと進むための最適解を指し示すメッセージを届けることができたら、日本科学未来館のミッションを皆さんに理解してもらえるのではないかと思っています。

Neil McConnon氏 長らく待ち望んだ未来館での“GAME ON”展の開幕に参加でき、非常に光栄です。この企画展は、ゲームというものがどのように生まれ、どのように世の中に影響を与えてきたのか。最初期のビデオゲームから、VR機のような最新のゲーム体験まで、来館者がまるで旅をするような、そんな前例のない新しい展示をしています。このような現代文化の象徴でもあるゲームの歴史の企画を、アーティスト、デザイナー、プログラマー、ミュージシャン、ゲーム開発者と一体となって形にできたことを誇りに思います。バービカンセンターを代表しまして、未来館とのコラボレーション、そしてそのビジョンにお礼申し上げます。

盛田厚氏 科学とか未来は、私が子どもの頃はワクワクする言葉でした。プレイステーションは、子どもたちをゲームでワクワクさせたい、自分自身もワクワクしたいと思った人間が集まって始まり、子どもたちに夢を与えるためにずっと走り続けてきました。今回、日本の特別企画ということで、我々はPlayStation VRを展示させていただきました。このVRというのは、ゲームのなかに入り込んで、普段はできないことを体験してもらえます。この体験がイマジネーションを働かせ、何か新しいモノを生み出すきっかけになってくれるといいなと思っています。ぜひ皆さんも楽しんでください。